・Meta(旧「フェイスブック」)とメタバースの今後の大枠軸は何か?#4
・Meta(旧「フェイスブック」)とメタバースの今後の大枠軸は何か?
METAの株価暴落が起こりました。今回は、少し大枠の大局観に立って、Metaという会社について、頭を整理してみます。
・フェイスブックによる「脱・広告」時代の幕開けは成功するか
旧フェイスブック、「Meta」の株価が暴落。330ドルから239ドルになりました。
つまり、たった1日で25%も株価が落ちたことになります。
「27兆ドル」近くが、たった1日で消えました。
うえーん。
バズワード中のバズワードですが、「メタバース」の未来予測は、正直現段階では本当に難しいのです。
現時点では「ビミョー感」を感じている人も多いと思いますし、
かつての電通の黒歴史「セカンドライフ」的なものにも見えます。
(ネットに、2007年の記事がありました。)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/0709/10/news018.html
今回はなぜフェイスブックがメタバースに参入するか、大枠で考えてみたいと思います。
やっぱり、セカンドライフを仕込んでいた当時から、「IT・金融業者」にとっての理想郷は「二次仮想空間」での商取引の爆発的増加なのだ、ということなのです。
ただ、これら電通が仕込んだ「セカンドライフ」時代と違うのは、フェイスブックはガチで世界中のプライバシー情報・アカウント情報を今でも握っているということです。
今後eコマース分野・「ゲームアイテム課金」分野などで、彼らが莫大なマーケット自体を1社で生み出せる可能性も高い。
電通の場合は、セカンドライフ(仮想空間)を一つの「広告メディア媒体」と考えてしまったので、失敗しましたが、フェイスブックのデベロッパーやソフトウェアエンジニア、インスタのクリエイターの莫大な豊富さを考えれば、全く商品棚の母数自体が違います。
ここはイノベーションの勝機はあるのでしょう。
「セカンドライフ」では、仮設の仮装店舗を出させるだけのビジネスモデルだったんですよね。で、美術館や公共空間を増やそうとしてしまった。
今考えても、あれは無理ゲーです。
そうじゃなくて、メタバースでは、そもそももっとマイクロゲームやIPコンテンツ、クリエイティブなキャラクターを増やそうという動きが加速化していくので、これはかなり有望だし、全くここらへんの「クリエイティブ・コンテンツファースト主義」がなかった「セカンドライフ」と違う動きでしょう。
そして、母体となる「電通」と「フェイスブック」の最大の違いは、プライバシー情報と個々人のデータ収集があるかないかです。
電通ももちろん多少の媒体調査を通じて、グローバルな世帯ごとのプライバシー情報を握ってはいますが、それでも「フェイスブック」などとは比べものになりません。
電通はその点で、どこまでいっても、「メディア媒体」の広告枠ブローカーであり、伝統的な「広告代理業」者です。いろんなことを、それこそ人海戦術でなんでも手を出す電通ですが、やっぱり基本的にお金になる「マネタイズ部分」はB2Bの広告代理ブローカー業です。民放テレビはもちろん「無料」ですが、ようやく広告を入れてお金になる。そして商品の値段に「広告料」が含まれていくわけです。直接課金の公共放送NHKや各種映画や動画配信とは違います。
なので、その「広告料」が電通に振り込まれるまでは、なんとか「手足を動かす」サービス残業ばかり。2兆円以上を売り上げる会社ですが、クライアントファーストの一方で「伝統的な広告エージェント業」からは抜け出さない方が結局いろいろな会社を束ねられて、儲かるのです。
一方でフェイスブックの場合はそもそも目指す場所が「あらゆる人と人とをコネクトさせるインターネット・プラットフォーム」です。
本質的な役割としては、世界中の「デジタル電話連絡帳」・世界中の「デジタル郵便局」であり、全くプラットフォームとしての向かっている「未来のゴール」のレベルが違います。
そして、21世紀の世界中最大の「コミュニケーション・インフラ」になることは創業当時から今も変わりません。
(一方で、Googleは最初から「世界最大の人工知能開発」会社であり、その手段として検索エンジンとアルゴリズム開発から始めました。なのでGoogleは本当にSNSやコミュニケーションインフラを作るビジネスが苦手です。Facebookの独壇場なのです。)
だからこそ、ここでFBが「通貨発行権」を作れれば、ここで世界の市場経済が回る、とザッカーバーグは読んだのです。
ところが、数年前の暗号資産「リブラ(Diem)」で失敗してしまいました。
「中国」のITとの対立構造の中で、フェイスブック解体だけは避けられたものの、やっぱりアメリカ中央局からはFACEBOOKとザッカーバーグは、今でも睨まれています。
なので、何とかして、これらの監視をかわせる一発逆転として、「メタバースの世界」にもっていきたいのでしょう。
そこで、彼らとしては、ゲームの世界の「ポイント発行権」でなんとか「ディエム(リブラ)」の「通貨発行権限」の代替化装置を作りたい。
そう思っているんだと思います。
彼らとしては、なんとかして早く、今の「インターネット広告代理業」から脱したいはず。
基本的に広告ビジネスの王座は、時代時代ごとに急速に変わっており、昨日の勝者は、明日の敗北者になってしまう可能性が高いからです。
そこで、フェイスブックが勝てるとしたら、これまた、この30年のインターネットビジネスの王様である「ゲーム」か「Eコマース」しかありません。
その「二つ」の事業ドメインを取れて、なおかつ「通貨発行権」を握れるのが、Meta(メタバース)なのです。
さて、そのイノベーションが、うまくいくかどうか。
期待しましょう。
・追伸・MetaはSNSをゲーム化できるか?
まだまだ、スマホを持っても「SNSだけしかやらないエンドユーザー」は多いのです。
そこで、METAがそのままSNSレイヤーや「コンテンツ別」の「SNS上ゲーム」をつくればいいのですよ。
ゲームのハードウェアとソフトを買うのは、まだまだ「ゲーム好き」のユーザーばかりです。
私もそうなのでわかりますが、プレステ5やニンテンドースイッチを買うのは、そうとう遅れてからでした。ほとんどの人はまだスマホでダウンロードしたゲームも一回やって飽きることの繰り返し。
ならば、SNS上でゲームをフォロワーやフォローしている人と共有すればいい。
B2B広告フィーだけではなく、末端のエンドユーザーからチャリンチャリンと取るビジネスモデルにしていかないとMETAはいずれプラットフォームとしては飽きられ、立ち行かなくなるはずです。
そういや、15年前、あれだけ流行した「mixi」も結局、今ではゲームの会社ですもんね。
人集めしかできないSNSが、結局自社企画のゲーム事業会社に向かうのは必然的な流れなんでしょう。