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2024/12/03_#805_臨床現場に出る薬剤師は社会病理の理解が必要

病院薬剤師→医療マーケティング→メディカルコールセンターへ転職しました。

中村淳彦さんと平川理恵さんの対談放送を聞いて考えたことを書きます。

今回の対談では、パパ活などの親子関係から、教育の話をしていました。
色々と発見がある放送でした。
平川理恵さんは民間から教育長として、教育の改革をされていた経緯があります。

教育現場も、権力を持っている側を気軽に叩いてもいいみたいな風潮があって、だいぶ疲弊しているのだなと感じました。

平川理恵さんもだいぶご苦労されているのだなと放送を聞いて感じました。

今回の放送で気になったのは、教師は世間知らずな部分があることです。
教育学部に入学して、実習に出て、卒後、教師として勤務するのが一般的だと思います。そうすると、どうしても社会に関わる側面がないまま、教育現場という戦場に駆り出されることになります。

教育現場で対面するのは、社会で働いている親であったり、その子どもです。
教師は、子どもの成長を促進することを目的としています。その協力者として親がいますが、親が社会経験のある方が多いので、学校という閉鎖空間で仕事をしている教師とはミスマッチというか認識に齟齬が生じやすいと感じます。

自分も病院薬剤師として働いてきましたが、薬剤師も世間知らずな部分があると感じています。
薬剤師も基本的に、薬学部を卒業し、国家試験合格して、入職します。
実習を2.5ヶ月程度行いますが、病院、調剤薬局という閉鎖空間で行うので、どうしても社会に関わる側面が、一般の方より狭くなります。

薬学部では、どういった原理で薬が効くのか、どういったことで病気になるのかなど専門的なことを学びますが、港区女子とは何か、頂き女子とは何かなどの社会病理については学びません。
そのため、患者さんの背景を深く洞察することはできないです。
最近はコミュニケーション系の講義、授業が増えてきてはいます。
それはそれで良いのですが、コミュニケーションを図る前の、相手の前提条件を推察するには社会病理の理解が必要だと感じています。

自分は、中村淳彦さんのvoicyなどを聞くことにより、社会病理について理解が深まりました。
社会病理に理解があると、相手側の心理を読みやすくなります。

薬学部で専門性を高めることも重要ですが、大学で専門性を高めることには限界があります。基礎研究などで専門性を高めたいのであれば、問題はないと思います。
ただ、臨床に近い分野の研究では、大学の講義だけで専門性を高めることは難しいです。臨床現場に立って、経験することで得られると感じています。

そのため、薬学部では専門性を高めるというよりは、基礎的な部分に抑え、浮いた時間を社会病理への理解に努めてはどうかと思います。

社会病理に理解を持つことで、自分を守ることにもつながります。最近では、権力者を激しく叩いてもいいような風潮があります。
患者側からしたら医療従事者も権力者に映ります。激しく叩かれることも今後も大いにあると思ったほうがいいです。
激しく叩かれて、疲弊して辞めて、人的資源を消耗するのは避けたいと思います。
薬剤師も今後、教師のように叩かれて、自由に働くことを制限されないか心配です。

社会病理の理解の方法ですが、以前どこかの医学部の研究室が、研究の一環で、研究室所属の学生に、立ちんぼをしている女子に汗ふきシートを配り話を聞くようなことがありました。それでは全くの無駄ですし、社会病理の理解に繋がりません。

なぜ立ちんぼをしているのかを考えることが重要だと思います。
そういったことを考えることで、自分の生活に見えていない層がいることを認識できます。

専門性を高めることも確かに重要だと思いますが、臨床現場に出るのであれば、このような社会病理の学びも必要だと感じました。

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