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『天空の王子と魔王の呪い』 2話

【物語のあらすじ】

ルシエル王国は、魔王の呪いによって闇に包まれた。王と王妃は息子を救うため、光の神に祈りを捧げ、息子ソラだけは命を繋いだ。
故郷と家族を奪われたソラは、魔王を討つべく旅を続ける。過酷な旅路の果て、彼はオリーブ王国の街外れで倒れ込む——
そこで、ある一人の女性と運命的な出会いを果たす。


第2話《運命の出会い》

草原には冷たい風が吹き、曇天が広がっていた。
一人の少年がよろめきながら歩を進める。その身体には深い傷跡が刻まれ、旅の疲れが彼の全てを蝕んでいた。

「ここまでか……」
力尽き、彼はその場に倒れ込む。視界は闇に閉ざされ、ただ朧げな声が聞こえた。
「大丈夫ですか?しっかりして!」
それは女性の声だった。だが、意識を繋ぎとめるには足りなかった。


目を覚ましたソラの瞳に映ったのは、温かな木の家と窓から差し込む柔らかな陽の光。
傍らには、オレンジ色の髪を持つ女性が立っていた。彼女のエメラルドグリーンの瞳が安堵に輝いている。

「気がついたのね、よかった。」
彼女は優しく微笑みかける。ソラはベッドに横たわりながら、辛うじて声を絞り出した。

「ここは……?」
「私の家よ。街の外れであなたが倒れているのを見つけて、運んできたの。」

彼女の声は、疲れ切ったソラの心を少しだけ癒した。

「助けてくれて、ありがとう……」
「いいのよ。しばらくここで休んで、傷を癒してね。」

彼女の名はミーナ。オリーブ王国で一人暮らしをする薬師だという。


ミーナはソラの看病をしながら、彼が元気を取り戻せるよう心を配った。彼女の家の裏には薬草畑が広がり、日々その収穫と調合に励んでいる。

数日後、体力が戻ったソラは、感謝の気持ちを込めて手伝いを申し出た。
「ミーナ、何か俺にできることはないかな?」
「そうね……この薬草を干してもらえる?」
「任せてくれ。」

ミーナの家で過ごす日々の中、ソラは少しずつ彼女の明るさと優しさに触れていく。しかし、彼女の瞳の奥にはどこか影が差しているようにも見えた。


次回予告

第3話では、ミーナが隠している過去、そして街の人々との交流を通じて、ソラがどのように新たな一歩を踏み出していくのかが描かれます。二人の運命が交差する先に待つものとは——


最後までお読みいただきありがとうございます🙇🏻‍♀️💓

第2話では、ソラがミーナと出会い、新たな物語の扉が開かれる瞬間を描きました。この出会いが、彼らの運命にどんな影響を与えていくのか🤔
これからの展開にぜひご期待ください✨️✨️

次回の第3話では、ソラが街での生活を通じてミーナや街の人々との絆を深めていく姿を描きます。そして、少しずつ明らかになるミーナの過去も見どころです😘

感想やコメント、気になった点などをぜひお気軽にお寄せください。皆さまの応援が、この物語をより素敵なものにしていく力になります🥲

それでは、次回もどうぞお楽しみにっ✨🐑

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