速くすることの鍵は、速さ以外にある
最近、私が読んでいる「書く仕事がしたい」という本の中で、こんな一文がありました。
「『速い』って執筆速度の問題じゃない」
著者の佐藤友美さんが、新人ライターのときに気づいたことです。この気づきを得る前は、速く記事を書くための方法を考えていました。そんなときに、たとえ速くかけた記事でも、手直しの多い内容であれば、書き直しに時間がかかり、結局遅くなる経験をしていました。その経験によって、編集者とゴールを共有し、手直しの回数を少なくすることが、速く記事を書くことにつながると結論づけていました。
この一文を読んでから、私の経験を振り返り、行動を速くするだけが方法ではないということがいくつかありましたので、書いていきます。
まず私がやっていたラグビーで一つあげます。スクラムハーフというポジションをしていました。このポジションの役割は、味方にパスを出して、攻撃の起点となることです。ここで、スクラムハーフの役割を知っていただくために、少しラグビーを説明します。ラグビーは、ボールを持ってトライを取りに行くアタック側と、タックルをしてボールを奪うディフェンス側に分かれます。アタック側は、タックルを受けても体を張ってボールを守ります。ボールを守ることができれば、アタックは継続できます。ですので、より効果的な攻撃をするためには、スクラムハーフがいちはやく味方のもとへ走り、パスを出すことが必要になります。
ここで問われる「速さ」は、ボールのある位置まで行く速さのことです。そしてこの「速さ」を追求するためには、足を速くすることでも、走りだしを速くすることでもありません。(とはいっても、両者とも大事です。)味方がタックルされると思われる位置を予測し、最短距離を走ることです。走る距離を縮めることで速くすることができます。
続いて、電気工事の作業で一つあげます。電気工事では、施工管理者が職人に指示を出し作業を行います。指示をする際には、図面を用いて作業をします。しかし、図面通りに作業ができない場合があります。それは、他の職人(ダクト、空調、配管)の作業に干渉してしまうことがあるからです。作業が終わってから、干渉してしまったことが分かった場合、他の職人の作業に支障が出ないように施工し直さなければなりません。
ここで問われる「速さ」は、やり直しの作業を減らすことで、言われたことを速くやることではありません。現場で他の職人とコミュニケーションを取り、その情報を施工管理者と共有して、施工直しを少なくすることが重要になります。施工管理者と職人で、相談ができる人間関係を築いていることで速くすることができます。
最後に、市役所に申請する場合をあげます。市役所への申請等は、速く終わらせたいという気持ちが先行しがちです。私も市役所に着いてから、忘れものに気づき取りに帰るという経験を何度かしました。
ここで問われる「速さ」は、必要な物を揃え、それらを提出し、一回の訪問で終わらせることです。揃える段階では、市役所に電話で提出物を確認することで確実性が出ます。向かう前に荷物をしっかり確認し、忘れ物を防ぐことで申請が一発で終わります。申請等は、確認を怠らないことが速さにつながります。
このように速くすることの鍵は、速さ以外のところにあることがわかりました。このほか以外にも、日常生活や仕事で速くする方法がたくさんあると思います。どうすれば、速くすることができるのか。自分に問いながら、考えていきたいです。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。