弱点を長所にできるか?
若い頃からF1好きなんだよね。
コロナ前までは毎年10年以上鈴鹿や富士で開催される日本グランプリに観戦にいってました。。
F1のレースというのは、スピードを速くすることが勝つことだと、ずっと思われていました。
どこのチームも、ともかく速く走るためのマシンを開発していたんだよね
でもある意味、単純に速いマシンを作ることは、けっこうどこのチームでも作れるわけです。
速く走るためには、空気抵抗が一番問題です。
だから各チームは、空気抵抗をなるべく減らすようなデザインや動きを考えて開発していたわけです。
ところがあるとき、頭のいい人が出てきた。
レース場って、コーナーがけっこうあります。
直線もあるけど、それだけじゃありません。
鈴鹿サーキットも
S字やヘアピン、
ダンロップコーナー、
シケインなど、低速・高速コーナーがたくさんあります。
コーナーがあるんだから、もしかしたら少々直線スピードが遅くても、このカーブを速く曲がれれば、より速く1周を回ってこられるんじゃないかと考えた。
それまでは、空気抵抗だけを敵ととらえていました。
だってより速く走るためには、マイナス要因だったから。
だから、クルマも、空気抵抗をなるべく減らそう、減らそうというデザインをしていた。
ところが、コーナーを曲がるときにスピードを上げ過ぎると、外へ飛び出したり、スピンをしてしまう。
速いスピードのままコーナーを曲がれるようにするためには、クルマを路面にくっつけることが必要。
路面にぴたっとくっついていると、スピードを出したまま曲がれるわけです。
そこで考えたのは、まさに発想の転換。
いままでマイナスだった「空気」を、プラスに変える考え方。
空気の圧力で車体を路面にグッと押し付けるようなデザインにしたわけです。
だからF1マシンって、高速でコーナーを曲がることができるのです。
これは飛行機と逆の発想です。
どうして飛行機は空を飛ぶかというと、翼の上と下を通る空気の流れを変えることによって上昇する。
F1マシンはそれを逆にしているんです。
空気の流れで下に押し付ける力を発生させて、コーナーを高速で曲がる。
この力を「ダウン・フォース」って言います。
この発想があったから、F1マシンは飛躍的に進化していったのです。
今のF1マシンは、理論上、トンネルの天井を逆さまに走ることができる。
ダウン・フォースでくっついたまま走ることができるくらいだそうです。
それくらい、路面に密着しているわけです。
今までみんなが当たり前に思っていたことをすべて否定して、まったく違う発想で、速く車を走らせた。
常識だったことが全然違っていた。
今の時代、ボクたちのビジネスも、
「敵」を「味方」に変える発想
をすることが大事なのかもしれません。
マイナス要因をプラスにできないか?
競合を味方にできないか?
弱点を長所にできないか?
たとえば、薬の副作用。
副作用と思ったら、それはマイナス要因です。
血圧を下げる薬の副作用で、体毛が濃く生えてくる。
それを応用して、発毛剤が作られました。
鼻炎薬の副作用で眠気が襲ってくる。
それを利用して、睡眠導入剤が作られました。
「敵」だと思っていたものが、思わぬところで「味方」になる。
視点を変えてみると、面白い気づきがたくさんあるかもしれません。
もっと、もっと発想を広げてみる。
そうすると「豊かな」ビジネスができるようになると思わない?
ともかくやってみよ!
ダメだったら変えればいいんだから。ね!
10月29日(火)
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