ただの吐き出しss
付き合ってから3の倍数の年月が別れの危機らしい
ちょうど半年
君と毎日連絡を取らなくなってまもない時期
僕はどうしたら良いのか考えあぐねている
付き合いはじめはそれこそお互い気持ちが昂ってて毎日どころか暇さえあればずっとやりとりをしていたね
あの頃はただただ手探りで、恥ずかしくて手を触れることさえ憚られたけれど
あの時にこうしていればなんてしょうもないことを考える
それから1ヶ月もしないうちに君は引っ越していって僕らは遠距離で付き合うことになった
電車に乗ればすぐに会える距離だけど、それはできなくてSNSでやりとりするのが精一杯
僕は魅力的な君にどんどんのめり込んでいって、案の定離れられなくなって涙が止まらなくなっていった
毎日何をしているんだろう、この時間には起きてるよね、きっと仕事にいって、仕事が終わって、お家に帰って、いまは1人の時間を楽しんで…ってまるでストーカーみたいだ
僕の生活の全てを君で埋めてしまったから君が離れてから苦しいのだ
今更他のもので埋めようとしても埋まらない
そのためには雑草の如く張ったこの気持ちの根っこを引き抜いて妥協という名の種を蒔かなければいけない
きっとそれが本来なら正しいあり方なのかもしれないけれど、僕は未練がましいこの気持ちの根っこを駆除できないままでいる
それには少し理由があって、僕らが出会った頃、君が言った言葉が頭から離れないのだ
「もう私たち恋人だよね」
君にしたらなんの気もない、ただの軽口だったのだろうけど、僕はその一言で恋の沼に嵌った
あぁ、この沼は深いぞ、それこそ入ったら息ができなくなるくらいに苦しい思いをするとわかっていたのに僕は喜んでその沼に入った。
その沼は例えるならドロドロにとけたストロベリージャム入りのチョコ
あっさりなんてない、一口含めばクソ甘くて人工的なイチゴの味と安いチョコの味が舌にべっとりまとわりつく
それでも一口、味見だと口に入れられた瞬間、麻薬みたいに脳に刺激が走ってしまったんだ。
一口、もう一口と含めば含むほどに苦しくなるのにやめられない
特別な甘露であるかのように美味しくて堪らなくて僕は求め続けたら、いつのまにかそれはただの大量生産品でどこにでもあって
もういらないよ、ってなってからも口の中から消えなくなった
そしてその頃にはもう君はいなくて
「またね」
なんて甘い一言だけ残して消えてしまった
僕はその言葉を信じていいのかわからない
僕らはまた恋人になれるのだろうか