最後にしているであろう選択を、最初にする
思い出した。最後にしているであろう選択を、最初にすべきだということを。処世がヌルくなっていた。
これが本当の逆算思考だと思う。なりたい自分ではなくて、きっと自分は、こうなっているであろうと予想して、今、適当な選択をするのだ。
だから、オメガではなくて、ロレックスを買うべきなのだ。
定年のない仕事を、最初に選ぶべきなのだ。
やる気が出ないのは、リターンが小さすぎるからだ。勝つのは1回だけでいい。
夢枕獏が『神々の山嶺』で書いているが、死は常に、何かの途上で訪れる。その時に何をしていたかが大事だ、と。
人に話しかける時もそう。人が、こちらに話しかけられることを予期して、待機していることはない。人は常に、何かをしている。親しい間柄でもそう。人に話しかけるということは、人がしている何かを中断させるということであって、それは、仕方のないことである。
いきなり、自分の死に場所を決めてしまう。オレは、アタシは、ここで死ぬのだ、と。客死(かくし)を予定しているなら、今から、そうするのだ。
明日 死ぬなら…。
いつも、そうやって決めていた。若い頃。
本も吟味せねばならぬ。古典名著が、やはり濃厚である。