天外者
映画館に通ったあの頃
子どもを産んでから、すっかり映画館から遠ざかっていた。
子どもの好きな「ドラえもん」や「しんちゃん」を観るのは夫の役割。
わたしは、その間束の間の自由時間をもらっていた。
話題の作品があれば観たいと思うこともあったが、なかなか行くことはなかった。
子育てが少し落ち着いてから、友人と久しぶりに観に行った映画で、後方から音が聞こえてびっくりしたことがある。(後方であってるのかな?)
2020年わたしの映画とのかかわりが一変した。そのきっかけは
推しがこの世界からいなくなってしまったから。
悲しみと絶望の日々。
自分でもどこかおかしいのではないか、と思う毎日。
彼の主演映画でまだ上映されていない映画があった。
「天外者」(てんがらもん)主演、三浦春馬。
天外者とは鹿児島の方言で「すごい才能の持ち主」という意味。
【生涯をかけ、日本の未来を切り開いた男五代友厚の知らぜらる世界】
12月。映画は無事に公開された。
こんなに悲しい気持ちで観た映画はもちろん初めてだった。
彼はスクリーンの中で躍動していた。京都の撮影所では、次の時代劇を背負っていける俳優だと言われたらしい。
わたしは、「天外者」を何回も観た。その数20回以上。
やっぱり少しいかれている。でもその時はそれが必要だった。
でも、あることに気づいた。同じ映画を何回も観ると、新しい発見がある。
今まで気づかなかったこに気づくのだ。聞き逃していたセリフ、セットの細かいところ、風や波の音まで。
映画好きの方には当たり前なのかも知れないが、お気に入りの映画は2回以上観るのをお勧めする。
推しが出ているならなおさらだ。「天外者」はちょっと特別な事柄がついてしまったが、上映も特別だ。
毎年映画が公開された日と、彼の誕生日に特別上映がある。
配給会社、協力してくださる映画館のおかげ様。今年も4月に上映される。
悲しい出来事からだったが、わたしの映画の楽しみ方がわかった。彼が大切にしていたエンタメを応援しつつ、自分も楽しんでいこうと思っている。
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