目的によって違う写真表現
まあ、当たり前ですけどね。だけど、
1. 皆がよく言う「写真」っていうのは・・
一体どういうのを指すのか?というコンセンサスは、ありませんね。
とくにネットやSNSのカテゴリを絞らない世界では。
風景写真とか、ストリートとか、ポートレートとかいう興味対象別のカテゴリに分けた時に初めて、ある程度のイメージができると思います。
さらに例えば風景写真の中でも、細かいカテゴリがあるし、目的もそれぞれ違いますね。
場所を紹介するためのもの
その世界や写真家の世界観を表現するもの
アートなもの
など。それぞれに見る人の動機が違うから、見る人の期待に応える見せ方をしないと目的は果たせないですね。
上記の3つを写真の撮り方に置き換えてみると・・
被写体や風景がちゃんと見えるように撮る
被写体の本質や、風景から感じ取れる感動、撮影者の思考が分かるように撮る。
芸術性が感じられるように撮る(例えば幾何学的な視点で捉えるとか)
そうして撮ったものや、出力されたものの評価(成果)はどうなるかというと・・
観光などの媒体に載せる写真
写真集・写真展
絵画と同様のアート
などに分かれると思います。
だから少なくとも写真に要求されるものだけでも、この3種類ぐらいはありそうなんですよね。
それで、いわゆる「写真論」が展開されるのは、おそらく2番の系統かなと考えたりするのです。
1にも3にも、それなりのセオリーや考え方が存在すると思いますが、一般的に写真好きの間で話題になるのは、2番かなと。
それ以外は写真じゃないと考えてる人がいるかも知れない
ですよね。一方で、
2. どれも写真だ
と言う人が居そうなのはもっともなのですが、そう言ってしまうのはあまりにも大雑把すぎるだろうと思います。
現実的に考えて、お互いに仲良くすることもおそらく・・・できません。
3. 最初に目的を確認する
鑑賞者の立場としては、その写真がどういう目的で撮られたものかということぐらいは、最初に確認(想像)してから評価をする必要があると思います。
そのことを抜きにして、写真が素晴らしいとか、下手だとか感動しないだとかいう評価はしない方が良いだろうと思いますし、
写真家の立場としては、見せる媒体において、目的を何らかの形で見る人に分かるようにしておくのが良いのではないかと思います。
4. 自分の写真について
僕については、プロでないということもあり、目的は非常に曖昧です。
初めに撮ったものがあって、目的に合わせて見せたり使ったりしている感じはあります。
それはそれでもまあ、良いとは思います。強いて言えば、ライターが撮る写真のストックみたいなものなんでしょうね。
だけど、表現者として活動する人は、そんな曖昧な目的ではいけないだろうなあと思ったりしますね。
5. 大御所の事例
大御所が好きなので・・(笑)勝手にタイプを決めました。
水野克比古さんなどは、1番のタイプなんだろうと思います。
竹内敏信さんなどは、2番のタイプなんだろうと思います。
3番のタイプは良く知らないので挙げられないのですが、ここまで読まれた方は大体理解されているかと思います。
上記は「風景写真」を取り上げて話しましたが、ストリート(街)にも、ポートレートにも、似たようなエッセンスはあるのではないかと思います。
以上、目的によって違う写真表現についてのお話でした。