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新規上場の基準(形式基準)Part1

東証には5つの市場があることを紹介しましたが、それぞれの市場には上場審査基準というものがあります。これらは「形式基準」と「実質基準」に分かれており、両方を満たさなければIPOはできません。

形式基準は「株主数」「流通株式数」「流通株式時価総額」「流通株式比率」「公募または売出し等の実施」「時価総額」「事業継続年数」「純資産額(連結・上場時見込み)」「利益の額(連結)または時価総額」があります。

このnoteを読みに来られる方のほとんどがベンチャー経営者かあるいはこれから起業を目指される方だと思いますので、ここではマザーズとJASDAQを中心に解説していきます。

株主数については、東証一部は2,200人以上、東証二部は800人以上となっていますが、マザーズ、JASDAQは共に200人以上で良いとなっています。ベンチャー企業を対象にした市場なので、少ない人数でも上場できるように基準が設定されています。(少ないとはいっても200人は必要ですが。)

流通株式数もマザーズ、JASDAQは東証一部、東証二部と比べて少ない株式数で良いとされています。(流通株式数とは発行株式数とは違い、実際に市場に流通(売買されている)株式数のことを言います。自己株式や大株主・会社の役員が所有し固定的になっている株式は除きます。)東証一部は20,000単位以上、東証二部は4,000単位以上となってますが、マザーズは2,000単位以上、JASDAQは流通株式数の規定はありません。

流通株式時価総額ですが、これは「株価×流通株式数」で計算されます。東証一部・二部は10億円以上ですが、マザーズ・JASDAQは5億円以上となります。

流通株式比率にも条件があり、発行済み株式の内流通している株式の比率がマザーズは25%以上必要です。JASDAQにはこの基準はありません。

マザーズとJASDAQには「公募または売出し等の実施」と言われる形式基準が設けられています。これは他の条件が本則市場に比べて低く設定されてはいますが、世の中からしっかりと認められている企業だということを確認するための条件と言えます。
マザーズは公募500単位以上、JASDAQは1,000単位以上か上場株数の10%以上のいずれか多い数となっています。

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