『共感の再生産』
「自己啓発系の本って結局書いてあること一緒じゃん」ってよく言われるし、自分自身そう思っていた。
それでも本が好きで、つい似た本を買ってしまう。
「人生一度きり」「他人の人生を生きるな」「好きなことをしよう」みたいな、言葉に共感したいからなんだと思う。
しかし、自分自身を含め多くの場合、共感だけして終わってしまう。
それは、おそらく、ドラマなどと同じ一つのコンテンツとして消費してしまっているからなのだと思う。
例えば、貧困や格差を訴えるSNSの投稿にたくさんいいねがつくのは、貧困や格差を取り扱った映画に心が動かされるのと同じ文脈で消費されていて、実際、共感はするが格差をなくそうと動く人はごくわずかだ。
煉獄さんや半沢直樹は『理想の上司像』というコンテンツの再生産しているが、現実社会へ戻ると、部下の盾になることもなければ、理不尽な上層部を正そうともしない。
多くの人が、YouTubeやnoteなどのSNSで「行動しよう」と発信しているのも、箕輪厚介さんが編集した本と同じ文脈で消費されていて、背中を押してくれる言葉に共感しているだけで、行動はしない。
それは憧れや納得のいかないもの、自分の置かれた境遇や理不尽、不公平な社会への不満などを発信されると、共感し、満たされる気持ちになるからだと思う。
つまり現状に潜在的に満足しているため、似たようなメッセージの本は売れ続けるし、どんなに伝えても人は変わらない。
ただ、その中でも変わりつづけている人もいる。
それは、変化を起こす動機を内在的に見つけられ、モチベーションをあげられる人だ。
そう言った人々は総じて自分の人生にコミットしている。
いつ終わるかわからない人生を全うしようとしている。
そして『死』をちゃんと意識している。
そんなわけで、『死生観』について学びたいと思う。