ポジティブな性格になるのが難しい理由[後編]
脳内の分かれ道をどちらに進んだかで出来事をポジティブに捉えるかネガティブに捉えるかが決まる
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※こちらは
前回のお話の
つづきとなっております。
未読の場合は
恐れ入りますが
「ポジティブな性格になるのが
難しい理由[前編]」
からお読みくださいますよう
お願い申し上げます。
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一連の流れを
脳科学的にご説明すると
上司から言われた
「頑張れよ」
というセリフは
聴覚を刺激して
その刺激が信号となって
神経回路を伝い
脳に認識されて初めて
言葉として
聞き取ることができます。
そして脳が上司からの言葉を
認識するのとほぼ同時に
思考を司る
「前頭前野」
という脳の部位で
その言葉の意味を
ポジティブに捉えるか
ネガティブに捉えるかを
自分なりに解釈します。
この解釈の違いについては
先ほど脳内の分かれ道を
どちらに進むかで変わる
とお話しましたが
もう少しこのあたりを
落とし込みやすくするために
ここで
AさんとBさんの脳内の違いを
「電車」
を使って再度
ご説明したいと思います。
まずは下の
「前頭前野内で起きていること」
という図をご覧ください⇊
まず
とある駅で上司から
「頑張れよ」
と言われる出来事が
起きました。
その一言を
音として受け取った聴覚は
信号という名の電車に乗り
神経(線路)を伝って
脳内へ向けて発車します。
しかしこの電車
脳内へ向けて
発車したはいいものの
具体的な行先はまだ
決まっていません。
というより
駅を発車した直後にある
分かれ道をどちらに進むかで
「頑張れよ」という一言が
ポジティブに解釈されるか
ネガティブに解釈されるかが
決まるのです。
もちろん分かれ道なので
そこには
進行方向を変えるための
「ポイント」
があるのですが
このポイントが曲者で
普段の思考の癖次第で
ポイントの向きが
固定されているため
電車の進行方向が自動的に
決まってしまうのです。
普段物事をポジティブに
捉える癖がある人は電車が
ポジティブ方面に進むように
ポイントが傾いていますし
逆に普段物事をネガティブに
捉える癖がある人は電車が
ネガティブ方面に進むように
ポイントが傾いています。
だったらネガティブな人は
そのポイントを
ポジティブ方面に向くように
傾ければいいだけじゃないか。
と思うかもしれませんが
事はそう簡単にはいきません。
普段物事をネガティブに
捉える癖がある人は
ポイントが
ネガティブ方面に傾いたまま
ガッチガチに
固まっているのです
(逆も然り)。
なので身の回りで
どんな出来事が起きようとも
ポイントがネガティブ寄りに
傾いている以上
ほとんどの信号(電車)が
自動的にネガティブ行きと
なってしまうのです。
癖を直せば考え方は変えられる~アファメーションの活用~
こう聞くと
「このポイントの向きを
変える術はないのか…」
と諦めてしまいそうに
なるのですが
別に手段が
ないわけではありません。
このポイントの向きを
ポジティブ寄りに傾ける手段
それが
先ほどお話した
「口癖」
と
「思考の癖」
の矯正です。
この
「矯正」
というのは
普段ポイントが
ネガティブ寄りに
傾いている人は
口癖や物事の捉え方を
努めてポジティブになるよう
思考をコントロールすることで
少しずつポイントを
ポジティブ寄りに
傾けていくことを
意味します。
たとえば
「自分には無理だ…」
という口癖や考え方を
「大丈夫、自分ならできる」
「やってみるまでわからない」
と言った具合に
変換してみるのです。
「失敗したらどうしよう…」
と考えてしまった時は
「どうしたら
上手くいくだろう」
「自分にできることは
なんだろう」
「大丈夫自分ならできる!」
「もう無理疲れたしんどい」
と思った時も
「今日もヘトヘトになるまで
頑張った自分まじ偉い」
「今日の自分もお疲れ様」
と自分を褒めたり
労ったりするのも有効です。
これらは専門的な言葉で
「アファメーション」
だったり
「自己暗示」
と呼ばれているのですが
このアファメーションを
最低でも二週間続ける
(個人差はありますが)と
ポイントがガチャっと
音を立てて
ポジティブ寄りに傾きます。
内容的に少々
スピリチュアルっぽくて
眉唾な感じが否めませんが
継続してやれば
必ずと言っていいほど
効果が出ますので
是非チャレンジしてみて下さい。
ちなみに超余談ですが僕は
二週間これをやったところ
予兆も前触れも一切なく
いきなりポジティブに
なりました。
前日まで
ネガティブ全開で溜息を
つきまくっていたのですが
翌朝なぜか内からあふれ出る
陽のエネルギーを
抑えることができずに
そのままベッドから飛び起きて
カーテンをシャーーっと
勢いよく開けて
「小鳥さんたちおはよう!」
とか言いながら(寝ぼけてない)
ルンルンで朝の身支度をして
仕事に向かったという
奇天烈な経験をしています。
その時は
太陽光を浴びながら
二足歩行ができているだけで
幸せを感じられましたし
仕事に行けるよろこびや
電車が今日も通常通り
運行していることなどの
ささいな日常全てに
感謝できました。
本当に
今まで生きてきた世界とは
全く違う世界が
そこにはあったんです
(個人の感想です)。
かといってみなさんに
この方法を強要したり
「やればみんなこうなるよ」
とまでは申しませんが
効果は折り紙つきです。
僕の知り合いも
同じようにして
性格を変えましたが
みな一様に
「世界が変わった」
と言っています。
が。
僕も
僕の知り合いも
「正真正銘これは
自分との戦いだ」
と異口同音に感想を
述べています。
これが一体
どういうことなのか
次節以降でお話しようと思います。
挫折者が続出してしまう原因
実はこのアファメーション。
水を差すようで
申し訳ないのですが
挫折者が続出するほど
難しい方法なのです。
「だったらもっと
簡単な方法を教えてよ」
といったツッコミが
今にも飛んできそうですが
ごめんなさい。
手っ取り早く
性格を変える方法を
僕は知りません。
なので時間をかけて
自分の脳を騙していくしか
打つ手がないのですが
では一体なにが
アファメーションの
挫折者を増やす原因に
なっているのかといいますと
性格を矯正するために
捉え方や思考を
一時的にポジティブにしても
「普段からポイントが
ネガティブ寄りに
傾いているため
努めて思考した
ポジティブシンキングも
そのほとんどが
ネガティブな方へ
解釈されてしまう」
からです。
たとえば先ほどの
「自分には無理だ…」
という口癖や考え方を
「大丈夫、自分ならできる」
「やってみるまでわからない」
という風に
ポジティブに
変換したとしても
きっとすぐに
「とかいって
どうせダメなんだろうな」
「やらなくてもわかるよ。
だって自分だもん
どうせ失敗するに決まってる」
「ていうか今さら
自分を励ますだなんて
なに気持ち悪いこと
してるんだろう」
と
普段のネガティブな思考に
打ち消されてしまう可能性が
大なのです。
せっかくポジティブになろうと
自分を励ます言葉を使っても
その励ましの言葉を乗せた電車は
ネガティブ方面に傾いた
ポイントによって
ネガティブな解釈となってしまう。
これが挫折者を
続出させる原因です。
ネガティブな自分との闘い
ここまでを少しまとめると
①物事の捉え方は
脳内にある分かれ道を
どちらに進むかで
ポジティブに解釈できるか
ネガティブに解釈するかが
決まってしまう。
②性格を
ネガティブ→ポジティブに
矯正するためには
分かれ道にあるポイントを
ポジティブ寄りに傾ければ◎。
③しかし
普段の考え方がネガティブだと
ポイントも
ネガティブ寄りに傾いたまま
ガチガチに固まってしまうため
いくらポジティブな言葉を
自分に投げかけても
結局ネガティブな意味に
解釈されてしまう。
というところまで
お話いたしました。
従ってここまで
読んで下さっている方の
感想は次のようになります。
「じゃあ一体どうすればいいの?」
この至極ごもっともな疑問に
僕はこう答えます。
「ネガティブな自分と闘え」
と。
冒頭で
「性格は努力次第で
いかようにも変えられるけど
特殊な継続力が必要」
と言ったのを
覚えておりますでしょうか。
あえて
「特殊」
と付けたのは敵が
「自分自身の思考」
だからです。
性格を
ポジティブにするために
一生懸命努力しても
今までの
ネガティブな自分が
全力でこれを
妨害してきます。
「ネガティブなおまえは
なにをやったって無駄だ」
「おまえには
ネガティブがお似合いだよ」
ポジティブな言葉を
自分に投げかければ
投げかけるほど
その分ネガティブな反論が
自分自身から返ってきますし
いくら自分を褒めたり
励ましたり労ったりしても
その行為に対して自分自身から
否定をされてしまいます。
「思考の癖」が
いかに強大かを思い知って
辛いお気持ちに
なるかもしれませんが
とはいえこれは
性格を矯正する者なら
誰もが通る道。
しんどくても
諦めず
腐らず
自分の脳に
ポジティブな言葉を
浴びせ続けてください。
必ず結果は出ます。
筋トレも性格の矯正も原理は同じ
筋トレをすれば
筋肉痛になるのと同じように
お伝えした通り
性格の矯正にも
「痛み」が伴います。
ただ
筋トレと性格の矯正との違いは
「筋トレや運動をすれば
後々筋肉痛が来るけど
それを乗り越えれば
筋肉量が増える」
という知識がすでに
多くの人に
インプットされている…
要は原因と結果が
結びついているのに対して
性格の矯正は
脳の前頭前野の仕組みを
ある程度理解していないと
ポジティブな言葉を
自分に投げかけた途端に
ネガティブな言葉で
打ち消されてしまう理由が
わからないため
原因と結果が結びつかず
挫折してしまいやすいのです。
上記を筋トレで例えるなら
筋肉量を増やしたいから
筋トレを始めてみたけど
どうも翌日以降
トレーニングした筋肉が
とてつもない痛みに襲われ
満足にトレーニング
できない状態に
なってしまったから
もう筋トレは諦めようと思う。
といった感じになりますが
でもさすがに最初の筋肉痛で
筋トレを止めてしまっては
引き締まった身体は
手に入りませんよね。
みんな
理想の肉体美を目指して
筋肉痛に負けず
痛みが引いた後も再度
トレーニングに励むはずです。
同じように性格の矯正も
継続してはじめて
結果があらわれるのですが
ただこちらは筋トレと違って
筋肉というよりも
どちらかといえば
心が痛くなります。
なので
「ネガティブな言葉が
浮かんできたとしても
無視し続ける」
「とにかく無心で自分を励ます」
このように割り切って
自分を律しながら
継続させる必要があります。
経験者が
「これは自分との闘いだ」
と口々に言うのは
これが理由なのです。
No pain No gain
ななこさん
いかがでしたでしょうか。
「痛みなくしては
何も得ることはできない」
とはよく言われますが
精神的な痛みに関しては
できるだけ避けて
生きていきたいですよね。
ですが
「性格の矯正」
という一面からしたら
心の痛みこそ成長の証。
どんなにネガティブな言葉で
否定されたとしても
それは裏を返せば
ポジティブな自分に
生まれ変わろうとしている
努力の賜物と言えます。
今回僕がご紹介した方法は
決して楽なものではなく
むしろ茨の道かもしれませんが
ななこさんならきっと
乗り越えられるはず。
応援しています。
おしまい。
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