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躁鬱悪化で増えた口論

夫と意見の食い違いや不満などがあるときは、絶対に話し合いをする。

そして我が家の話し合いは、正論のぶつけ合いスタイルである。


メンタルと話し合いスタイルの変化

夫と意見の食い違いや不満があるときにきっちり話し合いをするというのは、交際を始めてから今まで変わらない。

しかし、ちょっとした(くだらないような)内容での意見の相違すら喧嘩寸前のような空気になるのは、夫曰く、わたしに鬱状態による記憶障害や理解力低下が起こり始めてかららしい。


夫に言われるまでは全く自覚がなかったので、ショックだった。

わたしとしては、むしろ「ふたりとも、怒っているわけではないのに、相手に冷たく聞こえる話し方をしがちだよね」「話し方や伝え方をお互いに気をつけて治すべきだね」と、双方の問題とさえ思っていたところなのだ。

夫に「最近怒りっぽい」と指摘をされた時点では、心療内科は一ヶ月待ちで受診前の段階。
自分が躁鬱ともまだ知らなかった。


怒りっぽくなった原因

なぜ怒りっぽくなったのかを分解して考えてみると、思い当たる原因は2つあった。

①理解力が低下している事実すら忘れてしまう
理解力が低下しているのに、そのことすら忘れてしまうため、相手の意見を読み誤って瞬発的に反論してしまう。
そのうえ、「そうじゃなくて~」と説明されても、記憶力まで低下しているため、相手が一貫性のない主張をしているように感じてしまっていた。

②精神的に余裕がなかった
仕事で理解力の低下を指摘されて以来、仕事中は常に「理解力が低下しているらしいのに、誰かに指摘されるまで自覚できない」というストレスにさらされていた。チームメイトと会話するときはいつも、「自分がなにか破綻したことを言っていないか」とびくびくしていた。
そのため、家庭内でも「自分に理解ができない」「自分と意見が異なる」という事象に拒絶反応が出ていたように思う。
普段なら多少意見が違っても「ま、どうでもいいか」と思えていたような取るに足らない話題にまで、過剰反応してしまっていた。


一番恐ろしいのは、「自分はいつも論理的に物事を考えている」という自負があったことだ。
もっと言えば、「自分は絶対に正しい」と思って、相手を説き伏せる勢いで噛みついていた。


直近で起こったこと

わたしは今怒りっぽい状態らしい。だから無駄な喧嘩をしないように気をつけよう。

でも今は、そんな心がけさえポロッと忘れてしまうくらいの鳥頭である。


概要

我が家はいつも一緒にお風呂に入る。
基本的にはその日あった出来事をまったりと話すけれど、最近は口論みたいになりがちなのも事実。

その日は議論がヒートアップしたが、話もひと段落ついたので、(体調面で)のぼせる直前にお風呂をあがった。
すると、夫がお風呂の中から話しかけてくる。

「話変わるけどさ、しっぽ(筆者)もそういう(前の話題みたいな)ときがあるよね」

「え、全然心当たりない。わたし、ある? なにか具体的なエピソード教えて」

しかし夫はなんだか言葉を濁す。「議論がしたいんじゃなくてさあ」なんて言う。
だけどわたしは納得がいかないから、「なんで? なにが?」を繰り返す。

再度、口論のようになってしまった。


認識相違

結局夫は、お風呂から上がった後に、わたしの疑問すべてに答えてくれた。

「話変わるけどさ、しっぽ(筆者)もそういう(前の話題みたいな)ときがあるよね」
この言葉の受け取り方から、わたしは色々と間違っていたらしい。


大元の話題が「Aさんに、最近Xという傾向がある」という話だったとしよう。
夫と会話を進める中で、「Xの具体的な事象Y」について、意見の食い違いが出て議論になった。
事象Yについての意見の食い違いが解決したところで、わたしはお風呂から出る。


相違①

「話変わるけど」と言いつつ前の話題を引きずっていたので、わたしは「Yの意見の食い違いは解決した。ところで、しっぽにもYという傾向があるよね」という意味だと思っていた。
Yという事象を軸に、主語がAさんから自分に変わったという認識だ。

しかし、夫は「しっぽにもXという傾向がある」と言いたかったらしい。

現在わたしは、こういった指示語の対象をしょっちゅう見誤る。
上記だけでは「夫の伝え方にも問題がある」と感じる方がいらっしゃるかもしれないが、以前は正常に読み取れていたのに直近はミスばかりなので、わたしの理解力低下が原因なのだろう。

夫は「あの時の指示語の対象はXについてで、さらにその後の会話の件はZについてで…」と、指示語を一切使わずに言いなおしてくれた。


相違②

夫は、お風呂をあがって身体を拭いたりスキンケアをしているわたしに、お風呂の中から「話変わるけどさ、」と声をかけてきた。

事象Yについての話がひと段落したのに、わざわざお風呂のドア越しに会話をするほどだ。
そうしてまで言いたいことや議論したいことがあるのかなと思って聞いていた。
だから、自分の意見と食い違うなと思ったらすかさず「わたしはこう思うんだけど」を伝えてしまった。

ところが、夫の問いかけは、軽く受け流してよいものだったらしい。
同意できなければ「え~、そんなことないよ~」で終わらせてよかったのだそうだ。


…いや、それはさすがに難易度高くない?
前の話題を引きずっている時点で、突然受け流しモードにする判断なんて、躁鬱じゃなくても無理な気がする。


夫の真意

夫は、ただわたしと会話を続けたかっただけで、話題はなんでもよかったらしい。
え、なにそれ可愛い。

事象Yについて話したピリピリムードのままわたしがお風呂を出たから、和やかな空気に戻したかったようだ。

加えて、会話のキャッチボールを途切れさせたくなかったから、前の話題も少し引き合いに出して話しかけたとか。


…いやいやいや。

夫婦の会話ってDJじゃないんだからさ!
前後の会話をマッシュアップする必要ないんだって!
前の話題はブツっと切って、次の話題をカットインで入れていいんだよ。


今後はこうしましょう

ピリピリした空気を戻したくて投げかけた会話で、わたしがまた突き刺すような返事をしてしまった、ということがわかった。

でも今のわたしは、上手に長い会話をすることが難しい。
指示語を出されれば認識相違を起こすし。
訂正されても前の会話を覚えていないから、一から全部説明してもらわないといけないし。
真剣な話題なのか、ただ軽口をたたきたいだけなのかも、少なくとも今のわたしには判断できないし。


「話したいという気持ちは嬉しいけれど、夫のその会話の繋ぎ方は悪手じゃない? 正しく汲み取るの難しいよ」と夫に伝えてみた。

しかし夫は、「そっかぁ…。でもそのままの空気だと嫌なんだけどな」と腑に落ちない様子。

でも、解決策はちゃんとあるんだよね。

「前の会話でピリピリした空気を穏やかムードに戻したいんだよね? とっておきの裏技があるよ。ほら」と、夫を抱きしめた。

和やかな雰囲気に戻したいときはハグ。
これが我が家の新常識となりました。


それはさておき。

夫としては、「意見の食い違いが出たときに、指示語なしで毎回丁寧に、一から話さないといけないのはかなり大変」とのこと。

そこで、「本当にしっかり話して認識を揃えるべき話題」のときは、お風呂では話さずに、LINEで話すか、直接話しつつ議事録を取ってみることにした。

指示語が示すものを読み誤るのは、おそらく記憶力低下が一番の原因。
いつでも読み返せる"文字"に起こすことで、指示語もある程度読み取れるようになるだろう。


また、そもそもわたしが怒りっぽくて、些細な認識違いでも喧嘩をふっかけてしまうことについては、夫に協力をお願いした。
わたしは、どうしても「怒りっぽい時期」ということを忘れてしまう。
また、実際には怒っていなくても、怒っているように聞こえる口調が癖になっている。

そのため、言い方がキツいときはすかさず「言い方!!」と指摘してもらうことにした。「UNO!」とか「ロン!」くらいすかさず言ってほしい。
記憶力が低い状態でも、何度もこれを繰り返せば、段々自分でも気づけるようになり、いつかは治せるだろうという算段だ。


今は、夫を疲れさせてしまうことが多い。
丁寧に言葉を尽くして説明してくれても、「ごめん。余計に混乱してきたから今は多分理解するの難しい」と伝えてしまうこともある。

それでも、躊躇わずに歩み寄ってくれる夫には感謝が尽きない。

そんな夫に報いることができるよう、わたしもできる限りの努力をしていきたい。

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