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青葉の翳り

老いなどというより、むしろ虚無の感じに近いのかもしれなかった。青年期の戦争体験が無くて二十年の歳月が経過していたら、自分はそういう感覚に見舞われずに済んでいたろうか、

数ページ読み、目の奥からジワとあつい涙がわいて、それどころじゃなくなるから用事の前に読んだら駄目だった。
夜、帰りの電車で読もうと思ったけど、実はこの3、4日でまた顔つきが変わって、しかも明らかに顔全体として違うのにどこがどう変わったか不明だから余計気になって、電車の窓に映り込む自分の顔を何度も見るから読むどころではなくなった。

簡便に、物理的にそこにあるのに、何だか手が届かないじゃないですか。この本も、自分の顔も。

結局、昼間に溜めた涙は、夜になって鼻水になって出て来た。でかいくしゃみにさんかい。
風邪ひいただけかもしんない。


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