イタリア人女性の43.6%がセクハラ被害に、男性は18.8%
Istatの調査:880万人の女性がセクハラ被害に、男性は310万人(ラ・レプッブリカ、web版2018年2月13日付 "Istat: 8,8 milioni di donne vittime molestie sessuali, 3,1 milioni gli uomini”より引用翻訳)。
Istat(イタリア中央統計局)がレポート「職場におけるセクシャル・ハラスメント」(2015-2016)を発表した。
このレポートによれば、14〜65歳の女性のうち、8,816,000人(43.6%)がこれまでに何らかのセクシャル・ハラスメントを受けたことがあり、3,118,000人(15.4%)が過去3年以内に受けていた。さらに、1,173,000人(7.5%)の女性が職場で、採用、地位の保持、昇進のために性的強要の被害を受けていた。
過去3年以内に限れば、167,000人(1.1%)の女性がオフィスや会社でこのような性的強要の被害に遭っている。
採用時に被害を受けるケースで最も多いのは、事務職員の37.6%、次いで商業・サービス業の30.4%である。
分野別で見ると、被害者数の割合が最も高いのは、専門職、学術職、技術職の分野(20%)であり、次いで家庭内労働の分野(18.2%)である。
同一人物から複数回に渡って被害を受けるケースは11.3%であり、日常的に繰り返して、または一週間に何度も受けるケースは32.4%であった。
被害を受けた女性の大半(69.6%)は、事実をとても、またはそれなりに深刻な問題として受け止めていたにもかかわらず、80.9%のケースにおいて、被害者たちは職場の誰にも相談していなかった。さらに、警察に被害届けをだす人はほとんど誰もいなかった。
さらに、今回初めて男性に対するセクシャル・ハラスメントの実態が浮き彫りになった。3,754,000人(18.8%)の男性がこれまでに被害を受けたことがあり、過去3年以内に受けたことがある男性は1,274,000人(6.4%)であった。
セクシャル・ハラスメントをする人の大多数が男性である。女性被害者の97%が男性から被害を受けており、男性被害者の85.4%が男性から被害を受けている。
言葉による嫌がらせは最も普及した形態であるが、これまでに受けたことのある人は女性で24%、男性で8.2%となっている。過去3年間に受けたことがある場合においても、この形態による嫌がらせが一番多かった。
身体的接触による嫌がらせとは、被害者の意に反して撫でられたりキスされたりすることだが、この形態の嫌がらせをこれまでに受けたことがある人は女性で15.9%、男性で3.6%である。
この形態の嫌がらせは、大半のケースで(60%)、見知らぬ人、あるいは面識があるだけの人から(15.8%)受けている。これまでにこの形態の嫌がらせをどこで受けたことがあるかについては、女性被害者は公共交通機関で受けたケースが最も多く(27.9%)、男性被害者はパブやディスコ、バールなどの娯楽場で受けたケースが最も多かった(29.2%)。
身体的接触による嫌がらせを重大な出来事と認識するかどうかについては、女性と男性で大きな違いがある。女性の76.4%が身体的接触による嫌がらせをとても、あるいはかなり深刻な問題として考えている一方で、男性では47.2%にとどまっている。