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2023.1.13 米国インフレ鈍化を好感して株価が上昇

2022年は、ダウ平均で約10%、S&P500で約20%、ナスダックで約30%と株式指数が近年にないくらい大きく下落した1年でした。

要因は金利です。

年初0.25%だった米国の政策金利は、3月0.5%、5月1.0%、6月1.75%、7月2.50%、9月3.25%、11月4.00%、12月4.5%。1年で4.25%ものハイペースな引き上げを行ったからです。

なぜそうする必要があったのか。理由はインフレを抑えるためです。

コロナ禍でサプライチェーンの分断による価格上昇や現金給付を複数回実施したことで2021年春先以降、物価が顕著に上昇しました。

CPI(消費者物価指数)は2021年2月1.7%だったのが、3月2.6%、4月4.2%、5月5.0%、6月5.4%、7月5.4%、8月5.3%、9月5.4%、10月6.2%、11月6.8%、12月7.0%といった具合です。秋口に利上げをはじめていれば、という声もありますが、その当時FRBは「一時的なもの」と捉え、低金利を継続しました。そして、2022年CPIは1月7.5%、2月7.9%、3月8.5%、4月8..3%、5月8.6%、6月9.1%と、ついに9%台まで上がりました。その後7月8.5%、8月8.3%、9月8.2%、10月7.7%、11月7.1%と5カ月連続で前月比を下回りました。トレンドとして物価鎮静を確認できたということです。

株安は利上げが、利上げはインフレが、それぞれ連携している。ということは、株式投資家にとってCPI(消費者物価指数)の発表がとても重要なニュースになるということです。

さて、昨夜(2023年1月12日)は2022年12月度のCPI発表でした(日本時間22時30分)

結果は、総合6.5%(予想6.5%)コア5.7%(予想5.7%)でした。

下落トレンドはもちろん、予想を超えるかどうかに市場は注目しています。しかし今回、一部投資家の前評判では「そもそも予想が低すぎるのでは?」との認識がありました。つまり株価が上がるためのハードルが高すぎる(=予想を下回るという条件が厳しすぎる)というわけです。

結果が予想とぴったり一致したことで当初NY市場は下げからはじまりましたが、途中利上げペースが鈍化するとのニュースが流れると上げに転じ、結果ダウ平均株価は34189.97(+0.645%)、S&P500は 3983.17(+0.34%)、ナスダック総合指数は11001.1(0.64%) で引けました。

ちなみに債券ETFのAGGは100.28(+0.73%)、長期金利は3.466%(-0.54%)でした。

ドル円は、CPI発表前は130.5前後でしたが、その後129.5銭台まで下落したのち、翌朝には128.65まで、2円弱ドル安になりました。


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