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働き方改革待ったなしの今、人手・・・
働き方改革待ったなしの今、人手不足に頭を悩ませる自動車運送業界では、外国人材の雇用に対する期待が高まっています。報道によれば、国土交通省がトラック、タクシー、バスの運転手といった職種の(就労系の在留資格の一つである)「特定技能」への追加を検討していて、今年度中の実現が目指されているそうです。
「特定技能」への追加が実現すれば、外国人材は自動車運送業界にとって大きな戦力となり、人手不足の解消も一歩前進することでしょう。急激に人口減少が進む中、今後もこうした追加業種は増えていくものと思われます。
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ところで、「特定技能」による外国人材雇用ですが、これによる人件費負担は、日本人の場合と比べて負担増になる可能性が高いことは頭に入れておかなければなりません。
たとえば、人材紹介会社を活用すれば、そのコストが掛かります。これは日本人の採用でも同様ですが、外国人の場合、採用時に在留資格の取得費用が掛かり、採用後も「外国人支援計画」に基づく諸々の恒常的な支出を想定しておく必要があります。加えて、在留資格には期限があるので、期限切れによる不法就労とならぬよう期限の管理が必要となりますし、期限を更新する際には更新費用も掛かってきます。
「特定技能」は、ある一定水準の技能を有する外国人材に付与される資格です。そもそも単純労働者に比べて賃金水準は高くなるはずですし、「同一労働・同一賃金」の制度の下では、国籍要件は関係なく外国人労働者にも適用されますから、総じて日本人を採用するよりコスト増となるわけです。
ともあれ、外国人材雇用は、一義的に、人手不足を解消するためのものであったとしても、コストを投資と捉えて成長戦略と位置付け、本質的には、業務を拡大するとか、品質を向上させるとか、将来の海外展開をも見据えて取り組むべき施策と云っていいでしょう。
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さて、先述の自動車運送業界。今や、人手不足に対処しながら働き方改革という社会的要請にも応えるといった、非常に難易度の高い課題が突き付けられています。2024年問題です。この問題は、そう簡単なことでは乗り切れそうにありません。
自動車運送業界において、ドライバーの労働時間の削減に直結する働き方改革への対処は、悩ましい問題です。加えて、同業界で大きな話題となってきた残業代の未払問題は、これまで以上に厳しいものになっていくとの指摘もあります。
ドライバーの賃金低下に対処できない企業では離職が加速するかもしれませんし、時間外労働を上手く制御出来なければ運転手からの訴訟リスクも高まっていくことでしょう。かと云って、一定の投資が必要となる外国人材の雇用に踏み出すこともできないとすれば、会社の存続が困難となるのは必至です。
その対策として、各方面からは、労働環境・労働条件の見直しや、DXへの取り組み、荷主や一般消費者への理解促進、M&Aの実施などが示唆されています。が、聴くところによると、たとえば、DXなどに関して云えば、一時的な投資によるコスト負荷もさることながら、従業員のITリテラシーの問題もあって、そうそう簡単に進むようなものでもないようです。「言うは易く行うは難し」ですね。
「じゃぁ、どうしたらいい?」
外国人材雇用だ、DXだと巷に喧伝される策に右往左往する前に、ここはいったん立ち止まりましょう。
そして、まずは、自分の会社のできること、できないことを今一度見つめ直し、その上で、自社の業務の流れをきっちり把握して、どうやって利益が確保できているのか、また、利益に繋がらない無駄な作業がないかを点検してみましょう。
「あたりまえのことじゃないか?!」
そうです。現実を冷静に直視することよってこそ、取るべき方策が浮かび上がってきます。外国人雇用も、DXも、M&Aもすべてその後の話です。いやいや、DXも、M&Aも、すべて現状把握なくして始まりません。