赤白

Dear.君へ

この手紙は君に贈るメッセージです。今、これを読んでいる君はどんな顔をしているのかな。この手紙の題名は「笑顔」。君は笑ってますか?そうだったら嬉しいな。君と会うことは許されてないけど、絶対にいつか会えるから。頑張るよ。
だから君も、頑張ってほしい。

そんなこと言ってるけど、実は……
会える方法を見つけたんだ。これから手紙の言う通りにしてくれる?
まず、白いワンピースを着るんだ。あの時みたいな真っ白なやつ。そして、黄色のカチューシャを付けて。とびっきり可愛くメイクをするんだ。鏡の前で決めポーズしちゃうくらいの。そのまま真っ白な靴を履いて、外へ出て。今日は晴天?晴れてたらいいなぁ。
外へ出た?じゃあさ、1番近くの花屋に行って。あの時みたいに、スノードロップを両手いっぱいに。真っ白で綺麗な花でしょ。君によく似合うだろうね。買えたら宝石店に行ってほしい。マラカイトの指輪を買うんだ。君のサイズでいいよ。買えたかな?
そしたら、服屋に行こう。やっぱり君には真っ赤なワンピースのほうが似合うよ。白い服なんてこれから沢山着れるからね。
もしかして、ここまで本当に実行してくれてる?かわいいなぁ。いい子だね。ますます会いたくなっちゃう。君もそうだといいな。
そうだ、どこの服屋か言うのを忘れてた。隣町だよ。あの大きな服屋。思い出の場所。ちゃんと歩くんだよ。これも会うためだから。
そういえば君は、そのワンピースを誰から貰ったか覚えてる? うん。そっか、覚えててくれたんだね。嬉しいなぁ。隣町の服屋で買ったんだよ。気に入ってもらえてよかったよ。
あの時、白いタキシードを着てたんだ。君に褒めてもらうためだよ。君は褒めてくれたっけ?覚えてないや、ごめんね。お花も買ってたかなぁ。あ、指輪もだね。ちゃんとあの場で渡したかったな。
もうそろそろ、小道に入るかな?気をつけてね、以外と車多いから。横断歩道ないでしょ?手を挙げて。運転手は気づいてくれないよ。




「あーあ、だから言ったのに」
「あ、両手、塞がってるか」



ピーポーピーポー



「やっぱり君は、赤いワンピースが似合うよ」






「「また会えるね」」

                                   From.――――


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