【クロストーク】背景イラストチームのリアル クリエイターが語る魅力と挑戦
f4samuraiでは各職種で中途採用を行っています。
今回は背景イラストチームにクローズアップし話を聞きました。
イラスト部の部長・Sasakiさん、背景イラストチームのリーダー・Azumiさん、背景イラストレーター・Watanabeさん、3人のクロストークをお届けします。
自己紹介
—それぞれ自己紹介をお願いします。
Sasaki
イラスト部の部長をしているSasakiです。よろしくお願いします。
創業1年目、社員が7人くらいの頃から、14年間くらいf4samuraiで働いています。今では従業員が200人程度になったので、人がめちゃめちゃ増えたなあと思っています。
Azumi
背景イラストチーム リーダーのAzumiです。2020年入社です。
前職以前もずっと背景を描いてきました。f4samuraiではIP(版権)タイトルで背景イラストの制作・ディレクションや仕上げを担当しています。
Watanabe
2024年1月入社、背景イラストレーターのWatanabeです。入社して約1年になります。
大学卒業後、アニメ制作会社に入社し、アニメの原画を描きつつ、背景美術も少し経験しました。
その後、ゲーム業界に転職し、背景イラスト、キャラクターイラストの仕事を経て、f4samuraiに背景イラストレーターとして入社しました。よろしくお願いします。
中途入社後に感じた、良い意味でのギャップ
Sasaki
この中だとWatanabeさんが一番新しいメンバーだよね。入社して実際どうだった?入社前と入社後のギャップとか。
Watanabe
ホームページと募集要項を見た時点では、職人肌な人が多くて、みんなバリバリ働いているんだろうな……というイメージでした。
Sasaki
そんなにストイックに見えてたの?(笑)
Watanabe
はい。ですが実際に入ってみると、「すごく忙しくて、いつも余裕がない!」という感じではなくて安心しましたね。もちろん忙しい時期はありますが、精神的に辛くはならないです。周りの人がいろいろとサポートしてくれるのが大きいと思います。
あとは、キャラクターイラスト・カードイラストを制作しているキャラクターイラストチームと、我々背景イラストチームが、お互いにコミュニケーションを取り合いながら仕事を進めていくのがとても好きです。
イラスト制作現場では、背景は背景、キャラクターはキャラクターで進めるというスタイルが多い印象だったので、構図や画面の見せ方などについて密にコミュニケーションを取っているのが新鮮に感じました。
—キャラクターイラストチームと背景イラストチームの間ではどんな会話が飛び交うんですか?
Azumi
イラストを制作する際は、まず「そのイラストで何をしたいのか」というのを決めます。キャラクターが入っているのであれば、キャラクターを一番目立たせなければいけない。そのキャラクターをどのような演出で目立たせて、画面全体としてどのような雰囲気に持っていきたいのか、という目標を立てるんです。
背景は、画面の一番多い面積を担当することになりますが、メインになってはいけないので、キャラクターを引き立てるためにも引くところは引きます。それでいて、背景の中にも光るところ・リッチに見せるところを置く必要があるため、それをどこに持ってくるのか、などを話し合います。
—Sasakiさんは両チームを束ねる部長という立場ですが、意識してそのようなコミュニケーションを推奨してきたのでしょうか。
Sasaki
いえ、僕が働きかけたことは全然ないですね(笑)。メンバーやリーダーの皆さんが、協業先とも相談しながら自然とやってくれていて……今もAzumiさんの話を聞きながら「そうなんだ〜」と思っていました。
Azumi
実際の工程的にも、そういう進め方をしないと成立しないというのもあります。まずキャラクターを描いて、その次にそのキャラクターイラストに合わせた背景を描いていく……という進め方だったらイメージを共有しやすいかもしれませんが、実際の制作現場ではキャラクターイラストと背景イラストが同時並行でつくられます。
すり合わせずに描き進めるのは大変危険なので、完成形のイメージをしっかり共有してからお互い着手するようにしているという感じですね。
Sasaki
確かに、話し合って意思統一してから描いたつもりでも、いざ組み合わせたらしっくりこない……なんてこともあるくらいだからね。コミュニケーションは密にとっておいて損はないよね。
でもそうやって、チームとしてより良いアウトプットを出せるよう、みんなが自分で考えて動いてくれているのは本当にありがたいことだと思っています。僕自身、「ああしろ」「こうしろ」と細かく指示するようなトップダウンは嫌なので。
タイトルの開発初期は基本的に僕も現場に入るようにしていますが、その後バトンを渡せるメンバーもどんどん育ってくれていて、とても心強いです。
「みんな真面目」チームの雰囲気、裁量の大きさ
—背景イラストチームはどんな雰囲気のチームですか?
一同
真面目です!
Watanabe
締め切りが近い時や業務が立て込んでいる時期でも、殺伐とした雰囲気になることはないですね。個人的には、前職と比べて休みが取りやすいのもありがたいと思ってます。
皆さん真面目で、時間も納期もしっかり守られている印象ですが……朝が弱い人がちょこちょこいる、くらいでしょうか(笑)。
Sasaki
そうですね……僕とかね(苦笑)。
もちろん遅刻はよくないけど、とにかくメンバーにはいいイラストを描くことに注力してほしいから、あまりガチガチに管理しすぎないようにはしています。心に余裕が持てないとアウトプットの質も落ちるしね。
—f4samuraiは社員数が約200名で、そのうち背景イラストチームは5名ということで、少数精鋭ならではの良さはありますか。
Watanabe
他社と比較して人数が少ない分、いろいろなことを経験させてもらえるというのは大きいと思います。
僕は、原案キャラクターをデザインされた社外の方との会議に同席させていただいたことがあるんです。中途1年目の平社員なのに。
普通の会社だったら、もっとキャリアが長い人が担当するのではないか? と思うようなこともやらせてもらえるのが、人数が少ないことの利点だと思います。
—大所帯だとできなかったかもしれないことが経験できるんですね。
Watanabe
そうですね。チャンスは多いです。あとは、自分の裁量で「この案件はこういうスタイルで描きたい」といったことが言いやすい環境だと思います。
案件にもよりますが、社内でガッツリ作る場合は、自分で背景を考えて描けます。「これがダメ、あれがダメ」と言われることもあまりないですし、自分のやってみたいスタイルでできるのはいいのかもしれないです。手を動かすだけではなく、自分の考えたことやアイデアが仕事に反映されるのが嬉しいです。
やはり人数が少ないと一人の存在が大きくなってくるので、「上司やリーダーからの指示をもとに作業だけをしているわけにはいかない」という意識は持っています。自分で考えて、動いて、描ける人になりたいです。まだまだ修行中の身ですが、頑張っています。
Azumi・Sasaki
えらい。
Sasaki
若手の方は、イラストレーターとして会社に入ってしばらくは人物は描かずに手伝いから入るケースも多いと聞いたこともありますが、、f4samuraiでは歴の浅い人にもガンガン任せています。
Watanabe
僕はf4samuraiに中途入社して2日目に「このカードの背景描いてみない?」と言われたんですね。その時は「さすがに早すぎない? どういうこと?」と戸惑いましたが、「あ、3日後くらいの方がいい?」と聞かれて(笑)。それで、早々に取引先との大きなプロジェクトに関わることになったりして、逆に怖かったです……。
裁量を持たせてもらって、責任が重い業務をいきなり担当することになって、緊張はしましたけど、成長もできたと思います。
Sasaki
と言っているので、今後もそういうスタイルを継続していこうと思いました。
社内の他職種や、原作IP監修サイドとの関わりかた
—イラストレーター以外の職種の方々との関わりはいかがですか。
Sasaki
プランナーにはよく監修提出前の壁打ち相手になってもらっています。フランクにアイデアを出し合ったり、相談をしたりできる間柄なので、ありがたいです。
Azumi
お互いの席を行き来して、気軽に口頭コミュニケ-ションをとっていますよね。
Sasaki
f4samuraiの企画職はとてもいい人が多く、クリエイターをリスペクトしてくれていると感じます。「2時間ぐらいで直せますか?」「え?」みたいな会話もしたことがないので、ストレスフリーですね(笑)。
—素敵ですね。社外の方とはどのような関係性でしょうか。
Azumi
監修の方へのイラスト提出日は、僕はいまだに「良いものを作れているのか?」と緊張しています。
Sasaki
そうなの?
「監修」というと堅苦しいもののように聞こえるかもしれないですが、パブリッシャーの方々とは「一緒にいいものをつくろう」という姿勢で協力しています。高度な要求をされることもありますが、皆で力を合わせて対応しています。
Azumi
「同じ方向へ向かうチーム」という感じの認識ではあるのですが、やはり自分たちが作ったものに対してフィードバックを受けることになるので、緊張感がどうしても……(苦笑)。
でも、例えばこちらから「ではこうするのはいかがでしょう」などと相談して、先方との議論を通じてどんどんアイデアを出し合いながら進められるのは、大変ありがたいです。
Sasaki
クリエイター同士だし、知見をいただくことも多いよね。
僕らも、ただオーダーに応えるだけではなく、こちらから提案して、期待を超えるようなアウトプットを出せるように心がけています。
イラストが完成した時に「すごく良いイラストが出来ましたね!」と言っていただけた時は、やっぱり嬉しいですよね。なので、より良いものをつくるための提案はたくさんしています。
IPを一緒に盛り上げていくことができるのは、とてもうれしいです。
チームでイラストを完成させる難しさ
—大変なことや、難しく感じることはありますか?
Azumi
工程の後のほうで修正や調整が発生したときは、大変といえば大変かもしれないです。
f4samuraiのイラストチームでは、イラストのコンセプトを設計する人・構図を考えてラフを起こす人・色を塗る人・背景を描く人がそれぞれ分かれているので、直しの影響範囲が広ければ広いほど、工程の巻き戻しが発生して工数がかかる傾向があります。
たとえば、最初に構図を決めて描き進めていたけど、色を塗り始めた段階で構図が少し変更になって、そうなると光の当たり方(ライティング)が変わって……というように、各担当が共通で目指していたゴール自体が変更になってしまうといいますか。
そういう時にもきちんと目指す方向をチームで共有して、イラストを完成までもっていくことには、今でも難しさを感じますね。
Sasaki
確かにそうだね。もちろん、完成形のイメージを議論して、チームで共有して走り出すんですけど、いざ進めてみると「コンセプトをより強く表現するためには、こう変更したほうがいい」となるケースはどうしても発生します。
絶対的な正解がない中、それぞれがより良いものを作るために思考を凝らして制作に取り組んでいるので、進め方も常に試行錯誤しながらやっています。
テイストを合わせ、違和感のない背景を描くために
―チームとして、どんな方と働きたいかを教えてください。
Azumi
第一は、タイトルの世界観に、イラストの印象やテイストを合わせられる方だと思います。あとは、フィードバックの意図を理解して正確に反映できる方、基礎的な知識や向上心・好奇心がある方だと嬉しいですね。
背景でもキャラクターでも、元となるイラストを見たら「このタイトルでこのシーンを描くとしたら、こうなるかな」と想像する力が必要だなと思っていて。海を描いた後に同じタイトルの背景で山を描くことになったら、こういう感じかな、とか。そういうパッと見の印象を合わせることが得意な方にジョインいただけると心強いなと思います。
あと、個人的に背景イラストレーターにとって重要なスキルだと思っているのが「構造の違和感に気が付くことができる」ということです。
建物や道路、地形など、現実に存在しているものを描くことが多い背景イラストでは、構造的に破綻していないということがとても重要です。
「あれ、この信号と横断歩道じゃ渡れないんじゃない?」、「この駐車場の線だと、駐車できないんじゃない?」、「この窓の角度で、朝日がこう入るの?」とか。
街の風景とかって、皆さんふわっとは覚えていると思うんですけど、実際描いてみると構造がわからなかったりするんですよね。だから、「この扉の構造だと開かない」みたいなことは、意外とあるんですよ。
ファンタジーだとしても、ユーザーに違和感を与えないか、構造として成立しているかをしっかり考えて制作するようにしています。
特にアニメの背景美術制作を経験された方々には、「構造の筋が通るように」と指導を受けてきた方が多いのではないかと思います。
―そうなると、さまざまなことへの興味関心が必要になりそうですね。
Azumi
そうですね。それが先ほど触れた好奇心の重要性にも繋がります。物や建物の構造にアンテナがあって、裏付けや根拠付けができると強いと思います。
Sasaki
すごく博識である必要はないんですが、イラストに現実味を持たせるために必要な知識をインプットできる方は心強いですよね。
Azumi
背景イラストにおける画力って、単にイラストを描く能力というより、いろんなことを考慮した上で良い背景を生み出す力だと思っています。
ポートフォリオを拝見するときは、デッサンに狂いがないか、全体的に違和感のないバランスになっているかを気にしています。
Watanabe
僕も引き続きインプットを頑張らないと、と思いました。
Sasaki
求める人物像でいうと、あとはコミュニケーション面でしょうか。もちろん一番大事なのは、クオリティの高いイラストが制作できることですが、やはりゲームはチームで作るものなので、コミュニケーションに強みがある方だと活躍の場は広がると思います。
社内・社外含むさまざまな人達と議論し合いながら、いいイラストを生み出していくことが楽しめるとか。色んな人に積極的にフィードバックをもらって、自分の実力をどんどん伸ばしていけるとか。チームとしてのアウトプットを最大化させるため、より良い進め方や方法を提案できるとか。
個人のアウトプットが大切なのは前提として、そうやってチームや組織全体に対して貢献いただける方も歓迎しています。ベテランの方であれば、若手メンバーの育成に前向きな方だと嬉しいですね。
もちろん、色んな志向性の人がいるので、職人肌でひたすらに絵と向き合うタイプの方も活躍しています。
今後の目標
—それでは最後に、今後の目標をお願いします。
Sasaki
組織長として育成面の話になりますが、エンタメコンテンツを作ることに情熱を燃やせる方を育てて、その姿勢が後進に伝わっていくようにしたいと思っています。
f4samuraiは200人程の会社で、大手企業とは異なり、少数精鋭にならざるを得ないです。だからこそ、それぞれのメンバーに裁量を持ってもらい、やりがいを持って自分から「こういうのをやってみたいです」と主張して、挑戦を重ねて成長し、後輩にもそれを伝えていく。そういった育成の流れを作っていきたいですね。
採用に関しても考えていることは一緒で、同じような気持ちを持った方に入ってきてほしいなと思います。古いものに固執する必要もないし、新しいものだけを取り入れる必要もない。エンタメを作る会社ですので、「いい作品を作りたい」「その姿勢や気持ちを周りにも広めたい」と思っている人が集まってほしいと思っています。
Watanabe
僕はさらに画力をあげていくのが第一ですが、ゲームの仕様を理解して、3Dもできるようになりたいです。
とりあえず、Azumiさんに頼っていただけるように、頑張ります。
Azumi
今でも頼っているけど(笑)。
僕は背景イラストレーターチームの仲間を増やして、働きやすいチームを作っていくのが目標です。
また、基本をおさえるのはもちろんのことですが、作品にあった新しいデザインやテイストの提案ができるようにしていきたいですね。カードイラストの背景だけでなく、会話シーンで立ち絵のキャラの後ろの背景やクエスト背景などの制作が得意な方ともお会いできたら嬉しいです。
―ありがとうございました!
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