試されるとき
こんにちは
どうも、お久しぶりです。
随分と間が開いてしまいましたが、ふと留めておきたい出来事があったので、久しぶりに書こうかなと思いました。
今日道端で財布を拾った。
中には在留証明書が入っていた。
どうやら落とし主はスイスの人らしい。
外国人の人がこれを無くすのは困るだろうなーと
いけないと思いつつ、お札を確認する…
中には6万円入っていた。
ここで僕の中の天使と悪魔が顔を出してきた。
6万円あったら、今欲しいモノ全部買えちゃうぜと悪魔が言う。
そう、僕にはアレもコレも欲しいモノがいっぱいあって、どうにもお金が足りないことで悩んでいたとこだった。
そして天使はこう囁く、外国人の人が在留証明書無くすのはとっても困ることだよ!それに落ちてた財布からお金を取るのは悪いことで、いつかきっと自分に返ってくるよと。
その気持ちは十分すぎるほど分かる。
6万円
絶妙な金額だ。
誘惑がすごい。
全部取って財布は捨てちゃう?
1枚くらいなら抜いて届ければいい?
これは試されるときだと感じた。
結局、中身には一切手をつけず交番へ届けた。
決めては、目覚めの悪いことをすると自分の気を下げるだろうなと思ってのことだった。
それでも僕はまだまだ修行が足りないのだろう、謝礼の権利を放棄することは出来なかった。
1割でも貰えるなら貰っとけ!1回分の飲み代だな!なんて
そこから色々妄想は広がる。
現金じゃなくても、一回一緒に飯でも奢ってもらうのでもいいなーとか
そこで、仲良くなって、スイスとのパイプ出来るのめっちゃええやん!とか
しばらくすると、警察から電話がかかってきた。
どうやら持ち主が見つかったらしい。
よかった。
警察曰く、謝礼の話は当人同士で話し合って決めるらしい。
なので、落とし主と代わるという。
落とし主との会話、なんだか緊張した。
「もしもし、財布を拾ってもらった者です。
この度はありがとうございました。」
電話越しには、やけにテンションが低い声が聞こえてきた。
財布見つかった人間のテンションじゃねーなと
財布見つかったらもっと喜ばない?
手続き全部やり直さなくていいし、ましてや中身も全部無事って歓喜もんやん?
そんな疑問がよぎりつつも、「無事見つかって良かったです!」と明るく返した。
そして、相手は続ける。
いくらくらい払えばいいですか?
直球だなと思ったが、「謝礼なんで、お気持ちだけ頂けたら大丈夫ですよ!」と伝えた。
すると向こうから「ちょっとよく分からないので、このまま無しでもいいですか?」と返ってきた。
何がよく分からないのか分からなかったので、思わず聞き返してしまった。
返ってくるのは同じ返答。
そして悟った。
この人は財布が見つかったはいいが、見つけた人に謝礼をしないといけないと言われテンション下がってたんだなと。
「謝礼なんで、払いたくなければそれでも良いですよ!」
払いたくない人間から、わざわざむしり取るのも気分悪いなと思いこう返した。
すると向こうは「分かりました。では、無しということでお願いします。」と
なんだか複雑な気持ちになった。
僕はきっと期待していたのだろう。
良いことをし、喜んでもらえ、お礼を頂けると
勝手に期待して、勝手に裏切られた気持ちになったんだ。
そのまま6万円とっとけばよかったか?なんて考えも湧いてきたが、一緒にいた人が「良いことしたから、きっと良いことあるよ!」と
そして「今日はいいことしたから、飯奢ってやるよ!」と
ありがたい。
こういう時、周りの存在はデカいなと感じた。
結果的に目覚めの悪いことをしなくて良かったし、飲みの話ネタを入手できたわけだ。
おそらく、僕はしばらくの間この話を色んなとこでするだろう。落とし主の名前が書かれた届け物控えと共に…w
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