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コロナ時代を進む企業家の地図

日経ビジネスでは、コロナショックによる所得ショックが起きると書かれていましたね。
外出自粛となり、消費が停滞すれば経済も停滞し、企業の収入も減っていくので、社員の給与に跳ね返ってくるのも時間の問題でした。
ただ本当に怖いのはこれからで、今はまだ休業や時短で済んでいますが、これから企業も本気で生き残り競争を開始するとなると、生産性を最大化し、人余りの部門についてはリストラが行われるでしょう。特に派遣社員や登録社員についてはそのリスクが高くなります。若い社員も同様です。即戦力による生産性の向上を目指すのが一般的な考えなので、給与の高い中堅以上の社員はボーナスカットなどでコストカットし、経験の浅い社員がリストラの対象になりやすくなります。

でも実は飲食店や衣服店などで主に消費をしている層が派遣社員や登録社員、若い人たちと言われています。
新しい iPhoneやレア物のスニーカー、日本初上陸のタピオカやパンケーキに並ぶのはいつだってこの層です。

日本はこの層の方たちの消費に支えられていました。(あと旅行客のインバウンド消費)
企業は生産性を高めるために消費をする人たちの所得を減らし、結果として自分たちの収入を減らす種まきをしてしまっていることになるのです。


では、どうすればいいのか?

企業の体力(資金力)の問題もありますが、企業として生き残っていくには、新しいビジネスモデルへの挑戦が必要不可欠になると思います。そしてその新しいビジネスモデルとは、パイを奪い合うようなものではなく、経済成長を促すような新しい市場を創造するようなビジネスモデルへの挑戦です。

今までの話にある通り、企業として生き残っていくには、若い人たちにお金が回っていかなければ経済が回っていきません。つまり、パイの奪い合いをすると、企業は競争力を高めるために商品の価格を下げ、利益を確保するために社員の人数と給与を抑える方向に進みます。
その方向性では今の経済の流れを変えることはできません。

大事なのは新しい市場を開拓し、新たな収入を生み出すことです。
歴史に学べばわかるはずです。今まで人類は新たな大陸の発見を通じて経済成長を続けてきました。その中で侵略や戦争という過ちを犯してしまったことはありましたが、経済発展によって社会が進化してきたのは間違いありません。
コロナショックのインパクトが強くて社会の不安も一気に高まっていますが、そもそもコロナによって起きた変化は、元々予想されていた変化で、未来が少し早く訪れただけの話です。

温暖化による食糧危機や異常気象など、本当の問題が訪れる前に、今の状況に気づけたことをむしろラッキーだと思うべきです。

話を戻すと、新しい市場の創造とは何か?

一番わかりやすいところでいうと、宇宙ビジネスでしょう。例えば火星に住めるようになるとか、火星で食料を作れるようになるとかいったことになれば、それは今までにない新しい市場が拓かれることになります。
とはいえ、宇宙ビジネスに誰もが関われるかというとなかなか簡単ではありません。

では、もう少しスコープを近づけて考えてみると、アフリカやインド、ASEANなどの新興国でのビジネス展開になるでしょう。新興国をオフショア拠点とみるのではなく、新しい市場として捉えるビジネスモデルです。
物価や言語、文化、インフラや治安の問題がありますが、今までにない新たな市場が確実に存在しています。

さらにスコープを近づけると地方創生という話になります。今は過疎化により地方の消費は観光くらいしか無くなってきてしまっていますが、今回のコロナによりテレワークが通常化し、営業もZoom面談で十分になれば、東京にオフィスを構える必要は無くなります。5Gによりオンラインによるデータのやり取りのストレスもなくなれば、東京のような土地が高いところで窮屈に暮らさなくても、沖縄や宮崎、静岡など穏やかな気候のところで庭付き一軒家でゆったりと暮らす方が人間的な生活が送れるでしょう。
そんな環境を自ら作りにいくというのも面白そうです。


いずれにしても新しいことに挑戦をしなければ企業としての未来は不安なままです。


でも、朗報もあります。
それは、今なら比較的資金を集めやすいということです。金融機関は、延命のための資金よりも、将来に向けて挑戦していくための資金の方が返済される可能性が高いため、そちらに貸したがります。ですが、現実は延命のための緊急融資の申し込みばかりなので、今、未来に向けての融資を申し込めるならば、かなりチャンスです。

そして優秀な人材も市場に出始めています。
今までなら新しいことをしようとすると社員からの反対があったものも、今、この状況で社員も未来の不安を認識できているので、新しいことへの挑戦もしやすい環境になっています。

このタイミングを掴むか流すかは経営者次第。
チャンスの女神は前髪しかありません。

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