写真表現に階調は必要か
もちろん階調がなかったら絵にならないわけですが。
リバーサルフィルム
アナログの時代には、階調が豊富なネガフィルムが一般的でした。
ラチチュードが狭いリバーサルフィルム(ポジフィルム)は、おそらく広告写真あたり(?)からプロの間で使われて、それがアマチュア写真家にも広まったと思われます。
あの頃は、
ラチチュード( ≒ 階調 )が狭いほうが、
表現したい部分を明確にできる
カメラマンの腕がものを言う
といわれ、また、その他の特性として、
撮影でほぼ決まる(現像の自由度が低い)
フィルムだけで仕上がりを確認できる(ライトボックス)
ともいわれて、写真やる人の多くはリバーサルを選んでいた時代がありました。
ネガフィルムがいくらでも安く買えるのに、わざわざリバーサルフィルムを選んで写真作品を作っていたのですね。
階調が少ないほうが写真表現に向いているのでは
写真表現・・
といっても色々な表現があるからはっきりと定義できませんが、概ね記録写真ではなく、色や明暗によってメッセージや雰囲気を感じさせるようにした写真による表現という意味です。
何かの印象やイメージを見る人に伝えようとする際には、その部分がストレートに伝わる方が効果があるのですね。
そうすると、隅から隅までまんべんなく綺麗に写っている写真よりも、
見えないところがある
暗い部分と明るい部分がある
明るい部分が他より目立つ
特定の色を感じさせる
というような写真の方がイメージを伝えやすいといえます。
文章や会話と一緒で、逐一すべてを話すよりポイントを絞った方が伝わるということですね。
RGBでもう十分
テレビが4KになってもRGBは変わらないですね。
RGBは各色256段階の階調があります。
今のテレビはもっと上の階調があるのでしょうか?
RGBの階調は、高級な印刷物よりは狭いのだと思いますが、写真表現にはRGBでもう十分だと思いませんか?
もっと上の階調の技術も開発されていますが、記録映像では必要かもしれませんが、写真表現では要らないような気がしています。
本来、写真表現はリバーサルの階調レベルでよかったのに、RGBじゃなくてその上に行こうとすることが、意味があるのか?と感じています。
技術のために払うコストと得られる効果
すごい話になってきましたが(笑)
カメラや周辺システムが高階調になるために払うコストと、
写真を見せて得られる感動は、比例しません。
あるレベルから上は、技術だけが上がって、感動が横ばいになると思います。
つまり、写真作品で感動を与えるために、必ずしも階調は必要ないし、追い求めても意味がないということになるでしょう。
P.S.
念を押しますが、記録写真にも感動はあるため、それは別の次元の話になります。また、人間は表現と記録を両方をまぜこぜにして写真を評価することがあるから、そういう人間の特性を否定するものでもありません。
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