三浦大根の少なくなっている理由は?
青首大根との違いを含めて解説いたします
三浦半島で作られている大根といえば、三浦大根です。
中ぶくれした立派な大根は、水分が多く、煮込み料理に最適です。
根強い人気がある三浦大根ですが、実は最近は生産者が減ってきて、市場にあまり出回らなくなってきています。
今回は、なぜ三浦大根が少なくなっているのか、また、青首大根との違いについて、解説したいとと思います。
〈目次〉
1.台風による被害
2.収穫が重労働
3.三浦大根の特徴と青首大根との違い
1.台風による被害
三浦大根は、お尻が膨らんでいる形の「高円坊大根」と細長い形の「練馬大根」を掛けあわせて、大正時代に誕生した大根です。
関東を中心に人気がありましたが、昭和54年の台風によって、三浦大根の畑は破壊的な被害を受けました。
台風の被害を受けて、農家の方々は収入源の得るために、青首大根を生産・出荷するようになりました。
三浦大根は時間をかけて育てなければなりませんが、青首大根は早く育ちます。
この台風を機に、三浦大根から青首大根の栽培に切り替える農家の方々が増えていったのです。
2.収穫が重労働
三浦大根は大きくて重く、青首大根と比べると違いは一目瞭然です。
下にいくにつれて太くなるので、簡単には抜けず、収穫はかなりの重労働となります。
一方、小ぶりな青首大根は生産がしやすいです。
あわせて、消費者のニーズが小ぶりな大根へ変化していきました。
また、同じ畑で収穫できる量は、三浦大根は青首大根の3分の1程度です。
三浦大根と比較して労働力が少なくてすみ、収穫量が多い青首大根へ切り替える農家の方々が増えていきました。
3.三浦大根の主な特徴と青首大根との違い
三浦大根の主な特徴は以下の点です。
①太くて長くて重い
②下にかけて太くなる「中ぶくれ」の形
③真っ白な色をしている
④水分が多く、日持ちしない
⑤煮崩れしにくい
大きいものだと長さ60~70cm、重さは7~8kgもあります。
また、青首大根は上部が緑色ですが、三浦大根は上から下まで真っ白です。
味は、甘みがある青首大根に比べると、三浦大根は少し辛みや苦みがありますが、味に独特の深みがあります。
青首大根はスーパーなどで手軽に購入できますが、三浦大根は購入できる時期が限られています。
手に入りにくくなったものの、いまも三浦大根は一部の消費者に根強い人気があります。
以上
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