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隠れ家の不良美少女 187 友里香マネージャー

アートシンクのオフィスへ友里香さんとやって来る。
立道さんがニッコリ迎えてくれた。

「「お疲れ様です」」二人はゆっくりとお辞儀した。
「お疲れ様です、配信見てますよ、キナコちゃんの人気は凄いですね、」立道さんが微笑んだ。
「ありがとうございます、キッカケを作って頂いたのはアートシンクさんですから」俺はニッコリ頭を下げる。

「初めまして、原友里香です」名刺を差し出す。
「立道です、よろしくお願いします」
二人は名刺交換をした。

「キナコちゃんの新しいマネージャーさんですね?」
「はい、今後ともキナコをよろしくお願いします」
「早速ですが、今度発売予定のゲームにキナコさんのご協力をお願いしたいのですが」
「ありがとうございます、どのようなゲームでしょうか?」
「簡単に言うと、スター育成ゲームのような物です、歌やダンス、モデル、演技などのアイテムでスターを目指します」
「なるほど、キナコにピッタリかも知れませんね」友里香さんは微笑んだ。
「是非よろしくお願いします」

コーヒーが運ばれてきたので席につく。

「キナコのアルバムが間も無く発売されます、そして武道館から配信ライブを行います。間も無く予告が始まりますよ」

「ええ!そうなんですか」立道さんは少し驚いた。
「配信は10月の31日に決定しました」
「もう3ヶ月程しかありませんね」立道さんは顎に手を当てて考えている。

「実はキナコさんにゲームのテーマソングをお願いしたかったのですが…………」
「そうですか、アルバムの中にノリノ良い楽しい曲がありますよ」友里香さんは微笑んだ。
「そうですか、是非聞かせて頂いて出来ればゲームの中でも使わせていただきたいです」
「友希さん未来ちゃんの作詞した曲のデータを持ってませんか?」
「ノートパソコンの中にあるのでデータをお渡ししましょう」俺はノートパソコンを立ち上げる。

「キナコさんには歌手として中心的なキャラクターになっていただきたいのですが、他にダンサーやモデル、女優さんのキャラクターも欲しいんです」
「もし可能ならコスプレサークル雅の子達に話が出来ますが」俺は聞いてみる。
「いいですねえ、コスプレツアーに参加した子達なら更にいいと思います」
「この後の配信でゲストに来てくれますから、宣伝も出来ると思いますよ」友里香さんが補足した。
「素晴らしい!」立道さんは手をたたいて喜んだ。

「これが曲のデータです」立道さんに渡すと直ぐに聞きたいと言うことで再生させた。

「♪・・・・」立道さんはリズムを取りながら聞いている。

「素晴らしい、とてもポップでいい曲ですね、歌詞も素晴らしい、是非この曲をゲームのテーマ曲にお願いしたいです」
「早速SONEレコードに許可を取ります」俺はニッコリした。

「それではキナコでまた年間契約をお願いできますか?」
「喜んでお願いいたします」
「お察しかと思いますが…………費用に付きましては……」
「おそらくかなり上がってますよね」立道さんは心配そうな顔をしている。
「アートシンクさんの協力が有って今のキナコがあります、ですからそこを考慮した上で3割アップでお願いできませんか?」
「えっ、それで良いんですか?」立道さんは驚く。
「その代わりと言っては申し訳ないのですが、武道館配信ライブのスポンサーになっていただきたいのです」
「なるほど」立道さんは手をポンとたたいて微笑んだ。
「喜んでスポンサーに参加させていただきます」

「一瀬さん、良い方をマネージャーに採用されましたね」立道さんは口角を上げた。
「これからもよろしくお願いします」
二人はアートシンクを後にした。

俺と友里香さんはウイングに戻ってくる。
「お疲れ様です」未来ちゃんが迎えてくれた。

「キナコちゃんがアートシンクさんの新しいゲームキャラクターになったけど、あなたの作詞した曲がゲームの中で使われる事になったわよ」

「ええ!ホントですか?」未来ちゃんは固まる。
「ああ、聞いてもらってOKが出たよ」俺も報告した。

「うそ…………」未来ちゃんは呆然と立ちつくす。

「お疲れ様で〜す」奏太くんが帰ってきた。
「どうしたの未来ちゃん?」
「私の作詞した曲が…………」
「ん…………」

俺は奏太くんに説明した。
「良かったな未来ちゃん」二人は両手を握り飛び跳ねて喜んだ。

友里香さんはニッコリと二人を見守っている。

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