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今の仕事に誇りを持つことは危険を伴うことを知ろう

最近はコロナショックの影響でお客様と一緒に行動することが増えました。
一緒に金融機関に話を聞きに行ったり、業務提携の話しがあれば一緒に相手企業に話を聞きに行ったりするようになり、その移動中や打ち合わせ後にカフェやランチなんかを一緒に取りながら話をするようになりました。
こういう非常事態にはやっぱり人は人との結び付きを求めるものなんだと改めて実感しています。

そんな中、先日の話ですが嬉しい出来事がありました。


クライアント企業の社長と一緒に業務提携の話をもらった相手企業に一緒に訪問したときの話です。

相手企業はなかなかの大手企業。そこの社長と常務と経営企画室長が出てきて、重厚な空気感。
こんな数字が知りたい、こういう資料はありますか、と言ったような質問が矢継ぎ早に出る中、準備してきた資料を次々と渡し、全ての質問に即答していきました。

すると、相手の社長が驚いた様子で、僕のクライアント社長にこう言いました。


「とても素晴らしいコンサルティングファームを見つけましたね!」


今までお客様に褒めていただいたことはあっても、お客様のお客様(関係者?)から褒められたことは初めてでした。
するとクライアント社長は誇らしげに、こう答えました。


「そうなんです。彼らが来てくれてからうちの会社は良くなりました!」


お互いに社交辞令だったかもしれませんが、こんなに嬉しい瞬間にはなかなか巡り合えないなと嬉しい気持ちになりました。


この後はほとんど全部僕に打ち合わせを任せてくれるようになりました。
社長抜きで相手と打ち合わせをすることもあり、社長からは


「高橋さんが良いと思うならおれはそれでいいよ。」


なんて言ってもらえるようになりました。


一人で相手企業との打ち合わせを終えた帰り道、充実感に包まれ、夕日の見える川沿いの道を歩く。
スカイツリーが遠くに見え、ピンク色の空に光始める。春の風が気持ちいい。

と、ここである違和感に気づく。

「自分の仕事はこれで終わりか?」


何も終わってはいませんでした。
信頼され仕事がスムーズに進んだだけの話。

自分が目指す世界はこれで終わりではない。

今回のコロナショックにより、窮地に追い込まれている企業は他にもあり、今回のクライアント企業も窮地を脱したわけではない。


今回の仕事は将来のビジョンに対しての一歩であり、その一歩としては上々の出来ではあったが、あくまで一歩は一歩でしかない。


何が言いたいかというと、誇りを持つのは自分が向かおうとしている未来の仕事であって、今の仕事に誇りを持ってしまうと、そこで思考も成長もストップしてしまうということだ。


よく、俺はこんなにたくさんの仕事をしているとか、こんなに高額の仕事を請けているといったようなことを自慢気に話す人がいるが、今の仕事を誇っている時点でその人の未来は競争に負ける未来かせいぜい今と同じ仕事をしているくらいしかない。

自分がどんな仕事を通じて、どんな未来の世界をつくろうとしているのか。
その描いている未来の世界の実現のための仕事に誇りを持つのが正しい誇りの持ち方だと思います。

そういう誇りの持ち方ができると、当然、今の仕事もその中に含まれるので、わざわざ誇る必要もなくなります。

正しい誇りの持ち方をすれば、それは成長の原動力となりますが、誇りの持ち方を間違えると、それは悪い方向に働き、自身の成長を止める要因になります。

今の自分が自分の仕事のどの部分に誇りを感じているのかを見直してみるきっかけにしてみてください。

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