【香川県】うどん県がうどんに使っている水の量【ゆでるな】
※ほぼ全ての内容に対して誰にでも閲覧、検証可能なソースを用意しています
※概算である事に注意して下さい
『香川県民はうどんを食べてるので水不足になる。本当なんでしょうか?』
という質問をいただきました。
なので、ざっくりと計算してみました。
■うどん店が1日で使用している水の量を調べます
KSB瀬戸内海放送が2022年に作成した記事に以下のような記述を発見しました。
>この店では麺を湯がいたり、しめる作業の他に釜を洗う作業などで1日に約5トンの水を使っています。
『1日に約5トン』だそうです。
↑こちらのホームページに「うどん店にアンケートを取って調査した結果」が載っていました。
5トン…?8トン…?
めんどくさいので『10トン』という事にします。
■うどん店の店舗数を出します
令和3年6月時点で香川県内にそば・うどん店が『479店舗』存在しているそうです。
めんどくさいので香川では「そば屋」もうどん店です。
■「うどん店が年間で使用している水の量」を計算します
まず1日当たりの水使用量を計算します。
479店舗x10トンで『4,790トン/1日』です。
ここにうどん店の年間営業日数をかけます。
平均的うどん店の定休日が週1日だとすると、年間休日日数は52日。
更にお盆は3日、正月と三ヶ日は休んでいる(年末は年越しうどんがあるので営業しています)と仮定して
365日-(52+3+3)で=『年間営業日数307日』です。
年間休日58日・・・!
『4,790トン/1日』と『年間営業日数307日』を掛け合わせると、
1年間におけるうどん店での水使用量は
ざっくり概算で『147万530トン』ということになります。
■早明浦ダムから来ている水の量を計算します
香川県で使用されている水道水は、全てが早明浦ダムから供給されている訳ではありません。
「水道用水のうち約50%」が早明浦ダムからの水です。
ですので、うどん店で使用されている『147万530トン』の50%、
『73万5265トン』が「早明浦ダムから来ている水の量」という事になります。
■「うどん水」と「早明浦ダムの水」を比較してみましょう
早明浦ダムから香川県に供給されている水の量は1年間で『2億4700万トン』。(早明浦ダムホームページ 目的③新規用水の確保より)
早明浦ダムから香川に供給される水の量『2億4700万トン』と、うどん店で使用している早明浦ダムの水の量『73万5265トン』を比較すると・・・
その比率は『0.3%』という事になります。
◎結論
香川県がうどん店で使用している水の量は、早明浦ダムから香川県に供給されている水のわずか0.3%『73万5265トン』です。
「うどんのせいで水不足になる」が完全にネタであることがわかります。
※いわゆる『名店』と呼ばれる繁盛店は地下水を使用しています。地下水の使用量を考慮すると更に割合は下がりますが、データが無いので考慮できません。
■各種データで見る水使用量
・平成22年の「上水道年間取水量」ランキングです。
うどんを茹でまくっている香川県の上水道年間取水量は、全国37位であることがわかります。
・2015年の「人口1人当たりの生活用水使用量」です。
※生活用水には商業施設で使用されている水も含みます。
・2015年の水使用量です(億㎥/年)
うどんを茹でまくっている香川の水使用量が、他県と比べて特別多いわけではないことが分かります。
それではここで【平成6年と17年の大渇水】の時、徳島と香川がどのように水を使用していたのかを1日あたりの有効水量(水道メーターで計量された水量)で見てみましょう。
平成6年…香川と愛媛の水使用量は減少していますが、徳島はかつてない勢いで増えています。
平成17年…香川は減少、愛媛は微増。徳島はここでも減るどころか増えています。
香川を見習って徳島も節水するべきですね。
■うどん一玉12リットル算
「うどん一玉茹でるのに12リットル!ソースはニコニコ大百科!」だそうですが、そのニコニコ大百科にも根拠が載っていないため言ってる事が良く分かりません。
■よろしければこちらもお読み下さい
香川県早明浦ダム出資拒否デマについて検証しています。