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おいしく食べたいオープンイノベーションとゴーヤーチャンプルー

共創の本当の意味

Open Innovationが「共創(協創)」と訳されている。しかし、本来、「共創」はもっと大きい概念、つまり、Co-Creation(コクリエーション)の日本語訳であるべきだとも思う。

オープンイノベーションはあくまで「共創」の一概念であるというのが私の考え方だ。小さな組織が外の力を利用し、極限までスピードを速めて、大きなインパクトを与える方法を指す。そして、組織の辺縁に近いところにいるのがコミュニティであり、その外側にクラウド(群衆)がいる。

だから、「共創」はオープンイノベーション以外にも、いわゆるアウトーソーシングやオフバランスといった戦略まで含めて「共創」であり、企業はスピードの速さとインパクトの大きさを求めて、これらのあらゆる手を打たなければならない。
1.シェアリング・アウトソーシング・オフショアリング
2.クラウドファンディング
3.クラウドソーシング
4.賞金コンテスト・ハッカソン
5.アンバサダー・ファンクラブ
6.アクセラレーター・インキュベータープログラム
7.企業コラボ・オープンイノベーション
8.CVC投資

と、まぁ、前置きはしてみたものの。

オープン・イノベーションの極意

オープンイノベーションはクローズドイノベーションの逆であり、組織外のリソースと積極的に交わり利用することによりイノベーションを起こそうという考え方だ。オープンイノベーションを成功させるコツは「ギブの精神」にある。

オープンイノベーションというからには外のリソースを利用するわけで、外のリソースを引き寄せ巻き込むためには、そこから何かをテイクしてやろうというマインドでは誰も寄ってこない。

コミュニティを醸成し、強烈にギブしあうメンバー間のスパークからイノベーションは起こるのだ。

さらに、もう一つ、オープンイノベーションの重要な要素は実はあの沖縄料理「ゴーヤーチャンプルー」に集約されているのだ。ゴーヤーチャンプルーはゴーヤー(苦瓜)と卵、ベーコン(豚肉)などを混ぜ合わせた絶品料理だ。

ゴーヤーチャンプルーとオープンイノベーション

実は、チャンプルーとは沖縄の方言で「ごちゃまぜ」を意味する。まさに食材のチャンプルーの中から生まれた味のオープンイノベーションがゴーヤーチャンプルーなのだ。

このゴーヤーチャンプルーをおいしく作るにはいくつかのコツがある。それは、そのままオープンイノベーションのコツともなるのだ。以下でそれを見てみよう!

1.混ぜる食材はなんでもいいわけではない
当然ながらチャンプルーは混ぜるも食材によって味も変わる。だから、混ぜるものは慎重に選ばなければならない。ゴーヤーは苦い方がいいのか、そしてベーコンではなくスパム缶を使えば、よりパンチの聞いた味が期待できる。しかし、実は一番味を左右するのは一見地味な豆腐だったりする。

ゴーヤーチャンプルーには沖縄の島豆腐をつかった方がおいしい。島豆腐は沖縄固有の製法で作られた豆腐だ。本当のチャンプルーには本当の食材が必要なのだ。オープンイノベーションだって同じ。本物だけを厳選して混ぜ合わせた方がおいしいに決まっている。

2.ごま油をケチらないこと
ゴーヤーチャンプルーは気合を入れてごま油を使うことが惜しくするコツらしい。ごま油は「香りづけ程度で少量を」というのが料理の基本なのかもしれない。しかし、味の濃いもの同士を混ぜ合わせるときには、食材同士をつなぐ役目である調味料も強烈になるのだ。

オープンイノベーションでは、特に味の濃いメンバーを強制的に混ぜ合わせるということを意図的に行う。その場合、コミュニケーションには最大の注意を図らなければいけない。調味料はちょっと香りの強めかなと思うかもしれないが、ケチらず投入しコミュニケーション円滑化を図る必要がある。

3.それぞれの食材に下ごしらえをちゃんとしてから混ぜること
多くの食材を集めるまでも大変な作業だが、ここからが重要だ。食材ごとにい下ごしらえをせずいきなり材料を混ぜても、べちゃべちゃなゴーヤーチャンプルーになってしまうのだ。島豆腐はしっかり水を切り、だしスープはちゃんと水に溶き、ゴーヤーは絞りすぎないことが重要だ。

オープンイノベーションでも同じだ。いきなり「ごちゃまぜ状態」を作るのは危険なのだ。それぞれの食材には適切な下ごしらえが必要である。それぞれが準備をしていない状態で「ごちゃまぜ」にしても「べちゃべちゃ」になるのである。

4.混ぜる順番が意外と重要
どんな料理も同じだと思うが、混ぜる順番、これが一番最後に重要なポイントだ。特に卵は火を通しすぎると固くなる。食べるには絶妙のタイミングが必要であり、オープンイノベーションも同じだ。タイミングを間違えると固くなりすぎてしまう。

5.おいしそうに盛り付ける
まぁ、言うまでもないけど、最後はアピールね。綺麗に盛り付ければおいしそうに見える。人の評価も変わる。真のイノベーションはデザインやブランディングにこそ人一倍気を使うべきである。

と、いうことで、オープンイノベーションとゴーヤーチャンプルー、どちらもおいしく料理して食べたいものだ。

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