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年頭所感 ~ 五流経営者からの脱却 ~

日頃お世話になっている皆さま、旧年中はお世話になりました。そして明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。ご活用いただいているユーザーのみなさま、株主・パートナーのみなさまのおかげで我々は期待を持って仕事をすることができております。改めまして、感謝申し上げます。新年のご挨拶および、その自分達への期待を言語化しておきたいと思います。

これまでの8年間を振り返って今思うこと

HERPは2017年に創業し、丸8年が経ちました。この8年間いろんなことがありましたが、どれもが今につながっていて意味のない時間はなかったと振り返っています。と同時に、眼を見張るような成果を残せたかというと、正直全く成果を残せていないと感じています。創業初期のがむしゃらに何もわからずに走っていた時代から、少しずつ会社・事業・組織に対しての理解が深くなり、自分の考えを持つこともできるようになった。お客様・従業員・パートナーの方々との対話を通じて、組織も強くなり間違いなく今が一番良い状態だと言える。ただ、肝心の事業の成果の成長に対しては当初思い描いていたものとはかけ離れたものです。
この8年間、自分達も事業としても多くのスタートアップの中で揉まれてきて、色々な風がありました。創業当初は一部の人たちの間での話題でしかなかったSaaSが突然全盛期を迎え、NFT・メタバースが流行り、コロナによって色々な前提が覆り、世界的な不況が訪れ、そして生成AIの時代になりました。僕たちはその中でそれなりの実績をそれなりに積み上げながらここまできました。スタートアップにはその時々で風が吹いている業界・会社というものがあると思います。我々はそういった会社様を人の面で支えるのだと自分達を定義してこれまでやってきましたが、その中で一度も自分達に風が吹いていると感じたことはありません。本来は自分達がそういった存在になることを通じて、ミッションの実現に近づける、近づけられる会社の格をもつことが大事だとはわかっていながら、自分達は自分達のやるべきことを、自分達の考える成長をと、自分に言い聞かせてきたところもあると思います。自分達のサービスの性質上、風が吹いているなという会社様のご支援をしているケースが多く、そういった会社様に活用いただいていることをやりがいと感じながらもどこか悔しい気持ちを持ちながら今日まで過ごしてきました。
先日、とある会で話の流れで先輩経営者の方から「五流経営者!」と言葉を浴びせかけられるシーンがありました。瞬間怒りの感情が湧いてきたそのすぐ後に、私は従業員のみんなに申し訳ないなという気持ちになりました。とてもキャッチーな五流経営者という言葉は、怒りよりも自分への情けなさを強く呼び起こし、こんなに人が良くて優秀な従業員に恵まれながらも言い返せるほどの成果を残せていない自分に突然客観的になり、悔しさと申し訳なさが溢れました。年の瀬のこんなタイミングだからこそ、より強く自分の至らなさを感じた瞬間でした。
一方で、事業に対して期待を持てているという良い感情もあります。この1年間会社のテーマとして取り組んできた、SaaS + マッチングのモデルの実現については、1年という貴重な時間をかけて事業開発・実証を繰り返しこれはいけるんじゃないか、何か自分達なりの風を作れるんじゃないかと思えています。多くの企業様にご活用いただいているSaaSプロダクトの提供を通じて我々が持ち得ている多くのデータを活用して、従来の形とは違うマッチングを作る。これが我々のテーマであり、我々のポストSaaS・生成AI時代における回答の仮説です。そして2024年の末頃には少しずつ成果が出始めています。

今年の意気込み

そんな悔しさを今年は晴らしたいとこれまで以上に強く思っています。自分のためだけではなく、自分を含めた従業員全員のためにも事業で大きな成果を残したい。これまで私は立場上、色々な外部の人たちから事業について聞かれるたびに、事業はこんな感じでこうやって跳ねることを考えています、とか最近はここが調子良くていい感じです、とかいろんなことを語ってきました。その全てはその時々の成長ストーリーではありますが、事実として爆伸びしている、事実として戦略が完璧にはまったと感じられたことはありません。もうそれをやめにしたい。HERPに関わる全員が、どんな場所でも最近うちの会社マジできてる、めちゃくちゃいい感じと言えるようにする。かなりふわっとしていますが、それが今年の目標です。
そしてそれを通じて、五流経営者から卒業し、経営者としても自信を持てるようになる。それが会社のためにもなると思います。

SaaS + マッチングモデルの実現

そのために今年は、我々が思い描いているSaaS + マッチングのモデルを実現することが必須だと考えています。生成AIの時代になり、SaaSの存在意義・これからの生き残り方について色々な仮説や検討が進んでいると思います。生成AIの登場によって、世の中に溢れているデータへのアクセシビリティが格段に高まり、データを活用することができるという便益は意味をなさなくなりつつあります。オープンデータと、独自のデータを掛け合わせた上で独自の示唆を出せる、そしてその示唆が企業経営にとって価値があると言える状態にすることが求められています。
それに対しての我々の回答が、データを元にしたマッチングの創出です。HR業界においては、これまで最新技術の活用がことごとく失敗してきたと言えると思います。書類選考・面接の自動化の取り組みは、まだまだ完璧に実現できておらず、ダイバーシティを維持・強化する文脈で実用される形にとどまっていたり、ブロックチェーン技術を活用した経歴証明のトライも、ブロックチェーン技術が企業に対して一般化していないことから失敗に終わっています。そのすべては、HR業界において対峙しているのが人の大きな意思決定であり、人生を自動化したくないのと同様に、意思決定を全て自動化されたくない、したくないというベースの人としての価値観があり、人はどこまでいっても人とコミュニケーションした上で人生を作っていきたいという根源的な欲求があると考えています。生成AIはプロセスの自動化・効率化と意思決定のサポートがメインの役割であり、HR業界においてもこれまでにない実用の機会があると考えています。人事業務はマニュアル処理が多く、またテキストコミュニケーションが膨大に発生する業務でもあります。そして、対話ベースのAIエージェントには意思決定サポートにおける人との親和性を持っていると言えると思います。この意思決定のサポートにおいて欠かせないのが、独自のデータです。我々は2000以上の企業様に採用管理システムをご活用いただいており、そのそれぞれの会社様の多くの意思決定のデータを保有しています。そのデータを活用することで最適な出会いを効率的に生み出しつつ、意思決定のお手伝いができると考えています。具体的には今年新規事業として発表をするので、公開のタイミングでお知らせをさせてください。既存事業・新規事業を通じてこのモデルを実現し、再現性高く多くの採用成果を生み出し、事業成果を作ることを通じて、今年の目標を達成したいと考えています。

最後に

これまでの年始は、それまでの延長線での成長を思い描き、そのためのピースを埋めるという気持ちで迎えることが多かったです。今年はそれとは違って、成果に飢えているし、それができないと続ける意味すらないんじゃないかなと思うくらいに強い気持ちがあります。
社内の人たち向けにはなりますが、これまで何度も飛躍の年にしようという話をしたことがあるけど、大きな飛躍にできたことはこれまでになかったと感じています。そして直近数年はそれすら言えなくなっていた。今年は、私自身強い覚悟で、大きな飛躍を作る年にしたいと思っているのでみなさんもそういった覚悟で挑んでいただきたいと思います。我々ならできる、できないわけがない。そう信じてまいりましょう。

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