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#12 国際バカロレアと変化を受け入れる覚悟
人材育成コンサルになりたい、在宅ユースワーカーの福井です。
このチャンネルでは、新卒で教育系NPOに10年勤め、妻の単身赴任を機に5歳と2歳の子どもたちとの父子家庭生活をおくりながら、人材育成コンサルタントになるまでの、日々の仕事や日常での気づきについてお届けするチャンネルです。
さて今日は、「国際バカロレアと変化を受け入れる覚悟」というテーマでお届けしていきます。
◯学習指導要領?カリキュラム?
昨日はとある関係で、大阪にある社会福祉法人さんを訪問させていただき、幼稚園などの見学をさせてもらう機会をいただきました。
IBってわかりますか?「国際バカロレア」っていうものなんですけど、簡単にいうとカリキュラムのことなんですよね。
カリキュラムというのは、教育機関において学習者が習得すべき教育内容や学習目標、教授法、評価方法などを総合的に計画・整理したものです。
日本では、「学習指導要領」をもとに教育委員会が地域の実態に合わせて改変し、学校単位でつくられているわけです。
こうした国際的なカリキュラムを定めることで、世界中の大学に進学するための入学資格にもなるもので、一定の教育を受けてきた証として世界中の大学への進学ルートを確保するという意味において、注目されるようになっているものです。
日本の学習指導要領に基づくカリキュラムは、「教科中心カリキュラム」に類するもので、日本独自のものなので、基本的には日本の大学に入るためのものです。
◯「10の学習者像」がけっこういい
国際バカロレア、IBというのを私も全然詳しくないのですが、IBが目指す、「10の学習者像」というのがあるみたいです。
探究する人 (Inquirers)、知識のある人 (Knowledgeable)、考える人 (Thinkers)、コミュニケーションができる人 (Communicators)、信念をもつ人 (Principled)、心を開く人 (Open-minded)、思いやりのある人 (Caring)、挑戦する人 (Risk-takers)、バランスのとれた人 (Balanced)、振り返りができる人 (Reflective)というふうにしています。
その幼稚園では、IBの考え方を導入したことで、子どもも先生も保護者にとってもいい影響があったようです。
もちろん、最初は戸惑いもあったようですが、ほんとに聞けば聞くほどすてきなお話ばかりでした。
10の学習者像っていうのが、ほんとにクラスの中にちゃんと貼ってあるんです。日常的に子どもも意識するぐらい、よく使うようです。
◯評価基準が変われば、評価が変わる
10の学習者像のいいなと思うところは、一つは、「評価」する基準ではあるのですが、「できる・できない」ということではないということです。
「これができる」というよりは、「いまこういう行動をとっている」に近いかもしれません。
なので、行動を当てはめていくと、「いまの◯◯ちゃんの行動は、コミュニケーションができる人だったね。」というのが子どもたちへのフィードバックになるということです。なんかいいですよね。
もちろん、毎回振り返っていくと、毎回同じ◯◯な人という学習者像になる子もいれば、「さっきは挑戦する人だったけど、いまのは思いやりのある人だね」なんて風に変わることだってあり得るわけです。
できる・できないが評価基準になると、褒めたり、フィードバックしたりするのが難しくなります。
「できない」状態だと、「最後までがんばったね」って言ってあげることはできても、「できなかった」という経験が子どもの中には残っていきます。
そういう、できる・できないの評価があるかないかというのはほんとに大きな違いになります。
◯大人の世界でも大事で無視できない視点である
改めて、「評価基準」を決めるって本当に影響が大きいなって思います。子どもの教育の世界ももちろんですが、大人が所属する会社・企業・組織においても同じことが言えると思います。
もちろん、「●●さんは、挑戦する人だねー」って言われることはあっても、永遠に仕事で結果が出ない。というわけにはいきません。
それなりに結果を出せる、貢献できる必要も出てくるわけです。一方でそれは、表面上の結果だけが評価される世界だと、全員が同じ結果にならない限り、優劣が生まれることになります。
どの会社も一律で業界トップというわけにもいかないので、それぞれが「結果」を求めて、活動していくことはすごく大事なことであると思う一方で、過程やその人らしさに目を向けていくことは、「常に不完全なお互いの存在を認め合う第一歩になる」という風にも思います。
「自分のことを見てくれているんだな」ということを感じることって、人に大きなパワーを与えます。この人たちとならがんばりたいな、この人の求める「結果」も出せる自分になってみたいな、そんな勇気やパワーが湧いてくる理由になると思います。
今回、その幼稚園の経営をされている方も、順風満帆だったわけでは決してなく、大変だったからこそその時代に合わせた変化をしてきたというお話でした。
国際バカロレアがいい、とかって話ではなくて、やはり難しい現状を打破するために自分が知らないことにまで可能性を広げて、「とりあえずやってみよう!」と言える人だけが前に進んでいけるんだと思いました。
もちろん、子育てにもつながる話ですよね。子どもたちをどんな視点で見つめるか、ですし、ある意味、親としての自分自身はどうか?ということにも使えるものです。
大人も子どもも自分を測る物差しとして、使っていくことができるんだろうと思います。
そんなわけで今日は、「国際バカロレアと変化を受け入れる覚悟」というテーマでお届けしました。
すてきな1日をお過ごしください!
では、また次回お会いしましょう!
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