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短歌を始めてみました‐「アイドル短歌25のお題」‐

10月に大場花菜ちゃん(= LOVE)が出演した「アイドル歌会」に参加したことをきっかけに、短歌を詠むことを始めました。

今回は鷹野さんのこちらのお題をお借りしました。いくつかの歌には解説を添えて公開します。

「アイドル短歌25のお題」 詠んだ人:あん



1〈担当〉
10mよりもあなたと僕の距離と言われたほうが想像がつく

アイドルとの間の「距離」って曖昧なようでいて、自担との間の距離にかぎっては自分の中ではっきりとしたイメージがあるな、と思います。


2〈魔法〉
「魔法みたい」気軽に言いたくないけれどそれくらいのが君は嬉しい?


3〈星〉
スポットライトかえす笑顔は星よりも遠くで光るまだそこにいて

照明を浴びたアイドルの笑顔は、まるでその光を反射して輝きを増しているいるみたい。そして遠くから目に届く星の明かりは何年も前のものだという話を、ステージ上のアイドルの光をみるときによく思い出します。


4〈花〉
恋をした 春に桜のひらくのが待ち遠しくて仕方なかった

実は、夏に好きになったアイドルのアクスタと桜の写真を撮るのが楽しみで仕方なかったことを思い出してつくった歌です。笑


5〈手紙〉
好きですと手紙を書くねボールペン字練習帳を一周したら


6〈声〉
かろやかにうたう口元をなぞってマスクの下で無音の共鳴 


7〈神様〉
神様は「いるよ」「いないよ」どちらにも味方しないのわたしのかみさま 

自分のポリシーから着想した歌。強い言葉で二元論的に物事をジャッジしないように気を付けていたいと思っています。


8〈演〉
暗闇に包まれ幕が上がるまで鼓動が一拍大きく響く


9〈少年または少女〉
青春は少年少女だけのもの?いいえこの手を握るだれでも

または、なのに「少年少女」と入れてよいものか少し迷いつつ……。わたしは加藤シゲアキさんがNEWSのことを「終わらない青春」と言っていたのが大好きで。その青春のきらめきのなかに一緒に連れて行ってもらっているような気持ちでいます。

10〈憧れ〉
風に乗り同じ言葉が届くときああ指先が触れた、と思う

憧れのアイドルの言葉と言葉選びに共感を覚えたときの、ふいに指が触れたような感覚を詠んだ歌です。遠くから届いた言葉に触れて、ぐっと近くに感じる。大切で嬉しい感覚。


11〈諦め〉
この5年変わったことがあるならば諦めることを諦めました


12〈甘い〉
数十分前に反芻したはずの甘い記憶はカフェオレに溶ける

現場の後はいつも甘いコーヒーが飲みたくなります。そして飲みながら記憶をたどるうちに、公演中の甘く幸せな記憶が早くもぼんやりし始めていることに気づいて寂しい気持ちになります。
「溶けるカフェオレ」とするか迷ったけれど、おさまりの悪いほうが記憶がこぼれ落ちていく感じがするかなと思いこちらを採用。


13〈痛み〉
記憶より足の痛みが昨日の夢の時間を証明してる


14〈夜〉
昏々と眠れる夜もこんこんとドアを叩いてくれたら出るよ 

「昏々」という言葉の響きがなんだか好きだなあという思い付きでできた歌ですが、アイドルに感じているあたたかさや心強さに似ているなと思って。


15〈キス〉
キスを反対に読んだらスキだとか運命みたいとすぐに言っちゃう


16〈鏡〉
似合ってる、今日もとびきり素敵だね!言えない鏡はもどかしかろう


17〈名前〉
名前から好きそれはもう沼の底って聞いていたのにあれまだ沈む


18〈手〉
伸ばす振るハートを作るそういえば手には感情出るっていうね


19〈走る〉
追いかけて追いかけてふと振り返る 君の笑顔が遠くだといい

私にとって好きなアイドルは憧れの対象。いつか追いついて、そして追い越すぞ、と思っているけれど、ふと気がついたときには少し離れたところだったらいいなとぼんやり思っています。そのとき、その距離と笑顔に勇気をもらうはず。


20〈旅〉
旅に出るときは僕にも教えてよ地図は僕には読めないけれど

一人称が「僕」だけれど、わたしからNEWSへの歌。なんだか少し無責任な響きになってしまったけれど、そういうものなのかもしれないと詠んで思いました。


21〈ライト〉
一粒の名もなき星としてわたしを見てきれいだと言って笑って

コンサートでペンライトを持つわたしの歌です。名前すら知られないまま、存在を肯定してもらえる尊い瞬間。


22〈時〉
時間さえたてば会えると思ってた見上げた月が満ちるみたいに

初めて参加したコンサートの帰り道に丸い月を見上げたことをよく覚えています。あのころは、一年たてばまたツアーがあって、好きなアイドルに会えるものだと疑いもなく思っていたな。
「見上げた」と「月が満ちる」で、会えるときの特別感とそれを心待ちにする気持ちが表現できていたら。


23〈メンバーカラー〉
「緑色好きなんですね」そうですと素直に言えずなぜかあわてる

先日、緑のニットを着て黄緑の表紙のノートと黄緑のシャープペンシルを使っていたら隣の席の知らない学生に話しかけられたことを思い出して。

24〈さようなら〉
さようならするとき渡す花束は片手じゃ抱えきれないでしょう

好きなアイドルと何らかの形で別れる日のこと、全く想像できないけれど、贈りたい言葉や気持ちが多くて大きくて抱えきれないだろうなと、それだけ思っています。


25〈アイドル〉
今朝何を食べたかも聞けない君に頑張ろうねと言われていたい

近くないのに、お互いの生活を何も知らないのに、身近な人の言葉と同等に、あるいはそれ以上に励まされるのはなぜなんだろう。唯一無二の存在。



以上、25首を詠みました。


そう決めていたわけではないけれど、すべて自分(ファン)目線の歌になりました。


素敵なお題をありがとうございました。
他の方の作品を読むことも、自分で歌を詠むことも続けていきたいです。


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