世界食料デーFAO主催イベント
10月16日は世界食料デーらしい。それに先立ち、2024年10月2日にFAO主催の世界食料デーイベント「食への権利を、より良い生活と未来のために」を聴講した。
その内容を簡単にサマリーしたい。
なお、総じて言うと、IFADの方が特に北半球の大企業と南半球の小規模事業者とのつながりをつくりたいという意欲を強くお持ちだという雰囲気だったのが印象に残った。(例:UCC、丸紅がタンザニアのコーヒー農家とプロジェクトをしている)
・現在は需要がマクロでは足りているにも関わらず偏在が起き需要と供給のミスマッチにより栄養にアプローチできない人々がいる
・将来的には需要増でより食料問題は深刻になると考えられる
・世界飢餓人口は現在7億人以上
・日本は食料農業農村基本法改定を通じて食料安全保障を強化している
・みどりの食料システム戦略でIFAD、UCC、丸紅でタンザニアのコーヒープロジェクトを立ち上げた。農村地域の食料チェーンに効果を出そうとする目論見の一つ。
・食料へのアクセスは人権宣言に書かれている普遍的な基本的人権だがマージナライズされた人(意訳:マイノリティ、体制の中で辺境にいる人々)が容易にアクセスできない現状がある。
・法的義務を定めて日本も1979年に批准している。日本の場合憲法を根拠に、国に保障を義務付けている。
・食料におけるジェンダーの不平等も深刻な課題だ。例えば、女性がEmpowermentされれば(意訳:十分な食料が手に入り自分で決められることが増えれば)家族の中の食の多様性が増える。その意味でもジェンダー平等の実現が必要。
・農村コミュニティがレジリエント(意訳:強靭、いちど突発的に崩れても元の状態にもどれる力を蓄える事)な状態になるには体制をつくることが必要。
・食料へのアクセス観点では手の届く価格にすることに失敗している
・農村コミュニティを変化させるには、小規模生産者の生産性向上への投資が必須
・持続可能なシステムに投資するのに1ドルつかうと将来緊急対応に10ドル使うことを節約できるほどのインパクトがある。
・IFADは貧困と飢餓をなくすため農村に投資しているが、金融機関として助成金や低利融資が特徴。パートナーシップを求めており、民間企業との結びつきを深めたい。北半球の大企業と南半球の小規模事業者を繋ぐ、全ての人のためのシステム変革が必要。相互に恩恵をつけられるサステイナブルなビジネス関係性の構築が必要。
・資金の流れが変わらないと現状を打破できない。新しい流れをどうやって作っていくかが課題。
・一般市民にもできることは、寄付や要望など様々な手段を使い、政府に働きかける事。専門の機関が丁寧に調査をしているのでそこに寄付して政策として採用されるように働きかけることができる。
オンラインイベントのため、ビデオなどがアップされるか何か更新があればまた反映したいとおもいます。