10-12月のラボ活動より
Explaygroundではさまざまなラボが「遊びから生まれる学び」を実践しています。
まだまだ対面活動が不自由な中ですが、ラボの活動を定期的に、幾つかピックアップしてご紹介していきます。
→Explaygroundのラボ一覧
GREEN TECH ENGINEER
東久留米の森等で、森での学び、暮らしを実践することで、これから必要とされる自然とともに、自然を活用して生きていく人材の育成を目指します。
Dream 1:森を学ぶ、森で学ぶ、新しい森の学びのシステムの構築
Dream 2:多くの人が森を守りながら、森に暮らす、新しい森生活システムの構築
リーダー教員:大谷 忠(東京学芸大学 教授)、鉃矢 悦朗(東京学芸大学 教授)
日々の活動は、活動の主役である中学生たちがインスタに発信してくださっていますので、そちらをご覧ください。(NPO緑のダム北相模と共同運営) →インスタグラム
10月には、朝日新聞 SDGs ACTION × アドビ「SDGs クリエイティブアイディアコンテスト2021」にエントリいたしました。残念ながら受賞はならずでしたが、大変な力作ですので、ぜひご覧ください。机上の空論でないSDGs、さらに広めるためには、という中学生のアイディアがつまったWebページ&動画となっております。
12月にはエコプロダクツ展に出展しました。中学生が間伐材を使って作った制作物や、森のVRなどを展示しました。
遠隔体育ラボ
オンラインの会議システムを使って、国内外の遠隔地同士を繋いで、一緒に楽しくプレイし、学びを深めていくことを目的にしています。学校や国の枠組みにとらわれず、グローバルな学びを創造していくことで、新たなネットワークの構築と、新たな世界の生成を目指していきます。
リーダー教員:鈴木 直樹(東京学芸大学 准教授)
このラボでは以前コロナ禍の休校期間中に体育を楽しむ企画を行いましたが、そのときに得られた知見も活用して、通常授業に遠隔コミュニケーションツールを使って離れた学校と共同で行うという実践を開始しました。第1回は新潟県と広島県の小学校を結んで、中学年と高学年がそれぞれ5回シリーズの表現教育授業を行いました。学校による機器やネットワーク環境の違いや、カメラ・音響の調整など、ITの準備も工夫が必要でしたが、それ以上に「遠隔ならではの授業とは?」について深い議論を重ねることができました。引き続き新年も別の学校で実践していく予定です。
VR体育ラボ
VRコンテンツを開発し、そのコンテンツを利用して、問題解決学習の問題生成場面をデザインし、実践します。体育の授業で、動きをイラストや動画で確認するのではなく、プレイヤーの視点そのものから動きを捉え、活動者の内側の視点に立って、問題を設定し、解決していくような新しいスタイルの問題解決学習を確立することが目的です。
リーダー教員:鈴木 直樹(東京学芸大学 准教授)
引き続き跳び箱授業へのVRの活用を実践しています。10月には名古屋市の中学校で実践し、ここでも大きな効果を確認することができ、新聞にも取り上げていただきました。
さらに小学生用にカスタマイズしたものを使って、東京都や新潟県の小学校でも実践を行いました。仮想空間で跳ぶ体験を通して一人称視点で跳び箱の世界に浸り、その上で現実世界に向かうと、子どもたちの見方や取り組み方が俄然違ってきます。その結果としてずっと跳べなかった生徒がいきなり跳べるようになったり、授業から遠ざかっていた生徒が楽しく取り組めるようになったりということが続出しています。
協力企業さんが開発してくださっているVRコンテンツも、回を重ねるごとにブラッシュアップされていっています。
変人類学研究所
変人が変人として受け入れられる社会を作りつつ、各自が自分の変人性に気が付き、その変人性を生かそうとする人材の育成を目指します。
リーダー教員:小西 公大(東京学芸大学 准教授)
変人研では、最近「SF思考」に注目しています。所員の道人さんがSF思考を研究していて昨年本を出したこともあり、SF思考と変人思考の共通点や相違点などに議論が白熱しています。SF思考のワークショップを参考にしたキャラクター制作ワークショップも盛り上がりました。できたキャラクターは「体内でオムライスを生成する犬」でした。変人研らしい。そこから転じて、SF思考と変人思考を融合したカードゲームを作ろうという企画が立ち上がりました。新年から具体的に動き始めます。
それから、これまで変人研が生み出した変言(変人類学を象徴する造語)を出版しようということで電子書籍を制作したのですが、スマホ画面に合わせて縦長ページに縦書きというのが変則的すぎたのか、Amazon Kindleストアに載せることができませんでした。。さらにそれをiPhoneとAndroidのスマホアプリにもして、Androidは Google Play で公開することができたのですが(下記QRコード)、iPhoneの方は Apple様から「機能が少なすぎる」と却下されてしまいました。。
Möbius Open Library (MOL)
図書館と知の未来について考えるラボです。
知を蓄えて整理する仕組み(=図書館)と、知を取り込んで新しい知を生み出す活動(=学び)の関係を思いつつ、知を取り巻く新しい仕組みや活動のあり方を考えていきます。
リーダー:高橋 菜奈子(東京学芸大学 附属図書館)
ファシリテーター:藤村 聡(東京学芸大Explayground推進機構 理事)
最近は新しい企画がなかなか出ていませんが、以前行った「朝読書ルーム」について、同じようなことを実施した他の図書館の方々と情報交換会を行いました。ほぼ同時に同じ発想で実施したところもあれば、我々MOLの実践記事を見つけて自分たちでもやってみた、というところもありました。
それぞれに頭を悩ませながら、でも利用者の方々に楽しく活用していただこうという想いを持った人たちのお話はとても暖かいものでした。
それから、これまでのMOLの活動が学芸大図書館の職員の方々の中でも広く認知され、ついに大きな方針の中にもMOLのキャッチフレーズである「知の循環」が採用されました。楽しみながら学びを深めるExplaygroundの活動が、社会を良くする組織的な動きに繋がっていくという大きな成果です。
VIVISTOP GAKUGEI準備室
子どもも大人も、だれもが気軽に「つくることで共に学びあう」を実践できる場づくりをはじめます。木工や電子工作から、レーザー加工機や3Dプリンターといったデジタルファブリケーションまで。気になることをとりあえずやってみて、見つけたことについてわいわい話しながら「つくって学ぶ」を楽しむ人を増やします。
10月から「VIVIGarden OPEN HOUSE」という企画をスタートしました。大学の専攻に関係なく学芸大生が「ちょっと気になっていること」を「とりあえず」体験できる機会として行っていきます。
そして、前回のこのコーナーでもお知らせした「学芸の森劇場」は、ついに第1話が完成しました!
金文ラボ
漢字の起源や語源を探究し、面白くてしょうがない漢字学習、古代漢字の解読を通しての当時の社会を理解していく、新しい漢字の発明などなど、漢字の多様な可能性や未来を考えていきます。
リーダー教員:下田 誠(東京学芸大学 准教授)
月に1回定期的にオンラインで活動しています。毎回1つの翻訳語を取り上げ、その言葉が生まれた社会的背景や関連する他の翻訳語について議論が広がります。最近は「自治」「自律」「実践」「科学」といった言葉を取り上げています。毎回2,3名の学生さんが参加してくださっています。新年はもっと仲間を増やしていきたいので、ご興味ある方は気軽にご連絡ください。
放課後まほらbo
「まほら」とは、「素晴らしい場所」「住みやすい場所」という意味の日本の古語です。子どもにとって、親にとって、地域にとっても素敵な「放課後のまほら」を探究します。
リーダー教員:小森 伸一(東京学芸大学 教授)
日々子どもたちと多彩な活動をしていますので、ぜひブログにもお立ち寄りください。 →まほらboブログ
12月の冒険まほらboでは、『世界一「水」の豊かな都市 江戸の謎を探索せよ!』ということで、2日間にわたって古地図を持って東京の町を探索してきました。
エディブルヤード
協生農法を実践することにチャレンジする活動です。不耕起、無施肥、無農薬で豊かな生態系を作ってたくさんの収穫を得ることができるのか? 学芸大キャンパスの一角で取り組みます。
リーダー:藤村 聡(東京学芸大Explayground推進機構 理事)
「食べられるキャンパス」の実現に向けて協生農法の実験を小規模に始めて1年あまり。2回めの秋冬です。1年前の反省を踏まえて豆類のタネを早めに蒔いたら順調にたくさん花が咲くに至ったのですが、厳しく冷え込む日が早めに訪れて実らずに枯れてしまいました。。最近種類を大幅に増やしたハーブ類は、種類によってうまく行ったり行かなかったり。次は来春3月ごろに大タネ蒔き時期が来るので、そのころ一緒に参加したい人募集です。
ヒューマンライブラリー
ヒューマンライブラリーとは文字通りには「人間図書館」です。お互い異なる文化的背景や、身体、考え方などを持った人々を生きた「本」として迎え、「読者」との対話を通じて、多様な生き方を認め合う、多様性に対して開かれた社会の実現をめざす試みです。学芸大では、1冊の「本」につき、1~5人の読者が語りを聞くシステムで、30分ずつ、4、5回の語りがあり、最後に全体の交流会が行われます。読者は、学内の教職員学生だけではなく、広く地域や一般に呼びかけて行われています。
リーダー教員:岡 智之(東京学芸大学 教授)
11月24日に今年度のヒューマンライブラリーをオンラインで実施し、37名の方の参加がありました。遠くは沖縄や中国等からも参加してくださりました。対面のほうが少人数でじっくり対話するというのに適しているところもありますが、オンラインの良さもあるので、来年度はオンラインも含め、ハイブリッドでの開催を検討します。
未来の森の教室
森を守り、森を愉しむ新しい時代の森人を育成したい。学校での森の学び(前後学習を含めた移動教室)を再定義し、実践的に研究開発、発信をしていきます。
リーダー教員:金子 嘉宏(東京学芸大学 教授)
小金井市の学校と取り組んでいる活動で、1校目が(日帰りながらも)ついに実施できました。午前は林業のプロからカラマツの間伐体験。午後は、その際で橋づくり(ほぼ男子が殺到する大人気企画に)、ボサ刈り、キープ協会さん指導での動物の痕跡探し、昆虫探し、さらに収穫予想表をもとに間伐量の測定、と盛りだくさん。先生方も児童さんも充実した学習になった、と感激してもらえました。泊まりならさらに活動できたのに、と言っていただき、企画の可能性を感じる1日となりました。これをきっかけに来年度実施校を増やして、より多くの子どもたちにリアルな森の体験、さらに中学生になりましたらGTEラボに、の野望が進んでおります。
Edu Knot Lab
「東京学芸大学に〈越境×協働〉の結び目をつくり出せ」
東京学芸大学は教育の中央商店街。ないものは,ありません。
でも,入学してどこかのお店に入ったまま,隣のお店には何があるのか,どんな人がいるのか,その交流はとても少ない。教師に必要なのはお店のディープな常連になること以上に,いろいろなお店に並んでいる商品や世界をつなぎ合わせて教育を生み出していく力です。
「Edu Knot Lab」は,教育の結び目をつくっていくラボ。いろいろな専門性を総合的に結びつけていく中で,教育の実践と,それを生み出す視点づくりを,学生の協働,教師の協働で進めていきます。
リーダー教員:南浦 涼介(東京学芸大学 准教授)
Edu Knot Labでは、月に2回のお昼時に「Edu Knot Radio」というYoutubeライブを配信しています。ランチタイムに気軽に聴けるくらいのトークをお届けしています。10~12月も、「境界を超える」ことや卒論について、あるいはお便り紹介や出演者の日常生活についてお話しています。
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