中村主水さん
一昨年の冬に母が入院していた頃、病室のテレビで古い必殺シリーズを見ました。私にとって唯一の、何でも話せる親友、先生、コーチ、そしてもちろん母親。その人との別れが迫っているという現実から、私は必死に目を背けようとしていました。苦しむ母と、何もできない無力な自分。その時が来るのはきっともう少し先だ、まだもう少し時間は残されてる・・・と自分をごまかすしかない日々でした。
母がいなくなって一年半。時間はずっと、私一人を置いてけぼりにして流れています。中村主水さんは子供の頃からの私のヒーローですが、安らかなノスタルジーを感じながらその姿を見ることはもう二度とできないかもしれません。