候補者アンケートのススメ
みなさま候補者の方々にアンケートとってますか?めちゃくちゃ意味があるとスクラム採用を推し進める弊社は感じており、とてもおすすめです。その理由・弊社がどんな形で実施しているかについてまとめていきます。
※ここでいう候補者は、仕事において新しい機会を検討していて、企業の求人にエントリーをしている人を指しています。
候補者アンケートの運用におけるポイントは、以下の三つです。
1.回答結果を簡単に確認できる仕組みを整えること
アンケートを取るだけになっては意味がないので、選考に携わる全員が確認しやすい工夫をしましょう。
2.候補者の心境・考え方は常に変化する前提で考えること
転職先や、新しい仕事に対しての検討は、最初に考えていた結論から容易に変わるものであり、変わっていくものだと思います。その前提で情報を取得しましょう。
3.定期的に見直しをすること
最適なアンケートはこれ!というものは残念ながらありません。企業のフェーズ・職種・採用基準等によって変わっていくものだと思うので、定期的にアップデートすることでその価値を担保しましょう。
詳細は後述するとして、概要の説明から始めていきます。
候補者アンケートとは
候補者アンケートとは、文字通り選考でエントリーのあった候補者の方々にお答えいただくアンケートを指しています。エントリーの段階でいただくような情報(履歴書・職歴書等)とは別に、書類ではわからないインプットを得るために行います。弊社ではGoogleFormで実施していますが、対面で時間をとって行う手法や、電話でヒアリングをするみたいな手法もあると思います。
候補者アンケートの目的は、相互理解の効率化
選考プロセスそれ自体の目的は企業と候補者の適切なマッチングのための相互理解を深めることだ思います。企業が一方的に候補者をジャッジするプロセスではなく、その逆でもないと思います。その前提に立つと、企業主体は変わらない(企業の状態は変わり続ける)ですが、候補者の方々は基本的に毎回違うので、候補者という変数に応じて選考プロセス自体も柔軟に変更されるべきだと考えます。また、選考プロセスは候補者と企業の間の相互理解のプロセスであり、その手法が、書類を通じたもの、会話を通じたもの、テキストを通じたもの、と様々な形があるにすぎないので、相互理解を目的とした際の最適な手法の組み合わせを考えることが選考プロセス設計であると言えます。アンケートはその一つの手法です。
上記の前提において候補者アンケートの目的を企業側・候補者側の視点で整理してみます。基本的に企業主体で行うことなので企業側の目的が多いですが、候補者の方にもメリットがある仕組みだと思います。
企業側の目的
書類選考の精度向上
候補者体験の品質向上
クロージング戦略の立案
採用広報コンテンツの有効性の確認
候補者側の目的
入社の意思決定のために知りたい情報を伝える
自身の転職先に求める条件を伝える
<企業側の目的詳細>
書類選考の精度向上
履歴書・職歴書だけではわからないような候補者の考え方・求めているものを知ることでマッチングの精度向上につなげる
候補者体験の品質向上
候補者が話してみたいテーマ・人などのリクエストをもらうことで、候補者のニーズを満たす
クロージング戦略の立案
候補者の転職活動における現在地(いつまでに意思決定したい、どういう会社を検討しているか)を知ることで、自社を選んでもらうための努力を合理化する
採用広報コンテンツの有効性の確認
候補者のエントリー前の企業への認知および認知経路、発信物による理解促進がどれだけ進んだか等を確認する
<候補者側の目的詳細>
入社の意思決定のために知りたい情報を伝える
候補者として理解を深めたいポイント(人・カルチャー・社内でのコミュニケーション等)について伝える
自身の転職先に求める条件を伝える
転職活動のスピード感、希望条件等の要望を伝える
アンケートがいいのは、双方の理解不足を効率的に埋めることができ、かつそれをテキストベースで行えば、情報の保存・共有がしやすいことにあると思います。できるだけ早い段階でアンケートを行うことで、双方にとって効率的な選考フローをデザインできます。
目的別の設問例
弊社では、現状12種類のアンケートを実施しています。数えてみて結構あって自分でも驚きました。一部を抜粋して、簡単に弊社での目的を記載してみます。
⓪アンケートを取得するタイミング
企業側の目線に立つと、アンケートで得られる情報鮮度を意識し、主に次のアクションに活かすことを目的にタイミングを決めるべきというのが基本的な考え方かと思います。前述の通り候補者の方々の検討状況は企業側の把握できないところで少しずつ変わっていくことが想定されるからです。
だからこそ、弊社ではそれぞれの接点の前に必ずアンケートを取得する運用をとっています。
以上アンケートの一部抜粋でした。弊社では初回接点がカジュアル面談か一次面接かでアンケートを使い分けていたり、開発側の職種はまた別の設問でヒアリングをしていたり、職種・選考プロセスに応じてアンケートを使い分けています。
運用・活用方法のポイント
回答結果の活用について、設問からかなりイメージできるのではないかなと思うので、冒頭で記載をした企業側の立場のポイントについて詳述します。
1.回答結果を簡単に確認できる仕組みを整えること
アンケートは一般に、回答してもらって一定期間放置されることも多いのではないかと思います。(自分もよくある気がします)アンケートを送付している当事者と面接担当だったり選考プロセスのデザインをする当事者が別の場合はなおさら確認が徹底されにくかったりすると思います。アンケートを取得しても活用されなかったら意味がないので、何かしらの仕組みで確認しやすい工夫をする必要があります。
弊社の場合は、回答結果をSlackに連携し、選考に関わるメンバーが閲覧可能な状態にしているのと、HERP Hireのタイムラインに転記をするオペレーションにすることで確認不足を防いでいます。
2.候補者の心境・考え方は常に変化する前提で考えること
アンケートで回答を得た内容は、次回の選考タイミングまである程度は真であるくらいの捉え方をした方がいいと思います。転職活動中は色々なインプットによって考え方が変わっていくことが普通だと思いますし、そもそも転職活動自体を見直すということもあると思います。一度取ったらそれを前提にではなく細やかに情報を取りに行くスタンスで臨む必要があります。また候補者体験を向上するという点においても、その方が精度が高まるでしょう。
3.定期的に見直しをすること
アンケート項目に絶対の正解はありません。弊社でも直近は固定化してきていますがこれまでに何度も変更を加えています。今年は、採用広報コンテンツの発信を全社員で増やしていたこともあり、カジュアル面談、初回面接のタイミングで発信の成果を確認するような設問を追加しました。スタートアップは特に採用基準も目まぐるしく変われば、採用選考に関わる社員も変化・増減していくと思うので、臨機応変にアンケート項目をアップデートしていくことが求められると思います。
得られる成果は候補者体験品質の向上と、スクラム採用の浸透
アンケートの実施を通じて様々な成果を得られています。定量的にこれですと書くのが難しいのですが、候補者の方々の選考終了時の満足度は高い水準をキープできていますし、何よりも選考プロセスのデザインをある程度自信を持って行えるようになっています。候補者の方を知らなければ、最高の候補者体験は作れないので、アンケートが果たしている役割は絶大だと思います。そして副次的な効果として、アンケート回答を確認するプロセスがあることで、選考に関わる社員が候補者の方にとって最良のプロセスにしようと強く意識できるようになっていると感じます。その結果社員全員の意識の底上げにもつながります。候補者に選ばれるための努力がより一層必要とされる中、組織の採用力向上にも寄与する採用アンケート、おすすめです。
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