【読了】シュガーアップルフェアリーテイル ペイジ工房編
読み終えたので感想を書きます。
アンが銀砂糖師になってすぐに起きた事件が発端で、彼女はペイジ工房の職人頭として働くことになります。
アンがペイジ工房で働き、砂糖職人としての生き方を学び、大人として精神的に成長してゆきます。それを3巻で描いています。
まず、この物語の砂糖職人には3つの派閥があります。
1つはキースやジョナスが所属しているラドクリフ工房
2つは銀砂糖子爵のヒューが所属しているマーキュリー工房
3つ目がアンが働くことになったペイジ工房です。
マーキュリー>ラドクリフ>ペイジといった力関係です。
ラドクリフ工房とマーキュリー工房は元々ペイジ工房から派生したものであり、昔はペイジ工房一強という時代もあったらしいですが、職人気質が強く、顧客の要望を聞き入れることが出来ていないこととその他もろもろな理由があって廃れていったみたいです。
名声も落ちるところまでおち、ギルドに借金をしている始末。
アンはペイジ工房の長グレンにある条件と引き換えに工房の立て直しを命じられます。
アンはペイジ工房の職人頭として働くわけですが、ペイジ工房で働いている人たちは個性的で、始めは振り回されていましたが、最終的には彼らの性格・長所を見極め、纏めてゆきます。
今までアンは一人だけで砂糖菓子を作っていました。
今回は人を使って砂糖菓子を作ってゆくことになります。部下に指示を出して一つの作品を制作するわけです。アンにとっては初めてのことで、戸惑うのも当然なことですよね。
アンがペイジ工房を立て直すため行ったのは「新聖祭にペイジ工房の砂糖菓子を出す」ということです。
銀砂糖師編でちらっとでてきた”新聖祭”が今回は本編にがっつり関係してきます。
新聖祭に砂糖菓子を出すのは一苦労でした。
この新聖祭、毎年コンペ形式でどの工房が担当するのかを決めています。
しかし、ペイジ工房はとある理由でボイコット。参加していないのです。
新聖祭に参加するため、まずはペイジ工房の長を説得するところから始まります。そこから、癖のある職人をまとめ、コンペに出す作品を作るわけです。
見事、今年の新聖祭に砂糖菓子を飾る権利を手に入れたペイジ工房は、教会の近くにある城を借り、作品の制作に取り掛かります。
職人の人数が少ないので、一人働けなくなったら作品を出せないといった極限の状態で、数々のトラブルが起きるわ起きるわ……。
一番ピンチに陥ったのは、アンがラファルという妖精に攫われたことですね。
ラファルは宝石(オパール)から生まれた妖精で、次期妖精王(自称)と名乗っていました。狡猾な性格で、アンを攫うため、長の娘に取り入ったり、職人の片目を潰したりと外堀から追い詰めてゆきます。
もちろんシャルが黙っちゃいないのですが、アンを人質に取られてしまうとぐうの音も出ません。それとラファルはとある理由でシャルに固執します。
その事件は解決するわけですが、アンはラファルに20日ほど拉致監禁されたわけで、その間、新聖祭の作品制作はどうなったのでしょうか?
今回は一つ解決したらまた新たな問題がーー、といった展開が続き、ハラハラドキドキなお話でした。
最終的に新聖祭の作品がどうなったかは、ご自身でお確かめください。
次回は銀砂糖妖精編です。続きが楽しみですね!