なんでも話せる人は5年くらい会っていない大食いが趣味の元バイト先の同期
誰にも話せない話はあるだろうか?私はある。だからと言って別に悪いことは何一つしていない。基本的に真面目に生きている。家族、恋人、友人などの大切な人たちには割となんでも話すが多分それは8割くらいだ。2割話せていない。その2割を私は話したい。
信頼していないかと言えばそんなことはない。信頼している。だからこそ自分のダークな面も見せることができる。だが私の闇はもっと深い。こんなこと言ったら、きっと必死で慰めてくれるだろうが、きっとかなり大切な人たちを傷つけてしまうと思ってしまう。また別に何も慰めて欲しいわけではない。私が自分の真実として独白して、ただ淡々と真実として受け止めてくれる場所が欲しいのだ。
じゃあ見ず知らずの人と話せばいいじゃないか。そう考えた時期もあったが、まるで私という人間を知らない。口で説明して伝えれるようなことではない。ある程度一緒に生活して見えてくる自分の性格を知っていて欲しいのだ。
そんな闇の深淵を見せる場所が私は欲しいのだ。
まあそんな人もいるわけもなく月日が流れて半年後、5年以上連絡もとっていない友人から電話がかかってきた。
彼とは元々バイト先が一緒だった。仲が言うというか少し異質な関係だった。二人とも大食いがめちゃくちゃ好きな人間だった。「30分で食べきったらお代無料」とかそんなものにも挑戦していた。またどういうわけか味覚が似ていて、みんなが不味いと感じるものを美味しいと思ってしまうそんな二人だった。バイトが終わると、食べ放題や大盛り料理の店に二人で行っていた。
またバイトの帰り以外に彼と日をあらためて遊んだことない。世間一般にいう特殊性癖を持ったセフレの関係と似ている。彼は普段は真面目なキャラを演じていたらしくこの大食いをしているときは自分が出せるらしい。今思うと私も彼といるときはなんでも話していた。お互い大食いキャラはなぜか特殊性癖のように隠したがっていた。そんな二人である。
バイト帰りのみ会っていた我々はバイト先が倒産して以降、めっきり会わなくなった。インスタグラムでなんとなくお互いの動向を知っている程度だった。でも今思うと彼と会っていたときはそもそも誰にも話せない悩みが会ってそれを誰にも話せないなんて悩みすら存在していなかった。
そんな彼から電話がかかってきたのだ。久々だったので何かと思えば
「あの昔一緒に行った巨大ハンバーガーの店覚えてる?また行きたいんやけどあそこってどこやっけ?」
話していることは当時のままだ。そして当時のように大食いについてや近況について語り気付けば23時から朝の7時まで話していた。こうして私は自分の100%を話すことができたのである。
そして彼とその巨大ハンバーガーを食べに行った。そして今現在私の悩みはゼロになった。その話も彼にしたが、彼は彼で全く同じことを思ったらしい。我々の悩みは二人で大食いをすることで解決するみたいだ。
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