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まずはこれだけ!はじめてのIllustrator操作UVプリンター機編

レーザー加工機やUVプリンターなどで使うデータを作るのによく使うソフトの一つがAdobe Illustratorです。とても高機能なソフトなのでマスターするのは大変ですが、UVプリンターでよく使うのはその中でも一部の機能。初心者向けに、これだけは押さえておこう!というイラレ操作を紹介します。

基本操作

まずは基本操作。新規作成、図形の描画、線の描画、移動などがよく使う操作です。こちらの公式チュートリアルで、必要な操作が一通りわかります。15分程度で完了できるので、はじめにこちらをやってみるのがおすすめです。

UVプリンターでよく使う操作

基本操作が一通りできたところで、UVプリンターでよく使う操作を紹介します。

1.画像を配置する

「ファイル」→「配置」を選択し、挿入したい画像ファイルを選んで配置します。

画像は「リンク」または「埋め込み」の2つの状態があります。埋め込みにすると画像がIllustratorのファイルに含まれ、Illustratorのファイル(AI)を移動しても画像が表示されます。UVプリンターを使う際にはデータ作成作業を行うPCと、プリンター用のPCが違うことが多いため、埋め込みにしておくのがお勧めです。設定するには「リンクウィンドウ」で埋め込みたい画像を選択し、リンクウィンドウ右上のメニューより「画像を埋め込み」を選択します。


2.レイヤー(可視化・不可視化、ロック)操作

Illustratorのレイヤーは、デザインを整理しやすくするための「透明なシート」のような機能です。透明なシートそれぞれに画や文字などがあり、それを重ねることで全体が完成するようなイメージです。UVプリンター用のデーターでは、1つ目のレイヤーはカラー、次は白、次は枠、というようにレイヤーごとに役割をかえることが多いです。

左が完成形。実際には右のように3つのオブジェクトが重なっている。

レイヤーでできることはたくさんありますが、特にUVプリンターでよく使うのは以下2つの機能です。

  • 可視化/不可視化: レイヤーパネル内の目のアイコンをクリックすると、レイヤーの可視化を切り替えられます。不可視にすると、そのレイヤーにあるオブジェクトは一時的に見えなくなります。上のオブジェクトに隠れて見えないオブジェクトの確認や編集に便利です。

  • ロック: 鍵アイコンをクリックしてレイヤーをロックします。ロックすると、そのレイヤー内のオブジェクトは編集や移動ができなくなります。編集するときは、編集したいオブジェクトのレイヤー以外はロックしておくと、間違った操作を防ぐことができます。

その他のレイヤー操作についてはこちらの公式チュートリアルが参考になります。


3.画像をパスに変換する

写真や手書きをスキャンしたデータはJPEG、PNG、BMPなどの、ラスターといわれる画像形式です。これらの画像はそのままではIllustrator上のパス(線)として扱えないので、色を塗ったり、縁取りをしたりといった処理ができません。

左は画像、右はパス化を行ったもの。画像は余白含め全体しか選択・編集できないが、パス化したものは各線や塗を選択・編集できる

UVプリンタでは白インク用のデータを作ったり、画像の周りの縁取りを描いたりすることが多いです。そのため、画像をパスに変換できるようになっておくと便利です。

画像を選択した状態で「画面トレース」の右下矢印を押し、トレースしたい画像のタイプを選びます。結果が思うようにいかない場合には他のものを選ぶとうまくいく場合があります。今回であれば「スケッチアート」が最も精度よくトレースできました。

この状態ではまだ画像のままです。「拡張」を押すとパスに変換されます。余白や白い部分も1パーツとしてオブジェクトになってグループ化されています。余分な部分を削除して使いましょう。


3.テキストを入れる

名前やメッセージ入れるのにテキスト入力ができると便利です。

ツールバーから「文字ツール(T)」を選択し、キャンバス上をクリックしてテキストを入力します。フォントや文字のサイズを変更するには、選択したテキストをオプションバーで調整します。


4.スウォッチの色を適用する

UVプリンターでは、通常のCMYKのカラーインクの他に、特色と呼ばれる、白やニスを使うことができます。Illustrator上で特定の色を適用することで、特色の指定することが多いです。

基本的な色の適用の仕方は上記の基本操作と同様です。色を選ぶときに、カラーパネルではなく、「スウォッチ」パネルで、お使いのUVプリンターの色設定のスウォッチ(カラーをあらかじめ登録したセット)を使用します。

UVプリンター用のスウォッチが表示されていない時には、スウォッチの右上のメニューから「スウォッチライブラリを開く」を選び、UVプリンター用のスウォッチを開きます。


5.別の形式での保存 (dxf, svg, eps)

UVプリンターでは、Illustratorの形式(ai)以外のファイル形式で読み込ませることが多いです。特にEPSやPDFが一般的です。EPS、PDFの場合は「別名で保存」から、保存したい形式を選んで保存できます。
一部のレイヤーのみ保存したい場合は、不要なレイヤーを非表示にした状態で保存します。


UVプリンター用にデータを作る際によく使う操作を紹介しました。他にも使うと便利な機能はたくさんありますが、ひとまず上記の操作ができればデータ作成ができると思います。難しいと思われがちなIllustratorですが、ぜひ挑戦してみてください。


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