信念が呪いに変わる瞬間 〜しなやかに生きる「柳のような自己」を手に入れる方法〜
「自分らしさ」を大切にすることは素晴らしい。
しかし、時にその「自分らしさ」が、私たちを縛り付ける呪いとなることがあるのです。
私自身、ある本との出会いを通して、このことに気づかされました。そして、「柳のような自己」という生き方を目指し始めました。
本で気づいた「自分らしさ」に囚われ過ぎない生き方
その本は、魚豊の『チ。―地球の運動について』。この本に登場する異端解放戦線組織長のヨレンタのセリフが私の心を深く揺さぶったのです。
「信念は強さであり、同時に限界でもある」という言葉は、私にとって大きな気づきとなりました。それまで揺るぎない信念を拠り所として生きてきた私にとって、衝撃的な発見でした。
過去の私ー自分らしさに囚われた体験談
このことを改めて実感したのは、ある日大阪の梅田駅で彼女とデートをしたときのことを思い出したときでした。
当時、私は長年大阪に住んでいて、梅田駅もよく知っているつもりでした。だからこそ「自分は道を知っている!だからこっちが正しい!」と確信し、彼女の「違うよ!逆だよ!」という意見を無視して進みました。
しかし、気づいたときには全く違う場所に出てしまっていました。彼女の指摘を軽視して信念を押し通した結果、迷子になってしまったのです。その瞬間のことを強烈に思い出しました。
「自分の信念が正しい」と思い込むことで、他人の意見に耳を傾ける力を奪っているんだと感じたのです。
この経験を通じて、「信念が呪いに変わる」ということの本質を理解しました。信念は確かに強さの源ですが、固執しすぎると視野が狭くなり、他者との協力を失う危険もあるのです。
「柳のような自己」とは 〜しなやかに生き抜くための方法〜
この気づきをきっかけに、私は「柳のような自己」という生き方を意識するようになりました。「柳のような自己」とは、変化に柔軟に対応できる力と、揺るぎない芯を持つ自己のこと。風に吹かれてもしなやかに揺れる柳のように、外部からの影響を受け入れながらも、自分の本質を保つことができる状態です。
具体的には、以下のような行動が「柳のような自己」に繋がると考えています。
柔軟性: 周囲の意見を素直に受け入れ、必要に応じて自分の考えを修正できる。
芯の強さ: 困難な状況でも、自分の価値観や信念を見失わずに行動できる。
成長志向: 新しい経験や知識を積極的に取り入れ、常に成長し続ける意欲を持つ。
回復力: 失敗や挫折から学び、それをバネに次の挑戦へと繋げることができる。
陰陽バランス「柳のような自己」の秘密
東洋哲学では、万物は「陽」と「陰」という相反する二つのエネルギーから成り立っているとされています。「陽」は外向きで成長や行動力を、「陰」は内向きで安定や内省を象徴するエネルギーです。
この陰陽のバランスが崩れる時、私たちの信念は「呪い」へと変化する可能性があります。
成長のみに固執する「陽」の過剰状態は、周囲の声に耳を傾けず、独善的になる危険性があります。反対に、内省ばかりに偏る「陰」の過剰状態は、行動力が低下し、優柔不断になってしまう可能性があります。
「柳のような自己」を実現するには、この陰陽バランスを保つことが重要です。外に向かって行動を起こすと同時に、内省を通して自分自身を見つめ直し、バランスを調整していくのです。
信念が呪いに変わる時 – 陰陽のバランス崩壊
私自身、以前は「成長し続けなければならない」という強迫観念に駆られていました。これは「陽」のエネルギーに偏りすぎた状態です。結果として、「陰」のエネルギーである自分の内なる声を無視し、心身ともに疲弊してしまいました。この経験から、陰陽のバランスの重要性を痛感しました。
5つの力で手に入れる、しなやかな生き方
「柳のような自己」を育てるには、固定された信念に縛られず、変化や迷いを恐れずに成長し続ける必要があります。私は、以下の5つの力をバランス良く鍛錬することで、しなやかで強い「柳のような自己」を手に入れることができると考えています。。
根源力(自己認識): 自分の価値観や強み・弱みを理解し、揺るぎない自分軸を築く力。自分自身を深く理解することで、周囲の意見に流されず、自分らしい選択をすることができます。また、自己理解は他者理解にも繋がり、共鳴力を高める基盤となります。
共鳴力(共感力): 他者の感情や状況を理解し、共感する力。相手の立場に立って物事を考えることで、良好な人間関係を築き、円滑なコミュニケーションを進めることができます。
復活力(レジリエンス): 挫折や困難を乗り越え、さらに成長する力。例えば、仕事で大きな失敗をした時、落ち込むだけでなく、その原因を分析し、次に活かす行動をとることができる。
創火力(創造性): 新しいアイデアを生み出し、現状を打破する力。例えば、マンネリ化した企画に、新しい視点を取り入れ、斬新なアイデアを提案することができる。
粘行力(持続力): 困難な状況でも諦めず、目標に向かって努力を継続する力。目標達成のために行動計画を立て、日々の小さな努力を積み重ねることができる。
これらの力は単独で働くのではなく、互いに影響し合い、相乗効果を生み出します。例えば、根源力によって自分の強みを理解していれば、復活力も高まり、挫折から立ち直りやすくなります。また、共鳴力によって他者の感情を理解できれば、創火力も刺激され、より良いアイデアが生まれる可能性が高まります。
今日から始める!「柳のように自己」を育てる方法とメリット
「柳のような自己」を育むことは、一日にして成らず。それは、日々の小さな選択や挑戦の積み重ねによって実現されるものです。
迷いや不安に苛まれることもあるでしょう。しかし、変化を恐れず、しなやかに揺れる柳のように、あなた自身の人生を力強く生き抜いてください。
さて、あなたは、どんな柳の木のように成長していきたいですか?