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スター・ウォーズ ゲーム研究本を出すために 第4回 レゴがイッパイ!『レゴ スター・ウォーズ: スカイウォーカー・サーガ』に至るまで色々振り返る

■間もなくコラボ終了『レゴ フォートナイト』


レゴブロックでおなじみのレゴ社は僕なんかが言うまでもなく著名な会社だが、『スター・ウォーズ』との関わりは1999年に遡る。その前にレゴは1980年代になってからはテレビゲーム、ビデオゲームが台頭したことや特許によって確立していた独占市場が終りを迎えて類似品が出回ることで経営不振に陥っていた。


『スター・ウォーズ』はレゴが最初に取り扱った版権モノで、このあたりから一気にレゴはレゴブロックの多角展開を進めていく。愛知県にあるレゴランドもその一つで、レゴのアニメ、『レゴ スター・ウォーズ』のアニメ、更にはオリジナルの『レゴ ニンジャゴー』もこの多角展開の一つ。失敗に終わったものも多いものの2002年には過去最高収益を上げることになった。


最初に登場した『レゴ スター・ウォーズ』は栄光のルーク・スカイウォーカーのX-ウィングファイター。ライトセーバーを持ったルークとR2-D2がセットになったもので翼の開閉からコックピットへの搭乗ができるだけでも楽しかったし、説明書にはオリジナルのレゴテイストのコミックが付属していたのを覚えている。このコミックではX-ウィングファイターが不時着してX-ウィングは故障してしまうところから始まる。途方に暮れたルークにとてつもなく凶暴なクリーチャーが襲いかかり絶体絶命に陥りかけるものの、壊れたX-ウィング(レゴ)をフォースで分解して、ライトセーバーや別のビークルに変形して危機を脱出して、最後は捜索に来た反乱軍と合流して惑星を後にするといった内容だった。


ここで面白いのが既にこのコミックの中で今の『レゴ スター・ウォーズ』ゲームにも入っている「フォースでの分解」「フォースでの再構築」言うなれば「フォースを使ったレゴブロックのスクラップアンドビルド」が考えられていたということ。

取説コミックの巻末にはルークが作ったレゴライトセーバーや作成したビークルの簡単な設計図まで用意されている(とはいえ、X-ウィングファイターを分解してまでこれらを作るともう二度とX-ウィングが作成できなくなるのでは?)。ちゃんとファンアイテムに留めることなく知育玩具であることもアピールできている。


引用:レゴ公式サイトからhttps://www.lego.com/cdn/product-assets/product.bi.core.pdf/4125023.pdf


『スター・ウォーズ』は1997年にオリジナル・トリロジーの「特別編」でリブートをかけてから1999年の『エピソード1 ファントム・メナス』からプリクエル・トリロジーで最ブーストがかかる。レゴはこの機を逃さずうまく『スター・ウォーズ』の力を借りて再復活を遂げたというわけだ。

もちろん美味しい話ばかりでない。『スター・ウォーズ』は3年周期での新作制作となるため映画公開が無い年は売上が落ちるという側面もある。以降も『スター・ウォーズ』以外にも『インディー・ジョーンズ』や『ハリー・ポッター』『バットマン』『MARVEL』とライセンスを次々と扱っていくことになる。現在『フォートナイト』が様々な作品やコンテンツとコラボレーションを行っているが、遊び場を提供しているプラットフォームにゲストを招聘してということにレゴは割と早くから取り組んでいたのだ。


そういった流れもあってか近日まで『フォートナイト』は新規大型コンテンツとして『レゴ フォートナイト』のサービスを開始。

『レゴ フォートナイト』はサバイバルクラフトアドベンチャーゲームで、プレイヤーはワールドにある木や石を攻撃して破壊し、素材を採取して家やアンテナなんかの建造物、武器などをつくって戦力や街を拡大していくというゲーム。レゴゲームどれか一つでもプレイしたことがあるなら『フォートナイト』のスクラップ&ビルドのゲームシステムの共通点で両者が共同で新作ゲームとして展開するのは納得が行く。


『レゴ フォートナイト』の世界に帝国軍がスター・デストロイヤーとタイ・ファイターで襲撃、更には勝手に墜落するという迷惑行為からイベントが始まる。プレイヤーは反乱軍のキャプテンから帝国軍を打倒するために協力するよう依頼されて、反乱軍基地の作成からウーキー属とのコンタクトをプレイヤーに任せる(なんて雑な扱いだ・・・)。そしてライトセーバーを装備するといった内容。内容としてはまだまだストーリーの序盤みたいなもので、今後のアップデート等で物語が進行していくかもしれないので気になればぜひプレイしてみてほしい。

このゲームのポイントは『エピソード7 フォースの覚醒』で元ファースト・オーダー・ストーム・トルーパーのフィンがライトセーバーを握って戦いに臨んだように、ただの一般人であるキャラクターがライトセーバーを作り、握ることができる。それだけでなくライトセーバーを使って帝国軍を打破することができるという、一般人でもジェダイみたいに戦えるんだという夢を与えてくれることだ。

『フォートナイト』で購入したスター・ウォーズキャラクターのスキンは無料でレゴ仕様に変換されるので、スター・ウォーズイベントをやるなら購入はマストだ。


レゴ フォートナイト


ジャンル: アクション、クラフト

対応機種: Microsoft Windows、macOS、Nintendo Switch、Android、PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series X/S

開発元: Epic Games

発売元: Epic Games

発売日: 2023年12月7日




■『スカイウォーカー・サーガ』に至るまでの道のりは長いまずは『レゴ スター・ウォーズ: THE VIDEO GAME』(2005年)


あまりにも長くなってしまったのでさっさとレゴゲームと『スター・ウォーズ』のは暗視をせねば。

1998年にルーカスフィルムとライセンスを締結後に1999年のX-ウィングファイターを最初にオリジナル・トリロジー、そして『エピソード1 ファントム・メナス』の商品を展開。そして2005年の『エピソード3 シスの復讐』をきっかけに最初のレゴゲームにして最初のレゴスター・ウォーズゲーム『レゴ スター・ウォーズ THE VIDEO GAME』をPlayStation2、Xbox、ゲームキューブ、ゲームボーイアドバンス、PCで発売(日本ではPS2、GBAのみ!)。開発は現在までTTゲームズ(Traveller’s Tales)が手掛けている。このゲームでは『エピソード1 ファントム・メナス』『エピソード2 クローンの攻撃』『エピソード3 シスの復讐』のプリクエル・トリロジーに加えて『エピソード4 新たなる希望』の冒頭、ブロッケードランナー襲撃までを収録している。ゲームジャンルはアクション・アドベンチャーで、プレイヤーはエピソードごとに分けられたステージに入ってストーリーを追体験していく。常に2名のキャラクターがバディとして同行し、ステージギミックや状況に応じて切り替えて操作していく。


スクラップアンドビルドの精神はゲームの中でも生きている。ステージ上に置いてあるオブジェクトを破壊するとゲーム内マネーが手に入る。ゲーム内マネーの入手は子供から大人まで重要なことだと分かるのでとにかく破壊、破壊、破壊!と破壊の限りをつくしてお金を稼ぐ。バラバラになって床に散らばったパーツを使ってオブジェクトの構築・再生することでもお金を稼ぐことができる。とにかくお金だけはよく手に入る。このゲーム内マネーを使ってキャラクターを開放したり、体力の回復とかにあてる。

レゴの持っていた創り手の自由な発想、知育玩具を生かす精神もこのゲームでは忘れられることなく、テレビゲームとしては謎解きやキャラクターカスタマイズとして反映されている。この謎解きがくせもので、シリーズの初期作品では謎解きの謎となる部分がどこにあるのかを探すところから始まるものだから自分がどこで行き詰まってしまったのか、ほとほと苦労させられるゲームだった。いや知育ゲームとしては完璧だよ。


徹底した子供への配慮があるのか無いのかわからないのもこのゲームの特徴。HPはかなり低く、少しでもダメージを受けたら死んでしまう。ところが残基という概念もコンティニュー、更にはゲームオーバーという概念も無いので非常にライトな仕上がりとなっているのだが、問題は死亡時の演出。なんどキャラクターが容赦なく首と胴体、下半身がバラバラに分解されてしまう!

レゴフィギュアは確かに下半身と上半身、頭が付け替え可能でこれを活かして様々なカスタマイズができるのが売りでもあるけど、キャラクターゲーム、ひいてはライセンスを借りているゲームとしては思い切り過ぎ。まぁルーカス自体がこういったアレンジを好む人なのでそこまで問題ではなかったんだろうけど、日本のコンテンツだと頭の硬い版元(≠作者)が煩くて発狂して拒絶するだろうなぁ・・・(作者の耳には届かない絶対に)。

ともかく、こういったライトな仕上がりは子供を対象にしていることを前提にしているわけだが、コアな、というよりも熟れたゲーマーからするとやや物足りなく感じてしまう。まぁ目を瞑ろう。


レゴゲームのシリーズ初期は言語があまりないのも特徴的。これはヨーロッパや日本といったゲーム市場に素早く展開するといった狙いもあったのだろうが、もともとが玩具という言葉の壁がない遊びから始まっているため徹底的に説明などの文字や言語の要求を少なくして直感的にプレイできるゲームを作ろうとしたのがうかがえる。ゲーム中のムービーもマンブル(ぶつぶつ、ボソボソ)な喋りでどの国の人が聞いても何を話しているのかわからないようになっている。

そんなムービーも映画のシーンをそのまま再現しているわけではなく、レゴテイストにちょっとクスっと来るような、オイ!と突っ込みたくなるコミカルにアレンジされていて1作目から現在に至るまで継承されている。とはいえこの頃はまだ真面目。

こうしたコミカル路線のムービーは好評となって、2009年には「M2フィルム」制作の『レゴ スター・ウォーズ R2-D2の冒険』(LEGO Star Wars: The Quest for R2-D2)、2010年には『レゴ スター・ウォーズ ボンバッドバウンティ』(LEGO Star Wars: Bombad Bounty)というコメディショートアニメーションがカートゥーン・ネットワークで公開された。






『R2-D2の冒険』は「レゴ スター・ウォーズ」発足から10年を記念して作られたものであったが、下地にはこの『レゴ スター・ウォーズ THE VIDEO GAME』のコミカル路線のムービーがあることを忘れてはならない。余談だが、『レゴ スター・ウォーズ』として最初のアニメは『エピソード3』公開前にカートゥーン・ネットワークで公開された『レゴ スター・ウォーズ ブロックの復習』(LEGO Star Wars: Revenge of the Brick)が最初(2005年5月8日)。これは『エピソード3』の冒頭をレゴテイストでアレンジしたもので、この頃からレゴアニメのアレンジはコミカルだった。なんと制作にはオリジナルスカイウォーカーのマーク・ハミルがディレクターとして参加していて、メイキングにも登場している。






ゲームも単にキャラクターを動かしてブラスターやライトセーバーをブンブン振り回すような単調なものでなく、ビークルや戦闘機にのって縦横無尽に飛び回って敵機を撃墜するといったフライトコンバットシューティングの要素もあるので飽きることなく最後までゲームが進められる。こうしたフライトコンバットシーンでは謎解きもなく敵を爽快にぶっ潰せばいいという単純なものなのでフラストレーションをここで解消できるのは大きい!


さて、この『レゴ スター・ウォーズ THE VIDEO GAME』にはハードによっては重大な違いがあることを言及せねばならない。

それはGBA版だけダース・ベイダー誕生のシーンが最初の予告編をベースに作られていることだ!

どうでもいい?そんなことはない。その前にダース・ベイダー誕生のシーンには予告編と本編で決定的な違いがった。それは最初に公開された「ノスタルジックトレーラー」にある。これは初代オビ=ワン・ケノービことアレック・ギネスが『エピソード4 新たなる希望』でルークにダース・ベイダーや帝国について説明するセリフのバックで『エピソード1』『エピソード2』そして『エピソード3』のシーンがフラッシュバックのように映し出される。その後にダース・ベイダーが貼り付けにされた手術台が徐々に起き上がってくるわけだが、このときの腕の位置が上向き、「W」の形になっている。

実際の映画では腕は下向きになっており、この上向きのシーンは没となった(もしくは予告編用のシーンだった?)わけだが、GBA版はこれを採用している。さらにGBA版では直前のシーンで整合性が取れるようにヘルメット装着前から腕を上向きに固定しているのだ!


なぜこんな予告編マニアにはたまらないサービスシーンを用意していたのか!?ジャンクハンター吉田が当時ルーカスフィルムの副社長だったジム・ウォードから聞いた話によると「既にGBA版がマスターアップされたため仕方なく進んでしまった」と不満にしていたそうな。


この2005年は『エピソード3』公開、当時ジョージ・ルーカスは「最後のスター・ウォーズ映画だ」と全9部作構想をぶった切っての発表をしていたこともあって様々なゲームを展開していた。特にこのレゴゲームに限って話をすると全世界で610万本以上を売上、これはまた後ほど紹介するゲーム『エピソード3 シスの復讐』よりも売り上げていたそうな。


レゴ スター・ウォーズ: ザ・ビデオ・ゲーム


ジャンル: アクション・アドベンチャーゲーム

対応機種: PlayStation2、Xbox、ゲームキューブ、ゲームボーイアドバンス、PC(日本ではPS2、GBA)

開発元: Traveller’s Tales、Griptonite、ルーカスアーツ

発売元: アイドス・インタラクティブ

発売日:2005年7月7日



■『レゴ スター・ウォーズⅡ THE ORIGINAL TRILOGY』(2006年)


翌年2006年にはオリジナル・トリロジーを題材にした『レゴ スター・ウォーズⅡ THE ORIGINAL TRILOGY』がPlayStation2、Xbox、Xbox360、PSP、ゲームキューブ、GBA、Nintendo DSで発売(日本ではPS2、DSのみEAから発売)。

説明するまでもなく『エピソード4 新たなる希望』『エピソード5 帝国の逆襲』『エピソード6 ジェダイの帰還』を題材にしたゲームでシステムも1作目をそのまま踏襲している。日本では翻訳の都合で11月に発売された本作だが、実は海外では「劇場公開版」のDVDのが発売される日と同日に発売されたこともあって、あの好評だったゲームの待望の2作目してマーケティング的には大盛りあがりな状況だった。


基本的にはどのハードも携帯機と据え置き機といったスペックの違いで概ね似たような内容だが、PSP版だけはプリクエル・トリロジーのラストステージが収録されている。これはPSPが当時発売されなかったことと恐らく開発は進んでいたものの結局ボツになったものをこの作品に再収録するという形にしたのではないかと考えられる。


ここで小ネタを挟むと、『エピソード5 帝国の逆襲』ではエグゼキューター級スター・ドレッド、別名スーパー・スター・デストロイヤーにベイダーが旗艦として乗船しているが、子のゲームでは一切出てこない。ムービーで通常のスター・デストロイヤーに乗船していることになっているのだけど、小うるさいツッコミではない。これは当時レゴの商品としてエグゼキューター級が発売されていなかったことが影響しているからこういった形になっているというわけだ。おそらく産業スパイのことを考えての措置かもしれない。


PlayStation ストアリンク


レゴ スター・ウォーズⅡ THE ORIGINAL TRILOGY


ジャンル: アクション・アドベンチャーゲーム

対応機種: PlayStation2、Xbox、Xbox360、PSP、ゲームキューブ、GBA、Nintendo DS(日本ではPS2、DS)

開発元: Traveller’s Tales、

発売元: エレクトロニック・アーツ、ルーカスアーツ

発売日:2006年11月2日




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