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春立つ日、お守りを買いに。

今年の立春は2月3日。
出足の遅い寒波が来ていて、朝ベッドから出るのもやっとだけど、暦の上では春だ。

この日、癌封じで有名だという神社にお参りに行ってきた。
JR新橋駅のほど近くにある烏森神社。

駅の「烏森口」の由来はこの神社かな?などと呑気に考えていたら、見事に道を間違えた。
験担ぎに来て道迷いなんて間が抜けていること上ないが、無事にたどり着けたので、拝殿で手を合わせ、お守りも買ってきた。

烏森神社 癌封じ御守

高度異形成とはいえ、まだ病変の程度は分からない。癌にまで至っていないかもしれない。
願掛け参りなんて、大袈裟だなぁ。

そう思いながらも、祈る気持ちは止まなかった。

大袈裟な杞憂であってほしい。
オーバーなドタバタ劇で終わればいい。

痛いのも、苦しいのも、怖いのも、もうたくさんだ。

わたしは今、これまでの人生のうちでもっとも健康的な暮らしをしている。
食事はやや質素ながら三食欠かさず食べていて、寒さで運動はサボり気味ではあるけど、規則正しく穏やかに暮らしている。
だからこそ、腹の中にできた病変に対して、今から自分の手でできることは、ほとんど何もない。
神頼みくらいしかないのだ。
こんな口惜しいことあるだろうか。
口惜しくて、そして怖くてしょうがない。
でも、怖くてすくんでしまうのは、それもまた腹が立つ。

HPVめ。
わたしにだって都合があるのだ。
ひとの腹にのさばってグチャグチャにしやがって。
ふざけんなよ、この野郎。

そんなウィルス野郎のためにすくみ上がってしまうのはシャクなので、買ったばかりのお守りをバッグに提げて、変わりなく日々を送っている。

ありがたいことに、アルバイト先では調理の補助も任されるしようになったし、同僚達ともつつがなくやっている。
ひとりではとても太刀打ちできない問題を抱える時でも、決まった手順を踏めば確実に終わる仕事の存在というのは、こんなにも心を落ち着かせてくれるのか。

わたしはごくごく平凡で弱い人間なので、友人との会話や好きな本ややるべき仕事といったもの達に、守られていたい。
つらいことからはできるだけ逃れたいし、やりたいことのためにこそ、意力を尽くしたい。
そのためには神頼みだってする。

わたしには、やりたいことがたくさんある。
これ以上、立ちすくんで動けなくなってなんて、いられないのだ。


今日はこれだけ。
では、また。


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