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弦楽器の種類と特徴(オーケストラ)
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスは、「弦楽器」に属します。
いずれもマツやカエデなどの木材でつくられた胴体に、4本から5本の弦が張られています。
弦を弓でこすって振動させ、この振動が木製の胴体全体に「共鳴」することで、美しい音が大きく響きわたります。
弓には、馬のしっぽの毛が張ってあります。
オーケストラのなかでは、小さい順に、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスという4種類の弦楽器が演奏され、大きい楽器ほど低い音が出ます。
以降、4種類のそれぞれの特徴をご説明いたします。
■ヴァイオリン
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華やかな音色でメロディーを奏でることの多いオーケストラのリーダー的存在です。
甘くロマンティックな音色から、激しく荒々しい音色まで自由自在に奏でることができます。
演奏する人数もオーケストラのなかでは一番たくさんいます。
弦楽器は、オーケストラでは複数の人数で演奏されます。
大勢のメンバーが同じメロディーを演奏することによって音色や響きにもわずかな差が生まれ、それにより厚みのある美しい旋律が生まれます。
ヴァイオリンは、主旋律の多い第1ヴァイオリン群と、それに呼応した別の旋律を奏でることが多い第2ヴァイオリン群に分かれて演奏しています。
■ヴィオラ
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ヴァイオリンよりひとまわり大きく、やや低めで深く渋みのある音色を出す楽器です。
オーケストラの演奏では、ヴァイオリンやチェロほどメロディーを受け持つ機会は多くありません。
ただ、短い音をきざんで音楽全体のテンポを作ったり、音楽に表情をつけたり、中音域でハーモニーを作ったりする大切なパートをになっています。
ヴィオラは深みのある温かい音色をもっています。バッハやハイドン、ブラームス、ベートーヴェン、ドヴォルザークなどは好んでヴィオラを演奏したといわれています。
viola(ヴィオラ)とは、もともとイタリア語で擦弦楽器(弓で弦をこすって音を出す楽器)の総称からうまれた言葉で、violino(ヴァイオリン)は「小さいヴィオラ」、 violoncello(チェロ)は「大きいヴィオラ」を意味して名づけられました。
■チェロ
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音域は人間の声にいちばん近いと言われています。
包みこむように豊かな音色や幅広い音域で人気があり、オーケストラでも旋律を弾いたり、中音域を支えたり、伴奏を受け持ったり、とさまざまな場面で活躍する楽器です。
胴体の長さはヴァイオリンの約2倍、厚さは約3倍もあります。楽器の下からはエンドピンと呼ばれる棒が出ていて、チェロ奏者はエンドピンを床に立て、楽器を両足に挟み、椅子に座って演奏します。
■コントラバス
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全長が約2メートルもあるオーケストラ最大の楽器です。「コントラ」とは音楽用語で「特別に低い」という意味があります。
他の弦楽器が5度間隔で行う4本の弦のチューニングを、コントラバスは4度間隔で行うほか、弦が5本のものもあります。
並外れた大きさのほかにもユニークな点がいくつもある楽器です。オーケストラの中で最も低い音を出し、足もとから響きわたるようなどっしりとした重低音で、オーケストラの演奏を土台から支えています。
参照元: 「東京交響劇団&サントリーホール」Webサイト
以上