「人を過去に縛る、失敗と成功のdogma」
心理学的に言えば、「認知的不協和」と「不確実性の恐怖」を乗り越えられないことが、現状維持バイアスの根幹にあり、良いと思ったことでも行動変容できない人が多い残念な現実を如実に表していると思います。
今が酷い状態であっても、今までの自分を正当化したい「認識的不協和」と、失敗つまり思ったようにならないことを過度に嫌がる「不確実性の恐怖」は行動変容を阻む強力な心理的障壁であることは間違いないでしょう。
しかしながら、これだけ社会の変容が激しいにも関わらず、個人としても組織としても変われない原因として、最も強力に阻害しているのは、心の奥底に刻み込まれた「失敗と成功のdogma」にあると考えています。
つまり、計画通りにいけば成功、計画通りにいかなれば失敗というdogmaが行動変容を阻害する障壁になっているということです。
確かに、日常生活においても、今日はあれしてこれしてと行動計画をたて、計画通りに事が進むと気分がいいですね!(成功)
逆に、寄る予定にしていたお店が臨時休業していたり、あると思っていたものがなかったりすると、がっかりします。(失敗)
では、あらかじめ電話をかけて商品の取り置きをしてもらったり、営業を確認すれば良かったかと言えば、入念な準備に時間を費やしたからと言って、事故などによる電車の遅延などで計画の遂行が困難になるということもあるわけです。
まあ、せいぜい一日の話しであれば、好きにすればいいのですが、取り組みが長期になってくると話しは別です。企業においても個人においても、予測できない未来の時点にゴールを置いて計画するのはいいのですが、そのゴールと計画に執着した瞬間に「成功と失敗のdogma」に支配され、必死でゴールしても、そのゴールの価値自体が低下してしまっている可能性だって大いにあるわけです。
途中までの投資が勿体無いので後戻り出来ず、どんどん価値を失うゴールに向かって投資を続けるなんて事はよくありますね。
計画性は大切ですが、緻密になればなるほど、その計画に固執しがちになりますし、多くの場合、未来においては価値を失うので、ほど良い粒度でゴールとともに柔軟に変えられるようにしておく必要があります。
つまり、
「逐次適切にゴールの見直しの必要性に気づけ、計画を柔軟に変更しなたがらゴールに到達した」ことが成功であり、「当初計画とゴールに執着して完遂したが、環境はすでに変化し、ゴールの価値は毀損していた」ことが失敗である。
という概念にチェンジしよう。
ということです。
もっと簡単な言葉にすると、ご機嫌に暮らすためにも、
「思った通りに生きるのではなく、思い通りに生きる。」
「過去の自分に従って生きるのではなく、今の自分の考えで生きる。」
に変えて、短サイクル高回転のアジャイル方式に仕事も人生も転換していきましょう。
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