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80年代後半から90年代にかけてのアーケード体感ゲームの黄金時代 ロスジェネ氷河期世代のノスタルジア


はじめに アーケードゲームの黄金時代を生きた私たち

1980年代後半から1990年代にかけて、日本のアーケードゲームシーンは一大ブームを迎えていた。私たちロスジェネ氷河期世代は、ちょうどその波に乗って育った世代だ。特に体感ゲームと呼ばれる、実際に体を動かして楽しむゲームは、まさに私たちの青春の象徴だった。今日は、そんな懐かしのアーケード体感ゲームについて深掘りし、その革新性と楽しさ、そして私たちに与えた影響について考察してみよう。

1. バイクに跨って楽しむ『ハングオン』 リアルな疾走感を味わう

最初に体験した体感ゲームの一つが『ハングオン』だった。1985年にSEGAからリリースされたこのゲームは、プレイヤーが実際にバイク型の筐体に跨って操作するという革新的なスタイルを採用していた。これにより、プレイヤーは単なるボタン操作ではなく、身体全体でバイクを操縦しているかのようなリアルな疾走感を味わうことができた。ハンドルを切るたびに傾くバイクの筐体は、まさに風を切って走るような感覚をもたらし、現実のバイクレースさながらの臨場感を与えてくれた。当時は子供なのでまだ免許もないのだが擬似的にその感覚を体験できるのは素晴らしかった。

2. コックピットに座り込んで空を翔る『アフターバーナーII』 体感ゲームの進化

続いて夢中になったのが、『アフターバーナーII』だった。このゲームは1987年に登場し、さらに一歩進んだ体感ゲームの代名詞となった。プレイヤーは戦闘機のコックピットを模した座席に座り、レバーやボタンを駆使して敵機を撃ち落とす。最大の特徴は、ゲームプレイ中に座席が激しく動くことで、まるで本物の戦闘機に乗っているかのようなスリリングな体験を提供してくれた点だ。BGMもエネルギッシュで、私たちの心を掴んで離さなかった。当時、デパートの屋上などにも設置されており、友人たちとよく通ったものだ。そんなに出来るものでもないのでただ座ってるだけでも楽しかった記憶がある。

3. 高低差の激しいレースゲーム『パワードリフト』 レースゲームの新しい形

さらに時代が進むと、私たちは『パワードリフト』というレースゲームにも夢中になった。このゲームは、ただのレースゲームではなかった。激しい高低差のあるコースを駆け抜ける爽快感と、それに合わせて筐体が激しく動くことで、まるでジェットコースターに乗っているような体感を味わうことができた。急カーブを曲がるたびに体が引っ張られる感覚や、ジャンプ台を飛び越える瞬間の無重力感は、他のゲームでは味わえない特別なものだった。

4. ゲームの達人となった『ラッドモビール』 腕前を磨く日々

その次にハマったのが『ラッドモビール』だ。このゲームは、プレイヤーが車を操作してゴールを目指すシンプルな内容だが、非常に奥深い。私は相当やり込み、クリアまでのルートや最適な操作方法を極めるまでに至った。最初はただのゲームとして楽しんでいたが、いつしか友人と競い合い、誰が最速でクリアできるかを競うようになった。これもそんなに回数は出来るお金があった訳では無いが人がやってるのを見たりして覚えたのが懐かしい。

5. 究極の体感ゲーム『R360』:360度回転する衝撃の体験

そして、体感ゲームの究極形とも言える存在、それが『R360』だった。1990年に登場したこのゲームは、それまでの体感ゲームの常識を覆すものだった。ゲームセンターに入るとひときわ大きく、周囲がゲートで囲まれている筐体が目に飛び込んできた。それが『R360』である。プレイヤーは筐体に乗り込み、ゲームが始まると同時に360度あらゆる方向に回転する。もはやゲームという枠を超えた体感型のエンターテインメントだった。まるでジェット戦闘機のパイロットになったかのような感覚に包まれる。またこのような筐体がゲームセンターに置かれる日はないかもしれないが、もう一度登場を期待したいものだ。

6. SEGAの革新と体感ゲームの進化

これらの体感ゲームはすべてSEGAが手がけたもので、80年代から90年代にかけてのアーケードシーンを席巻した。SEGAのゲームは、単に遊ぶだけでなく、実際にその世界に入り込んだかのような体験を提供するものであり、その革新性とクオリティの高さには驚かされた。『ハングオン』から『R360』に至るまでの進化は、まさにゲーム業界の技術革新の歴史そのものだった。

7. ロスジェネ氷河期世代とアーケードゲームの思い出

私たちロスジェネ氷河期世代にとって、これらのアーケード体感ゲームは単なる娯楽ではなく、青春の象徴であり、仲間との絆を深める場でもあった。体感ゲームを通じて味わった興奮や緊張感、友人と競い合いながら成長していく過程は、今でも鮮明に思い出される。SEGAが生み出したこれらのゲームは、私たちの心に深く刻まれ、人生の一部となっている。技術が進化し、ゲームの形が変わっても、あの頃の体感ゲームが与えてくれた「リアルな体験」は、今も色褪せることなく私たちの記憶の中で輝き続けているのだ。

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