うどんサイクリング部(高松・善通寺編②)
本日の宿は、宇多津にあるホテル。
高松駅から電車で小1時間はあるらしい。
ほろ酔いのシメに、高松でうどんが食いたいですな。
商店街をぶらぶら歩いてたら、『はなまる』うどんがあったので立ち寄る。
飲んだ後に、肉うどんぶっかけを、とぅるとぅるすする幸せ。
ひうらー伍長は、ウマイウマイと、うどんに加えてゲソ天までむさぼり食うておられる。ヤンチャやなあ。
次の日。
今日も良い天気で、絶好の観光日和。
今回お世話になった『宇多津グランドホテル』をチェックアウトし、宇多津駅へ。
中川家剛のネタ『つよメロ』ちゃんの話をしながら、モーニング食える喫茶店を探して歩いたが、いいのん見つからず。
「とりあえず善通寺まで行ってから、朝メシを食おうや」
との、ひうらー伍長の意見に乗っかり、ひとまず電車で善通寺駅へ。
30分ほど電車に乗って『善通寺』駅にやってきた。
うどん県に何度も遊びに来ている私も、善通寺に来るのは初めてだ。
「今回の旅の目的は、善通寺でこのたび特別に開帳されてる『瞬目大師像』を拝見することなのだからね!ありがたやーありがたや」
と、なにやらお題目を唱えている、ひうらー伍長。
歩いていると、町中のあちこちに『空海生誕1250年記念』の旗が翻っている。
うほー、生誕1万2千5百年記念なのですね。
さすが空海さん、スゴイっすね!!
「アホなんか?1万2千5百年のワケないやろ。縄文時代やないか。1250年や!」
とか言いながら、レンタサイクルのお店へ歩いて行く。
レンタサイクルで自転車をお借りし、スイスイと善通寺の静かな街中を走りだす。
気持ちいいー!
うどんサイクリング最高!
うほーーい!
うどんサイクリング部の魂に火がついて、テンションがあがるぜ。
自転車漕ぎ漕ぎし、『偕行社かふぇ』にやってきました。
ここで朝食を食べましょう。
オシャレな建物ですなあ。
横には、偕行社の建物が並んでいる。
『偕行社』とは、旧陸軍の将校のサロンというか、集会所みたいなもん。
各地の陸軍駐屯地には必ず建っているもので、善通寺にもかつてあったものを、保存しとる。
その横にオシャレな『偕行社かふぇ』がある。
朝イチで、雰囲気のよいカフェでステキモーニング。
よきです!
「朝メシ食ったら、隣にある『偕行社』の建物を見学していこか」
と、ひうらー伍長がいうてる。
良いですね、おもろそうですね!
無料で入場できる、『偕行社』。
無料って、いいですよね!
かつて、陸軍将校たちが集まり、会合を開いたり、会議してみたりしとったんかな。
羊好大尉も将校なので、参加できるんだもんね。
「あっそ。ふーん。」
と、鼻でせせら笑うひうらー伍長。
睨み合うおっさん2人をヨソに、子供たちが、楽しそうに庭を駆け回っている。
偕行社を後にし、静かな街を、さらに自転車でスイスイ進む。
『善通寺』にやってきた。
ええ、善通寺って、こんな立派な寺院なん?
本格的な五重塔まであるやないの。
スゲーな、善通寺!!ちょっとナメてたかも。
「この五重塔にのぼるよ」
お寺の境内をのんびり歩いていたら、ひうらー伍長が言い出した。
えーっ!?見てよ、あんなに並んでるやん、列をなしてるやん。
そんな、列に並んでまでのぼるようなもんちゃいますやんか。
しょせん、五重塔でっせ?
「バカたれ。善通寺の五重塔はGW特別公開で、特に塔内に入れるタイミングなのだ。これを入らずにスルーするとか言い出すヤツは、間違いなく地獄に堕ちるから!」
と叫んで、列の最後尾に引っ張ってこられた。
いーよ、こんな並んでまでのぼりたくないよ。
私の宗旨はイギリス国教会なのだからね!(テキトー)
ね!?ねえってば!!
と、ブーたれてみたが、
「GW混み混みフェリーに長時間並んで乗船したのに、五重塔には並ばんのか?この程度の列なのに?」
と、正論を言われ、一言も言い返すことができず、黙って並ぶことにした。
やがて、入場の順番がきたが、入場料を300円もとりおる。
ブツブツいいながら、渋々お金を払って、塔内に入る。
五重塔の内部には、仏像も置かれてて、善男善女たちは、ありがたそうに拝んでいた。
イギリス国教会の信者の私は、どうしてたらいいんですかね?
あと、登る順番はまだなんですかね!?ねえってば!?
「うるさいなあ。宗教心欠落野郎は、黙って仏像を拝んでいろよ。ほら、そんなこと言ってる間に、登る順番きたで」
お先ー、と、ひうらーがハシゴみたいな急な階段を、軽やかに登っていく。
せ、狭い!角度キツい!!
暗いし、危ないし!
デブ羊には狭すぎるやないの!
なんやコレ!!
ぐにゃぐにゃ急角度階段を、這いつくばるように登らされた五重塔の上は、二階部分。
頭上にはセーフティネットが張り巡らされており、グッと腰を屈めて進んでいくしかない。
い、痛い、腰が!膝も痛い!
床も木製だし、デコボコやし、穴も空いとるやんけ!
危ない!キケン!!
イヤや、こんなとこ、とっとと降りたい!
「うるさいなあ💢、有り難く五重塔を楽しめんのか?痛いだの危ないとか言うなよ!」
と、ひうらー伍長に叱りつけられるが、ホンマに痛いし怖いし高いし狭いし、そもそも五重塔なんて、元々人間が登るようにできてへんやないかい!
早く、おーーろーーせーーー!!
と、ギャーギャー騒ぎながら、恐る恐る、なんとかケガも肉離れもないまま、無事に地上に帰ってこれた。
に、2度と五重塔なんてもんには、登らんからな!!
あんなもん、外から見るもんで、中に入ってよじ登るもんやないねん!
私は、本場の京都の人間やから、知ってんねん!
苦行に満ちた五重塔(偏見)を後にし、善通寺本堂に向かう。
弘法大師生誕1250年で『瞬目大師像』とやらが、50年ぶりにご開帳してるらしく。
信心深いお年寄りたちが、目を輝かせて、続々と入場していっている。
来世が身近に感じてるから、宗教心をくすぐられて入場しちゃうんですね。
ええっ!?入場料が2千円ですって!?
まあ、お高いわねえ!
でも我々は、そんなドブにカネを捨てるようなマネはしませんもんね?ねっ??
「宗教心欠落野郎は、黙ってついてこりゃいいんだよ。今日はまさしくコレを見に来たんやからね!いっくよーー!弘法大師サマーー!!」
と、さっき購入した御朱印(数量限定特別版)を握りしめたひうらー伍長が、目をキラキラさせて入場券を購入していた。
こんなんに、2千円ですかあ?
ウソでしょ・・・いやでも、こんだけ高い入場料なんて滅多にないから、本当にステキな何かが見れるのかも?
お堂から出てきた信心深いおじいちゃん、おばあちゃんたちも、
「暗くて最初はなーんも見えなかったけど、有難いものが見れたよ!よかったあ!」
と、大声で叫んでおられるし。
騙されたと思って、ついていってみよう。
さあ、いったいナニが見れるのか?
靴を脱いで、暗い地下のお堂に誘導される。
左手を壁に添えて、『南無大師遍照金剛』と唱えながら、少しずつ進めって?なんやそれ。
お堂内は、何ひとつ照明もないので、真っ暗闇。
壁伝いにゆっくり進むしかない。
前を歩くひうらー伍長が、なむたいしごにょごにょ、と言うてるのを頼りに、そろそろと闇の中を、ゆっくり慎重に進む。
ナムルもやしホウレンソウ、ナムルもやしホウレンソウ。
な、なんなん?コレ!?なにさせられとん?
・・・なあなあ!
あんまりにも暗いからさあ、スマホでライト照らしてええかなあ?なあ?
「ええワケないやろ💢!アホなんか!?黙ってお念仏を唱えながら進みゃいいんだよ。無宗教野郎はこれやから・・・」
やがて、うっすら暗ーーいながらも薄明かりのあるお堂内の奥に到着した。
ひうらーは、何かが貼っている壁に近寄って、這いつくばって拝んでいるようだが・・・。
あのー、うす暗くてなんも見えないねんけど?
ねえ?なんか、壁に落書きでもしとんの?これ。
「うっさい、ボケ💢!!見えてないんか?このありがたいお姿を?黙って目を凝らして、脳裏に焼き付けとけよ!」
と、ひうらー伍長に叱咤されるのだが、そうは言うてもホントになんも見えてないんやけど。
暗いから、全然はっきり見えへんのよね。
ねえ?なんなん?これ。
大枚二千円払って、なんもなしなん?
・・・結局、なんも、見えへんかった!
返してよ!?ボクの2千円返してよお!!
と、泣き叫ぶ私のケツを蹴り飛ばし、お堂を出てきたひうらー。
「うるさいねん💢。宗教心欠落野郎には、見えんもんなんちゃうか?信仰心が足らんから、そういうことになんねん。」
そんな非科学的な事を言われましても、
これっぽちも納得しかねますけどね!💢
「その後にみた『瞬目大師像』は、ちゃんと見れたからええやんけ。お土産ももろてんねんから、金返せ!とか罰当たりなこと境内で叫ぶな、アホタレ」
あーあ、私も暗い御堂のナニかを、ちゃんと見たかった。無断でフラッシュ焚いて写真撮っときゃヨカッタ。
あとで、抗議の文書を善通寺公式HPに送りつけてやろう。
まあでも、善通寺は寺も含めて、とても良い町でした。
善通寺駅途中の『おしゃべり広場』でレンタサイクルを返却。
電車で、また高松駅に戻ってきた。
駅前にあるうどんの名店、みんな大好き『めりけんや』へ。
少し遅めの、うどんランチにしよう。
ひうらー伍長は、張り切ってうどん(大)を頼み、思う存分讃岐うどんを満喫しておられた。
ヤンチャやなあ。
美味しいうどんを食べた後は、玉藻公園の裏にある、香川県立ミュージアムへ。
弘法大師・空海の特別展示をしてるそうだ。香川県(讃岐国)は、空海さま生誕の地。
私は、さっき食うたうどんで血糖値が爆上がりして眠たいので、ひと通りサッと展示を見た後、館内ベンチでゆっくり食後のシエスタ。
熱心な空海オタク(高野山大好き)で仏像オタクのひうらー伍長は、ゆっくりたっぷりと展示を楽しんでいたそうで。
ご熱心なことでんな。
眠い目をこすりつつ、帰り道に、空海生誕1万2千5百年記念の展示はさすがに素晴らしいですう!とかお愛想でテキトーなことを言ってたら、
「💢生誕1250年や言うてるやろ?今回、なにしに香川県きてん?アホなんか?うどんとフェリーでアタマがいっぱいになっとんか?」
と、熱心な空海フリークのひうらー伍長にキレられる。
そ、そうなんでしたっけ?
まあ、いいじゃないですか。実は、縄文時代から空海はいたんですよ、きっと。
おっさん2人でギャーギャーいいながら、高松駅前に歩いていくのでした。
今回の旅もとっても楽しかった!
【おしまい】
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