書評メモ「勝ち続ける意志力」(梅原大吾)
伝説のプロゲーマーである著者による、とても示唆に富む一冊。以下、自己批判的にメモ。
勝負の本質とは
「ほとんどの人は、実力がつけばつくほどに自分なりのスタイルというものを確立してしまう。(中略)するとその形に縛られてプレイの幅が狭まり、結局は壁にぶつかってしまう」
「勝つために最善の行動を探ること。それこそが重要なのであって、趣味嗜好は瑣末で個人的な願望に過ぎない。」
いきなりさらっとすごいことが書いてある。そのゲームなり競技なりを会得していく中で、どうしても自分なりの色が付いて、自分の得意な形はこれだと言うのがあるべきだと思っていた。
が、それでは一流ではないという事なのだろう。確かに、ゲームの本質という観点から見ると、「自分のスタイル」というのは却って邪魔な物かもしれない。考えてみれば、羽生九段は最盛期?の頃、振り飛車でもなんでも指してたっけ。
ゲームと麻雀
「ゲームで手にしたノウハウはあまり通用しなかったが、徹底的に努力する僕の取り組み方、子供の頃から続けてきたやり方は間違っていなかった。」
自分の場合は、ちゃんとノウハウを応用出来ているのだろうか?競技と仕事の差異ばかりに囚われて、努力する事の確かさを掴めないままここまでやってきてしまったのではないか?
目的と目標は違う
「持続可能な努力のためには、目標はあくまでも目標で、目的と混同してはいけないということを知る必要がある。」
本書のハイライト。目的とは、あくまでも他者から評価されたりするのではなく、自己実現的なものである必要があるのだろう。他者比較の評価(例えば大会で優勝する)では、それが実現できなかった時に自分の努力自体を否定してしまう事になる。
自分はこれまで、負けた事に得るものはあるけど、勝った事の方が得るものが大きいと思ってきた。だけど、それは自分自身の自信の無さから来る大いなる誤解だったのではないか。
大事なのは負けた時に自らをきちんと振り返り、向上のためのヒントを掴む事だ。
正しい努力とは変化すること
「自分にとっての適量を考えるなら、「その努力は10年続けられるものなのか?」自問自答してみるのがいい。」
簡単に10年と言うけれど、短い人生の中で10年という期間はかなり長い。自分としてはまず3ヶ月くらいで様子を見るのが良いと思っている。このnoteにしたって、10年続けられるかと言えば、それは分からない。が、それが自分にとって一番良い方法であれば続けられると思う。
いまが一番でないならプロを名乗るべきではない
「今日より明日が良くなければ、何のために努力しているのか分からない。継続的な成長を目指さないのであれば、競技から退いた方がいい。」
大いに同感。我々としては、競技を"仕事"に置き換えて考えるべきだと思う。ネット等ではよくプロ選手を批判するのを見かけるが、それは我々が仕事をする時にそのような厳しい目で見られているだろうか?見られないにしても、自分をそういう考えで律しているだろうか?自分はそんな自信はとてもない。。