『内定辞退』 厳しい現実に向き合い”次に繋げる”アクションプランを解説します
皆さま、こんにちは!ポテンシャライトの阿部です。寒暖差が大きい日々が続いておりますが、皆さまお元気ですか…?
いきなりですが、最近このようなお悩みを伺う機会がありました。
このようなお悩みについて、採用活動が波に乗っている企業さまであれば「内定辞退”数”」でみると、そこまで多いと感じないかもしれません。さらに、直近の応募数が多くなっている企業さまだと多少の内定辞退者は発生しうると考えられている場合もあるかと思います。
では、なぜ今回『内定”辞退”理由を分析し、次に繋げるための対策が重要であるか / 具体的にどうしたら良いのか』についてnoteをまとめているかというと…やはり逃した魚は大きいぞと…🐟💥
『内定まで進んだ方、ある程度現場も採用を希望していた方』の『想定外の離脱』は限りなくゼロに近づけていきたいものと考えています。
これは『1スカウト返信を追いかける』よりも、『1内定辞退を食い止める』方が、採用活動全体におけるインパクトが大きいと感じているためです。(これは採用活動がうまく行っている or いないに関係なく、大きな事由であると捉えています。)
詳細について、先日ポテンシャライト代表の山根が関連するnoteを執筆しておりますのでぜひご覧ください。
今回はできるだけ”次に繋げる”ためのアクションプランの参考になればと思い、noteに事例をまとめています。
では、早速はじめましょう!
0. 前提)内定承諾 or 辞退 を取り巻く現状の整理
本noteにおける主題に入る前に、まずは『どれくらいの内定”辞退”が発生した場合』にアラートとして受け止め、施策を講じるべきなのかについてです。
ポテンシャライトでは、こちらのnoteにて 一般的な数値として内定承諾率水準は 50%程度 を基準とさせていただいております。つまり、2名の求職者さまへ内定をお渡しし、どちらか1名にはご承諾いただけるという状態です。
内定承諾率が50%を下回る、本noteに合わせて記載をすると『内定辞退率が50%を超えた場合』には特に採用活動全体を見直してみて何かしらの改善施策を行う必要があると考えています。
次に、転職活動において、求職者さまが『どのように転職の意思決定をするのか』を整理してみます。
まずは代表的な転職理由について。
このランキングでは、年代・職種を問わず総合的な結果であると理解しております。
これらの”転職理由”は、当社の採用ブランディングのフレームワークである『6P+SCMGODB』でも分類できると考えています。(採用ブランディングでは、企業さまの魅力項目を分類して整理しています。)
※ 詳細はこちらのnoteをぜひご参照ください。
またこれらの分類した項目に対して、さらに詳細を考えてみると、シニア層(例:30代後半以降のある程度該当職種において経験豊富な方)の場合の転職理由は「給与が低い・昇給が見込めない」には当てはまらない可能性が高いのではないでしょうか。
ランキングは一般的な数値として非常に参考になりますが、より正確な転職理由( = 別の企業に勤めることを意思決定をする理由)を把握するためには、職種や年齢(ミドル / シニア層など)にも細分化して整理してみることが重要であると考えています。
再度整理してみると、求職者さまが内定を辞退する場合には、表層的な理由ではなく、一人ひとり異なった状況によって複雑な意思決定をされていることがわかります。
またそれらの理由は、採用企業さまにはストレートに伝えづらいもなのではないでしょうか。
これらの理由から、内定”辞退”の際にはできるだけ丁寧に理由を回収 / 集計し、把握することで採用活動全体の改善につながるのではないかと考えています。
前提部分が長くなってしまいましたが、次項より具体的にどのような設計で内定辞退理由を取り扱い、施策に落とし込んでいくのかをまとめます。
1. 準備)内定”辞退”理由の回収 / 集計方法まとめ
内定辞退が発生した際に、このようなマイナスな面を採用活動へ活かすためには「まず適切に内定辞退理由を把握 / 理解する」ことが重要です。
内定辞退理由を適切に把握 / 理解するためには、前段として「内定辞退理由の適切な回収と集計」が求められます。本項では、具体的な内定辞退理由の分析と施策をまとめる「準備」として、どうすればより求職者さまから「本音ベースの辞退理由」を回収し、「適切に」分析できるかを整理します。
1-1. 内定”辞退”理由の回収方法
内定辞退理由の回収方法は、大きく分けて2つです。
これは多くの企業さまでも既に実施されていらっしゃるのではないでしょうか。また少なからず、求職者さま(担当エージェントさま)から自発的に内定辞退理由をご共有いただける場合もあるかと思います。
重要なポイントとしては、アンケート / ヒアリング、どちらの手法を取ったとしても、求職者さまが「本音」(もしくはそれに近しい)辞退理由を共有してくださるかどうかです。
ただし、採用企業さまにとっては「まずは網羅的に自社がどのような評価を受けているか知りたい」という場合もあるかと思います。
内定辞退理由の回収方法ついてステップに分けて整理しましょう。
まずは「どのような理由で辞退に至ったのかを把握する」そして「在籍企業さまや他社さまと比べてどのような部分で至らなかったのかを把握する」ためのアクションとして整理しています。
<STEP1> アンケートフォームの回収(担当:採用オペレーター)
アンケートフォームの設計について、それぞれの質問項目は回答しやすい選択肢を網羅的に提供できているかどうかがポイントです。
アンケートにおいて「条件面の懸念」とざっくりとした選択肢(もしくはオープンクエスチョン)を与えられるよりも、「条件面の懸念 - 給与 / 休日 / リモートor出社等の働き方」などある程度細分化された選択肢があった方が答えやすくなるのではないでしょうか。
(日頃より忙しいであろう求職者さまにとって「何かしらの回答をゼロから自分で考える」ことは採用チーム側の想像以上に面倒なことなのかもしれません💦)
※ 具体的な内定辞退理由については事項にて記載をします。
<STEP2> メールを用いての詳細ヒアリング(担当:人事 or 採用オペレーター)
こちらはアンケートの回答結果を起点としながら、詳細をさらにお伺いする方法です。
例えば、「条件面の懸念 - 休日部分」といった内定辞退理由があった場合…
- それらの懸念事項は選考タイミングでは不安ではなかったか
- 他社さまではどのような対応があったか
追加で詳細をお伺いすることが可能です。項目を絞ってのメールでのヒアリングであれば、求職者さまからもご回答いただけるケースがあるかと思います。
<STEP3> 電話 or オンライン会議ツールを用いての詳細ヒアリング(担当:現場選考官 or 人事)
アンケートの回答内容を参考に、より詳細な情報を口頭ベースでヒアリングする方法です。求職者さまとの関係性や、応募経路がエージェント経由だった場合は実施が難しい場合もありますが、実施に際して相談の余地はあるかと思います。
例えば、「働き方の懸念 - 業務内容」といった内定辞退理由があった場合…
選考を担当した現場メンバーが実際に詳細な懸念ポイントをヒアリングすることも可能かと思います。(多くの企業さまでは人事 / 採用担当の方が実施されている印象です。)
1-2. 内定”辞退”理由の集計方法
次に、内定辞退理由の「集計方法」についてです。
アンケート / ヒアリング / その他、何かしらの方法で回収した内定辞退理由を「どのように可視化 / 整理するか」という部分の設計をします。
基本的には、ATS等の採用管理に用いるツールへ情報を格納すること、またスプレッドシート等に情報の一部を抽出して管理することも可能かと思います。
ここでの重要なポイントとしては、いつでも振り返りができる環境を整備することです。
数十名単位で内定辞退者が出てしまった、もしくは期間での振り返りタイミングを設けている、など「日常的に内定辞退理由」に触れないことがほとんどかと思います。
そんな時に、内定辞退の”懸念がある”求職者さまが現れた際には「過去、近しいペルソナで内定辞退になった方がいないかどうか」などの確認を可能にするためには、どうしても日常的な集計(記録)が大切です。
内定辞退理由の「回収」に立ち戻りますが、やはり内定辞退が発生した際のオペレーション(内定辞退理由の回収等)についても、「集計」の観点も視野に入れながら設計するようにしましょう。
1-3. 回収 / 集計タイミングでの留意ポイント
これまでに記載した通り、内定辞退理由は項目ごとでざっくりと回収 / 集計することが可能です。
しかし、より具体的な”次に繋げる”アクションプランを設計するためには、辞退理由が企業に対しての「絶対評価」か「相対評価」であるか を確認する必要があります。
例はこちらです。
このように、求職者さまが採用企業さまを「どの視点からみて」意思決定をしているのかを適切に把握できることが具体的なアクションプランの設計において重要です。
また、上記の「絶対 or 相対評価かどうか」に合わせて「定量情報 = 働き方 / 条件面などのprivilege観点」はより正確な情報を回収できると良いです。
これは、今後の採用活動に留まらず企業さま全体での「給与水準の改訂」といったアクションにつながる可能性もあり、なかなか市場から情報を回収しにくい部分でもあります。実際に他社さまの選考で結果を残している方からヒアリングできることが一番ホットな情報であるため、多くをお伺いできると有効だと考えております。
2. 具体例)内定辞退理由一覧
前提として、日頃より複数企業さまの採用活動のご支援をさせていただく中で、内定”辞退”理由は複数の理由が複雑に絡まっているのではと感じています。
など、代表的な理由を回収 / 集計することは割と容易かと思います。しかし内定を”辞退”するからには求職者さまも「いろいろ検討した上で」のアクションであるこには違いありません。
本項では、一般的に伺う内定”辞退”理由をまとめました。
筆者がこれらをまとめていての気づきとしては、年収や働き方などの条件面に偏るのではなく「職種ごと」また、ジュニア / シニアといった「レイヤーごと」の辞退理由に傾向があるのではという部分です。
冒頭で記載した「6P+SCMGODB」の項目に合わせて整理してみます。
2-1. 共通理由
2-2. 条件面事例
2-3. 職種別事例
こちらの表を「棲み分け」 = 採用活動において同一か、条件面によって異なる部分か、もしくはポジション(職種)によって異なるかどうかを軸に整理した内容が以下です。併せてご確認ください。
2-4. レイヤー別事例
様々な採用企業さまをご支援させていただく中で、よりクリアに感じるようになったのが「ジュニアレイヤー(メンバークラス)」と「シニアレイヤー(マネージャークラス)」では転職軸が全く異なるという部分です。
もちろん「何に魅力を感じるか」についても変化するのだと考えており、そちらについてもnoteにまとめております。
特に「年齢」という区分は一つのわかりやすい事例かと思いますのでぜひご覧ください。
3. アクションプラン解説)施策まとめ
本noteではここまで、どのように詳細な内定辞退理由を回収、集計するかについてまとめました。ここからはまとめとして「どうやって次に繋げるか」= 採用活動を改善させるかの施策を整理します。
大きく分けると2つのポイントがあります。
3-1. ターゲットインサイト深堀り
採用ターゲット = 求職者さまが「どのように採用企業さまのことを理解したか、情報を受け取ったか」が内定辞退理由の回収により明らかになったかと思います。
例えば、業務内容に魅力を感じなかった。もう一段掘り下げると、現職とあまり行っている業務内容が変わらないため、今後の業務に面白みが感じられなかった、などです。
これは求職者さまが「次の転職先では、今までの経験を活かしながらも新しいことにも挑戦してみたい」と実は考えられていた、と分析することができます。
このように、求職者さまごとに実は何を感じていたかという「深層的な欲求」に対して、採用企業さま側が「適切な情報提供と惹きつけができたか」が問われます。
こちらのnoteでは採用メッセージング(魅力)を追求した結果インサイトマトリックスを紐解いていますが、逆説的な求職者のインサイトを深堀り / 想定して施策を講じることも可能かと思います。
ぜひ詳細を参照いただきたいです!
3-2. インサイトに応じた施策設計
求職者さま毎に転職で叶えたい希望 / 解消したい不満は異なります。ですがインサイトを整理していくことである程度「何を希望していて、採用企業さまではどういった魅力を訴求できるか」がわかってくると思います。
改めて、採用ブランディング等で「自社の魅力を発掘 / 言語化 / 整理」することは重要です。
(ターゲットに合わせた魅力の整理、という観点ではこちらのnoteがより詳細に記載があります、ぜひご覧ください)
内定辞退理由から読み取った求職者さまのインサイトに対して、具体的な事例としてはどのような改善方法があるのか。
こちらについては、選考フェーズ毎にアクションをまとめました。インサイトに刺すようなアクションを「選考のどのタイミングで」メッセージング(魅力訴求)するか参考になれば幸いです。
特に求職者さまと『直接の接点』がある以下のフローでまとめます。
採用企業さま側が伝えたいこと、求職者さまが選考体験から受け取ったことが微妙にズレてしまっていることもありますので確認できると良いです。
「解釈」についてもnoteにてまとめております。ぜひご覧ください。
(もし組織的観点でも気になった!という方はこちらもぜひ✨)
4. 最後に
いかがでしたでしょうか。
今回は、『なぜ、内定”辞退”理由の分析を行う必要があるのか』という問いを紐解きながら、採用活動全体の改善方法について整理しました。
改めてですが、『内定まで進んだ方、ある程度現場も採用を希望していた方』の『想定外の離脱』は限りなくゼロに近づけていきたい…!と本note
を読んで感じられた方がいらっしゃるととても嬉しく思います。
『1内定辞退を食い止める』ことについて、採用活動全体におけるインパクトが大きいと感じていただけたら幸いです。
※ 少々noteが長くなってしまったので後日また更新できればな、とも思っています。
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