優しい人たちに出会うことは幸せで、同時にとても怖いと感じる。
悪人たちなら斬って捨てることができる。
自分の尊厳のために傷付けることも許される。
やられたことをやり返して良くて、正義を気取って居直ることができる。
でも優しい人たちのことは斬り捨てることが出来ない。
だからどうしていいか分からない。
暖かい彼らのことを傷付けるくらいなら、私が進んで下敷きになりたい。
踏み固められて構わない。折られても笑っていられると思う。
人に傷付けられることより、傷付けてしまうことのほうがずっと怖い。
だったら一人でいい。
優しい人で居たいのではない、私は誰にも優しくない、この気持ちはエゴだと知っている。
知らないふりができないくらい大人になってしまいました。
大人のくせに、社会性がないのです。
だからくだらないことで窒息しそうになるのです。
誰も私を求めないというのが私の望んだ世界で、ここに留まる意味はどこにもなく、存在も死もただの現象の一つで、居なくなるときは野良猫のように去っていきたい。
誰も悲しませたくはない。傷付けたくない。
そういう悲しさは全部私に来ればいいのだ。
優しい人たちが悲しむくらいなら、沢山悲しんできたが故に立ち直りが早い私が、彼らのぶんまで悲しめばいいのだ。
そういう世界を望んでいる。
だから優しい人たちには会いたくない。素敵だから、好きだから。大切だから。あなたたちは素晴らしいなと感じるから。
優しくて暖かな彼らには、決して自分の首を絞めることのない真綿で清らかに包まれて、ずっと幸せに生きてほしい。
ずっと楽しく笑って幸せに過ごしてほしい。
あなた達の泣きたい気持ちは私にください。
私は誰にも見えないように泣けますので。
沢山の良い所を見つけることができてとても楽しかった。ありがとうございました。