読書遍歴

ジャック・ラカン『精神分析の四基本概念』の文庫版上下に73年版の付加された文が翻訳されているかと思って手に取ると日本版初版とおなじで既に訳出されていた。文庫版は初版にくらべて以後の他のラカン本の訳業を踏まえているというが、思えばかつて邦訳出版されたセミネールは全部読んでいた。一番初めはセミネール2巻『フロイト理論と精神分析技法における自我』上下で25年前になる。1技法論3精神病4対象関係5無意識の形成物7精神分析の倫理8転移10不安11精神分析の四基本概念20アンコールまでで邦訳出版が止まっているので、あとは解説書などがおなじくらい。やはり順序立てて1から26が原書でも出ていないので全貌が見えないとしかいいようがない。フロイトはこの間全集が出ているので全貌がつかめるかも知れない。そこから翻ってパズルのピースのような読んだ破片を当てはめることができるのか?
25年前からアルチュセールはマルクスの注釈書であり、ラカンはフロイトの注釈書であるという大雑把な見方をしていたが結局マルクスにはレーニンが必要であり、はたまたフロイト全集が出て全貌が捉えられそうなのはこの三人であり、それしか術がないように思えてきた。

いいなと思ったら応援しよう!