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「築地銀だこ」のこだわり


「築地銀だこ」。ショッピングモールのフードコートを中心として、全国チェーンを展開するたこ焼き店の存在をご存知の方は少なくないと思います。


〈目次〉
1.徹底したおいしさへのこだわり
2.差別化をすることで消費者の支持を集める


1.徹底したおいしさへのこだわり
運営会社はホットランド(本社・東京都中央区)。18年前に群馬で発祥し、今では全国に420店以上のネットワークを構えています。

成熟した日本の外食市場の中で着々と成長を遂げ、昨年は東証マザーズに上場を果たしました。

日本国内にとどまらず、世界に打って出ている異色の「たこ焼き店」でもあります。

銀だこの創業者で社長の佐瀬守男さんです。

1997年の創業以来支え続け、現在は営業本部長を務める荻野哲さんは徹底的においしさにこだわっている、銀だこの知られざる裏側を以下のように語っています。

銀だこのたこ焼きは大人から子どもまで幅広い人気を得ており、その売り上げは年間200億円以上にも上っています。

たこ焼きの個数に換算すると、1日およそ100万個、年間でおよそ3億2000万個も売れています。

外はパリッと、中はトロッと。この食感が銀だこならではおいしさの特徴です。


外はパリッと、中はトロッと


これは、佐瀬社長が北京ダックに油をかけているところをテレビで見て、思いついたアイデアを取り入れて生まれました。

その場の思いつきを、思いつきだけでは終わらせないのが、ホットランドの精神です。

佐瀬社長は、もともと鉄工所の出身です。
店舗で使用するたこ焼の焼き台の開発を自社で行うことで、スタッフの意見を反映した焼き台や、たこ焼用の鉄板などが製造され、質の高い商品の開発につながっています。


2.差別化をすることで消費者の支持を集める
銀だこのたこ焼きには、さまざまな差別化がなされています。

一見何の変哲もないかつお節は、さば節をブレンドしたもので、より一層香りが強くなるように工夫しています。

たこ焼を入れる舟には樺(かば)を使っています。これで余分な油が吸われ、おいしさにつながります。

ベースとなる生地には、秘伝のミックス粉とたまご、水を混ぜ合わせるのだが、さらに青のりを混ぜ合わせているのも秘訣です。

青のりを先に入れることで、焼き上がった時には風味が出てより美味しくなります。

生地に入れる青のりと、仕上げにふりかける青のりの種類は異なります。

生地に入れるのはうま味の強い「あおさのり」、仕上げにかけるのは川で採れた香りの強い「すじ青のり」です。

タコは、たこ焼にした時に最も食感がよい1kg前後のタコのみを使っています。

あまり大きすぎると切り分けた時に吸盤がなくなってしまい食感が損なわれてしまいます。

タコは海外に数カ所ある工場で、1日に2万匹のタコをおよそ1000人のスタッフがすべて手作業でむいています。

タコは柔らかく、形がいびつなため、機械では切ることが出来ないからです。

そのタコの調達について、ホットランドは異色の取り組みをしています。

それは養殖です。銀だこでは年間およそ700万匹のタコが消費されるものの、このタコの収穫量が世界的に年々減ってきています。

従来からの調達に加えて、自社でタコを卵から育てる完全養殖のプロジェクトに取り組んでいます。

実はこれは、まだ世界でも成功例がなく、うまくこぎ着けられるかどうかは今後の課題です。


参照元: 「東洋経済ONLINE」Webサイト

以上

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