人生(ものがたり) #2

はっと目が覚めた。どうやら寝てしまってたみたいだ。今の時間は……昼の12時。はぁ……寝過ごした。今日は金曜なんだけど。電話が鳴った。学校からだ。
「はい、もしもし…… あ、寝過ごしました…… 今日は休みます。はい……すみません。あ、大丈夫です……はい……」
はぁ……いちいち大袈裟だ。私1人休んだくらいで、何も問題はないだろうに。ああ、あれか。教師としての筋目を通したのか。別に出席日数は足りてるし問題ない。勉強もできないほうではない。少し休んだくらいどうでもいいだろう。

学校、これから行かないの……?

!別に今日休むだけでずっととは言ってない。って何返答してんだろう。はぁ……ばかばかしい……

そっか……良かった……学校行きたいんだね……

は?行きたいわけないだろ。出来れば行きたくない場所だ。……でも……お母さんの願いだから…… ってなんで勝手にしんみりしてんだろ。勝手にいなくなった人のことなんてどうでもいい。

本当にいいの……?

いいんだ。私は私を置いていった両親を恨んでいるんだ。これからも永遠に恨み続ける。自分が死んでもずっと。……でも、せめての親孝行だから…… って私らしくない。ただ、学べる環境があるなら。活用した方がいい。それだけだ。

素直じゃないね……

いつだって、私は素直だ。私は生きたいように生きている。学校に行くのは、自分がこれから行かないと困ると思ったから。自ら死なないのは、家や貯金が全て失われてしまうからだ。私はいつまでも夢がない、現実的な人間だ。

もっと夢見ようよ……

何言ってんの?夢見たところで結局は叶わなくて、夢を見るだけ無駄でしたーってなるだけなんだから。どうせ。叶いもしない夢を見るのは無駄なこと。そんな暇があるならもっと他のことに使えるだろう。

そんなことないよ……あなたにだって……

ないよ、夢なんて。あったらこんな生活してない。あんただって出てくることはないでしょ。

でも……それでも……

本人がないって言ってるんだ。それ以上も以下もない。というかほんとにこれは私の心の声なのだろうか。はぁ……考えるのもめんどくさい。

さあ、これからどうしようか。また考えて時間が過ぎていく。




続く

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